【J1第18節】名古屋グランパス 1-1 京都サンガ

名古屋グランパス 1-1 京都サンガ
◇日時:2009年7月18日(土)19.03キックオフ
◇会場:愛知県豊田市豊田スタジアム(1万7784人/屋内 28.2℃ 84%)
◇主審:吉田寿光
42分【名古屋】ジョシュア・ブレイク・ケネディ(ヘッド←マギヌン)
81分【京都】パウロ・アントニオ・ヂ・オリヴェイラ “パウリーニョ”(pen.)

■名古屋グランパス(4-2-2-2)
GK1:楢崎正剛
DF2:竹内彬
DF4:吉田麻也
DF5:増川隆洋
DF6:阿部翔平
MF7:中村直志
MF13:山口慶
MF10:小川佳純
MF8:マギヌン・ラファエウ・ファリアス・タヴァレス(76分-DF32:田中隼磨)
FW11:玉田圭司
FW16:ジョシュア・ブレイク・ケネディ

■京都サンガF.C.(4-2-3-1)
GK21:水谷雄一
DF6:染谷悠太
DF4:水本裕貴
DF14:イ・ジョンス
DF26:角田誠
MF16:安藤淳(45分-FW9:豊田陽平)
MF7:佐藤勇人
MF22:渡邉大剛(87分-DF3:シヂクレイ・ヂ・ソウザ)
MF10:ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ
MF8:中谷勇介(55分-FW20:パウロ・アントニオ・ヂ・オリヴェイラ “パウリーニョ”)
FW13:柳沢敦

あきれた前半、やっとこさ後半
いやー、今週は空いてる時間はひたすらドラクエってたので、とはいえ、いろいろ忙しくてまだダーマの神殿にて転職ができるようになったぐらいで、つまりはまったく事前情報を得てなかったのですが、何が起きたんでしょ。
3バック、3トップでゲームを支配できた柏戦から一転、今節は4センターバック、ヂエゴと1トップの
「ダメサッカースタイル」
に先祖返りしていました。
Qさんの頭の中で「冒険の書」が消えてしまったのか…。
理解できんよ。

案の定、ヂエゴが下がりすぎて前線に中谷と柳沢になっちゃってたり。
前線でボールが収まらず、サイドバックの攻撃フォローが遅くて。
きょうはテレビ観戦でしたが、ここでサイドバックが画面に出てくるだろう…と思った3、4秒後にやっとこさ攻め上がってました。
そんな京都攻撃陣にたいして相手ディフェンスラインはドンドン押し上げて、ますますスペースがなくなる。
前半にかんしてはどうしようもない感じでした。
シュートどころか、シュートにまで行く気配もなかったし。
で、簡単にクロスを上げられ、ケネディにさっくりヘッドを決められ、失点。
水本は高さが足りないのはわかってるわけで、ケネディ対策でまっすぅが入るかなーと個人的には思ってたのですが、4バックのときは染谷がファーストチョイスみたいだ。
そんなわけで、前半に関しては何もしていない、何もできない最悪の内容だった。

そして、一転後半では追い上げるべく豊田とパウリを投入するわけですが、なにこのデジャヴという感じで。
グダグダ→得点取られる→押っ取り刀で攻めはじめる。
この「前半罰ゲームサッカー」だけは、なんとかしてほしいと切に願います。
ところが、攻めの選手を入れても、なんかパスミス、トラップミスが多すぎて、萎える時間が続く。
ラッキーなペナルティをゲットして同点にできたけど、ほんと、きょうの勝ち点1は僥倖。
いや見てて、ドラクエやりたくなりましたよ…。

4-4-2の何か問題か?
しかし、4-4-2になるとどうしてこんなにダメサッカーになってしまうんだろう?

この深淵な問題は、中盤の守備、とくに2ボランチの守り方に起因するところが大きいのではないかと思う。
今季からコンビを組む、勇人&安藤だと、スペースを埋めることはできるんですが、「ボール奪取」が弱いんじゃないかなと。
昨年はシヂクレイのアンカー、あるいはシヂクレイ&勇人の2ボラだったわけですが、シヂクレイがいるとまず相手のロングボールをディフェンスの前で跳ね返すことができた。
一方、勇人&安藤さと高さがないし、そして相手ボールホルダーにたいしてチェックにいったときにボールを絡め取る力が物足りないんですよね。
きょうも、中盤に下がってきた玉田や、攻め上がってきた中村にガツンといけなかったし。
もちろん、ヂエゴが自由奔放なポジショニングをしてて、前目の選手と「サンド」してボールを奪うことができないとか、ほかの理由もありますが。
中盤で相手のチェックに慌ててボールをロストする京都の選手たちにたいして、名古屋の選手たちは比較的ボールを持ててるのを見て、上述なようなことを思った次第です。

最後に余談ながら、いまの京都には、やっぱ3トップが合ってる気がします。
で、ウイングが中盤まで戻って守備に行く。
1対1の守備に強い選手が少ない京都だけに、やっぱ人数をかけて、戦術的に守っていかないと!

【J1第17節】京都サンガ 1-2 柏レイソル

京都サンガ 1-2 柏レイソル
◇日時:2009年7月12日(日)18.04キックオフ
◇会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(晴 29.6℃ 64%/8011人)
◇主審:村上伸次
53分【柏】オウンゴール(角田)
72分【京都】イ・ジョンス(ヘッド←CK:ヂエゴ)
88分【柏】村上佑介

■京都サンガF.C.(3-4-3)
GK21:水谷雄一
DF26:角田誠
DF4:水本裕貴
DF14:イ・ジョンス
MF24:増嶋竜也(73分-FW11:林丈統)
MF7:佐藤勇人
MF10:ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ
MF8:中谷勇介
FW22:渡邉大剛
FW13:柳沢敦
FW20:パウロ・アントニオ・ヂ・オリヴェイラ “パウリーニョ”(63分-FW9:豊田陽平)

■柏レイソル(4-2-2-2)
GK33:菅野孝憲
DF25:村上佑介
DF5:古賀正紘
DF13:小林祐三
DF7:大谷秀和
MF34:杉山浩太
MF40:小林慶行
MF28:栗澤僚一
MF27:大津祐樹(87分-FW20:李忠成)
FW11:アヂウソン・フェレイラ・ヂ・ソウザ “ポポ”(82分-FW9:北嶋秀朗)
FW10:フランサウド・セナ・ヂ・ソウザ “フランサ”(78分-MF15:菅沼実)

アタッキング・イレブン
なんとも、評価がしづらいゲームでした(テレビ観戦)。
ヂエゴをボランチに下げて、トップは柳沢がセンターで、大剛とパウリが2シャドー。
ウイングを、両CBがどんどん追い越していく。
1ヶ月前はなんだったんだ!
…と言いたくなるほどの攻撃的な姿勢で臨んだ、京都サンガ。

あれですな、夏休み後突然金髪になって現れたクラスメート…そんな変貌ぶりでした。
しかし、結果は敗北だったと。
チャンスは相当つくれてたのにな…残念。

フォーメーションの話に戻ると、コレはセリエA・ジェノア、サンフレッチ広島に近い戦術。
で、この戦術の肝になるのが、たぶんアンカーです。
きょうは、勇人がこのポジション。
ワイパーのように上下左右に動いて、守備面では頑張ってましたが、課題は攻撃面。
短いパスでミスがあって、あとロングパスがほとんどないのが辛い。
この布陣だったら、ほんとはシヂクレイのほうがアンカーに向いてるような気がします。
ワイドにロングパスが出せますし、トップにズバッとくさびのパスを入れるセンスもあるし。

あと、前線の選手の流動性に「裏付け」を感じられなかったのも残念なところ。
きょうの柏はだいぶ守備的だったので、京都が前線でパス交換をするシーンが散見されたのですが、これがチャンスにならない。
柳沢が引いて、パスを出す。
パウリが受けて、ヂエゴ…。
みたいに、パスは繋がるんだけど、なんとなく回してるだけというか。
けっきょく、詰まっているだけに見えてしまうんです。
誰かが裏にすっと走るとか、サイドから簡単にクロスを上げるとか。
前線のワンタッチパス交換しているときに、チームとして「最後はこう打開する」みたいな約束事がほしいっすね。

そんなワケで、攻撃は「期待できる発展途上」っていえる段階じゃないかな。
柳沢、パウリ、大剛、ヂエゴ、豊田。
攻撃では、それぞれ特徴が違った選手が揃っているだけに、どういう組み合わせでどう攻めるか?
シーズン後半戦は、その「最適解」を探してくことになりそうです。

2失点はどう捉えるべきか?
一方、守備ですが、ともにつまらないカタチで失点してしまいました。

1失点目は、センターラインまで上がっていたジョンスのミスパスから、ポポに独走されてクロスを上げられて、角田がクリアミス→自陣にズドン。
2失点目は、村上の飛び出しに誰もついていけず、あげく水谷が焦って前に出てしまって…。
チーム全体が攻撃的にシフトしているだけに、ある程度仕方がない部分はあるんですが、前節に続いてもったいない失点が多すぎですわ。

逆にヂエゴを真ん中に置くことで、懸念された中盤でのプレスですが、結果的にはそれは失点に至ることはありませんでした。
パウリ、大剛が下がって、よく守備していたせいもあったかと思います。
そういう意味で、パウリに変えて豊田、まっすぅに代えて林を入れたことで、チーム全体での守りがやや緩くなったのかな。

あ、最後に久々スタメンのまっすぅがよかったです。
まず、守ってはマッチアップした大津にことこどく競り勝つ。
攻め上がっては、いいクロス。
ロングスローだけじゃないところを見せてくれました。

しかし、きょう勝ってれば、シーズン前半を勝ち越しで折り返せたのに…。
そして、柏の高橋コーチも更迭の可能性があったのに…。
こういうときに、さっくり負けちゃうのが、なんだか京都らしいなと(苦笑)。

【J1第16節】清水エスパルス 3-3 京都サンガ

清水エスパルス 3-3 京都サンガ
◇日時:2009年7月4日 19.03キックオフ
◇会場:静岡市清水日本平運動公園球技場 “アウスタ”(1万16205人/晴 23.3℃ 83%)
◇主審:東城穣 “ミノル”
14分【京都】柳沢敦(胸トラップ右足ボレー←右からクロス:渡邉)
24分【清水】フロデ・ヨンセン
28分【清水】岡崎慎司
44分【清水】岡崎慎司
58分【京都】渡邉大剛(右足←中央からスルー:パウリーニョ)
90+3分【京都】イ・ジョンス(左足ハーフボレー←パウリーニョ)
20090704leejungsoo

■清水エスパルス(4-2-2-2)
GK21:西部洋平
DF25:市川大祐
DF3:青山直晃
DF2:児玉新
DF4:太田宏介
MF16:本田拓也
MF8:枝村匠馬(88分-DF27:廣井友信)
MF13:兵働昭弘(82分-MF7:伊東輝悦)
MF23:岡崎慎司
FW11:原一樹(67分-MF6:マルコス・パウロ・アウヴェス)
FW18:フロデ・ヨンセン

■京都サンガF.C.(3-4-3)
GK21:水谷雄一
DF6:染谷悠太(64分-FW9:豊田陽平)
DF4:水本裕貴
DF14:イ・ジョンス
MF26:角田誠
MF7:佐藤勇人
MF16:安藤淳(54分-FW20:パウロ・アントニオ・ヂ・オリヴェイラ “パウリーニョ”)
MF8:中谷勇介
FW22:渡邉大剛(80分-FW11:林丈統)
FW13:柳沢敦
FW10:ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ

勝ち点1の満足感
追いついた、追いつきました!

日本平に行ったのですが、ナイスゲームの満足感と、なぜかピッチで京都の選手がクールダウンのトレーニングをしてたため、なかなか帰れない(笑)。
さらにバス待ち行列もあって、静岡駅に着いたら、東京行き最終のひかりがまもなく出発という。
なワケで、帰路は大変でしたが、来てよかったです!
心配していた雨も降らなかったしね。

さて、きょうは大剛の同点ゴールが決まってからの話からしましょうか。
京都は豊田を投入して、前線は右からパウリ、豊田、ヤナギの3トップ。
トップ下にヂエゴ、サイトハーフに大剛(途中で林と交代)と中谷、アンカーに勇人。
現状で考えうる限り、フルに攻撃的な選手を使って、「あと1ゴール」を取りに行きます。

で…。
●67分
豊田の落としが流れたところをヂエゴがフリーで狙うも、右足だったため大きく外す
●71分
パウリの無回転ミドルはキーパー正面
●77分
角田のサイドチェンジから中谷がクロス、ヤナギのヘッドは西部に弾かれポストを叩く
●88分
左サイド、中谷の深い位置からのクロスにヤナギが競って、流れたところでパウリがフリー
左足シュートは、キーパー・西部がブロック

と、決定機を作ったのがこんだけなのに、点が入らないとかどんだけー。
正直、終わったかな…と思ったロスタイム3分目。
ジョンスの同点ゴール!!!!!
実は、ボールを叩いた刹那、
「わっ、フカした…」
と思ったんですが、なんかゴールネットが揺れてて大興奮ですよ、お父さん。
ジャストミートしなかったぶん、ワンバウンドでキーパーの頭を越えるラッキーゴール。
京都側サポーター席は勝ったような盛り上がりでした。
つか、6ゴール入ったうち5ゴールが、自分の目の前で起こったんだもん。
こりゃ、お金払った甲斐もあったってもんで。

カウンターとパワープレイと
この同点弾以外の、きょうの京都の得点は2点ともみごとなカウンター!
去年の駒場での浦和戦、
「転がしたボール、抜けて安藤、サポートがあります、中谷から安藤、後ろから柳沢、ブロックする田原、ヤナギサワーーー!!」
っていう、いまだにナレーションが頭から離れないあのゴールを思い出させてくれました。
そーいや、あのときも中谷は先制ゴール決めたり、キレキレだった。
京都の高速カウンター発動には、中谷がピッチにいるのが条件っぽいです。

あと、きょうの京都はサイドでうまく基点をつくって攻撃を繰り広げていたと思います。
とくに後半、ジョンスと角田が左右のセンターバックに入ったところからが出色。
2人ともぐぃーんと対角のサイドチェンジを出すわ、グリグリ攻め上がるわ。
とりあえず、3バックにするなら、この2人と水本で固定すべきなんじゃないかと強く思った次第です。

え、でも3失点してるじゃねーかって?
それぞれ、染谷と角田がクリアしきれなくて岡崎をフリーにしてしまった、という京都守備陣の責任もあります。
でも、それ以上に岡崎を褒めたいところじゃないでしょうか。
フリーとはいえ、角度があまりない2つのシーンで、ダイビングヘッドと狙い澄ました右足。
並みのフォワードならどちらかは外してると思うし。
さすが、代表レギュラーだぜ。

1ヶ月前と比較すると雲泥の攻撃力
つーことで、今季最高の攻撃姿勢を見せてくれた京都サンガ。
あー、でも勝ちたかったな。
そんな「妄言」を口にしてもおかしくない、ナイスサッカーを見せてくれたと思います。
帰りのバスで、清水サポの人が
「きょうの敗因は…」
とか言ってたぐらいですし。
とにかく、ヤナギとパウリ、ヂエゴに、サイドから大剛と中谷が絡むアタッキングは、これからも期待大。
前節広島戦から、突如として「攻撃型」のチームになった京都サンガの明日はどっちだ?

しかし、静岡県知事に川勝平太(京都出身)が立候補してたとは。
選挙ポスター貼ってあるのを見て驚いたです。
海からの世界史。

【J1第15節】京都サンガ 2-0 サンフレッチェ広島

京都サンガ 2-0 サンフレッチェ広島
◇日時:2009年6月27日(土)13.04キックオフ
◇会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(晴 32.7℃ 41%/1万1806人)
◇主審:穴沢努 “アナザーワールド”
37分【京都】染谷悠太(左足ディフレクション)(Jリーグ初ゴール)
67分【京都】水本裕貴(ヘッド←FK:ヂエゴ)

■京都サンガF.C.(3-4-1-2)
GK21:水谷雄一
DF6:染谷悠太
DF4:水本裕貴
DF26:角田誠
MF22:渡邉大剛(87分-FW11:林丈統)
MF7:佐藤勇人
MF16:安藤淳
MF8:中谷勇介
MF10:ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ(89分-MF19:森下俊)
FW13:柳沢敦
FW9:豊田陽平(45分-DF24:増嶋竜也)

■サンフレッチェ広島(3-4-2-1)
GK34:中林洋次
DF5:槙野智章
DF2:イリアン・ストヤノフ
DF19:盛田剛平(50分-DF22:横竹翔)
MF14:ミハエル・ミキッチ(75分-FW18:平繁龍一)
MF35:中島浩司
MF6:青山敏弘
MF17:服部公太
MF15:高萩洋次郎
MF10:柏木陽介(40分-MF25:高柳一誠)
FW11:佐藤寿人

まさかの完封
パウリもシヂもいない…。
どうやって勝つんだよ、これ…。
と試合前に思ってたら、2-0快勝わっしょい。
現在J最高のアタッキングを誇る広島を完封とか、できすぎです。

それもこれも、水谷さんの神っぷりのおかげ。
決定機を軽く4〜5本は止めたんじゃないかな。
大剛がボックス内で気の抜けた対応(←殺意)してミキッチにシュートされたときも、あわてずブロック。
シュートを防いだあとのガッツポーズも最高すぎます。
水谷△!

3バックの”ミラーゲーム”
きょうのサンガは、広島の布陣に合わせて3バックでスタート。
だが試合開始から、柳沢のスーパー抜け出し→ループがバーを叩いた以外は、広島にペースを握られる。
とくに、ミキッチ・槙野の右サイドに再三裏を突かれて、アップアップ状態。
失点は時間の問題ともいえる状況だった。

そこで京都が取った対策は、
「高萩が下がって角田が突いていくと、その空いたスペースを狙われていた。
角田にはスペースを埋めて、高萩のケアは中盤の安藤に任せるように指示した」(加藤久コーチ)
というものだった。
逆に中盤のバイタルがやや空いたものの、サイドをぶっちぎられるシーンは少なくなった。

くわえて、京都にとってラッキーな状況が生まれた。
広島パスサッカーのキーマン・柏木がプレイ中、自分で足を滑らして負傷。
これが、染谷のゴールの布石となった。
この日、右センターバックに入った染谷がスルスルっと攻め上がったあと、柏木と対面して、切り返しのフェイントを入れる。
すると、柏木がついて行けず、結果染谷がフリーでシュートを打てたのだ。

ボールはそこそこキープできていたものの、決定的なチャンスを作るまでには至っていなかった京都にとって、貴重かつラッキーな先制点。
とはいえ、前節逆転されても再逆転する力をもった広島。
ゲームの興味は「広島の逆襲を京都がいかに守るか」に移っていった。

柳沢ワントップの可能性
でもって、後半。
京都は、まっすぅin、豊田out。
まっすぅを右ウイングに、大剛をヂエゴとともにトップ下に。
そして、トップは柳沢。
広島と完全に同じ布陣である「3-4-2-1」にシフトしたのだ。

この狙いは、
「(対面する)槙野を出てこられないようにした」(加藤久コーチ)
こと。
さらに、柳沢とヂエゴでカウンター気味に追加点を取れないかなー、的な采配だったんじゃないだろうか。

で、暑さで広島の運動量が落ちてきたことを差し引いても、このフォーメーションが機能しはじめる。
柳沢が変幻自在のポジショニングと、巧みなボールキープで、前線の起点となってくれたからだ。
とくに、左サイドはヂエゴがボールを持ったとき、中谷がすんげぇスピードで駆け上がって、いい関係を築けていた。
67分のフリーキックも、左サイド、ヂエゴの突破をファウルで止められて得たもの。

一方、守備面でも「守れる選手」がひとり増えたことが功奏していた。
広島の攻めは、
●寿人と中心としたワンタッチでのパス交換からフリーマンを作る
●ストヤノフの攻め上がりからの浮き球スルー
●サイドからのクロスはファーで、ヘッドで折り返したあとを狙う
が3大特徴であると思うんですが、京都はこの「3点責め」をギリギリんところでカラダを張って守りきる。
(…広島のシュートが精度を欠いていた、ってのも大きかったけど←こっそり)
結果、広島の攻めを守り切りつつ、効率よく2点をゲット——という、絵に描いたような勝利となったのだ。

残留ラインから一歩脱出
5月17日の千葉戦以来の、白星。
ここ一ヶ月は流れがよくなかっただけに、勝ち点3で残留ラインから少し抜け出すことができたのが、なによりうれしい!

さらに、中谷がちょんまげヘアになって輝きを取り戻してきたこともあって、3-5-2に可能性を感じるようになってきたことも好材料です。
今季の京都には、ああいうスピーディなプレイが少なかったので。
2年前、広島との入れ替え戦でのキーワードを思い出します。
「走りきって、勝ち切れ」

そうなんですよ。
今季は、パス交換と4-4-2のフォーメーション堅持にこだわりすぎて、「走る」ことが少しおざなりになってるようにも思えるんです。
大剛も、なんだか足下が上手い選手のようなプレイをするようになってきちゃってますし。

次戦の対戦相手・清水も、広島同様強敵ですが、走ってカラダを張る——Qさんがめざしているであろう「泥臭い」サッカーでいい試合をしてほしいものです。

【J1第14節】大宮アルディージャ 2-1 京都サンガ

大宮アルディージャ 2-1 京都サンガ
◇日時:2009年6月20日(土)18.04キックオフ
◇会場:さいたま市大宮公園サッカー場 “ナクスタ”(1万1149人/曇 24.9℃ 68%)
◇主審:高山啓義
22分【大宮】マト・ネレトゥリャク(ヘッド←FK)
49分【京都】ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ(PK)
71分【大宮】塚本泰史(FK直接)

■大宮アルディージャ(4-1-4-1)
GK21:江角浩司
DF2:塚本泰史
DF5:冨田大介
DF3:マト・ネレトゥリャク
DF4:波戸康広
MF6:片岡洋介(15分-MF15:斉藤雅人)
MF9:石原直樹
MF23:金澤慎
MF17:橋本早十
MF25:土岐田洸平(71分-MF14:パク・ウォンジェ)
FW13:藤田祥史(66分-FW10:デニス・マルケス・ド・ナシメント)

■京都サンガF.C.(4-2-3-1)
GK21:水谷雄一
DF6:染谷悠太(79分-FW20:パウロ・アントニオ・ヂ・オリヴェイラ “パウリーニョ”)
DF4:水本裕貴
DF14:イ・ジョンス(44分-一発退場)
DF26:角田誠
MF16:安藤淳(26分-DF8:中谷勇介)
MF7:佐藤勇人
MF22:渡邉大剛
MF10:ヂエゴ・ヂ・ソウザ・ガマ・シウヴァ
MF11:林丈統(45分-DF3:シヂクレイ・ヂ・ソウザ)
FW9:豊田陽平

セットプレイ、オンリー
ナビスコ杯で、
・3バックのテスト
・ヂエゴ、柳沢のコンビネーション熟成
・パウリとの夢のトリデンテ(3トップ)結成
 ↓
リーグ戦再開。
・4センターバック
・豊田、林が先発

/ || ̄ ̄|| ∧_∧
|…..||__|| (     )  どうしてこうなった・・・
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
|    | ( ./     /

 ___
/ || ̄ ̄|| ∧_∧
|…..||__|| ( ^ω^ )  どうしてこうなった!?
| ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
|    | ( ./     /

 ___ ♪ ∧__,∧.∩
/ || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ  どうしてこうなった!
|…..||__|| └‐、   レ´`ヽ   どうしてこうなった!
| ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪
|    | ( ./     /

 ___        ♪  ∩∧__,∧
/ || ̄ ̄||         _ ヽ( ^ω^ )7  どうしてこうなった!
|…..||__||         /`ヽJ   ,‐┘   どうしてこうなった! 
| ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/  ´`ヽ、_  ノ    
|    | ( ./     /      `) ) ♪

と我を忘れて踊りたくなるような、そんな大宮から帰って参りました。
いや、ひどすぎたわ。

サンガの布陣、選手起用は、開幕当初のソレに近いモノでした。
すなわち、最終ラインには4枚のセンターバックを並べ、サイドバックの上がりとかは放棄。
ワントップは、なぜか起用されつづける豊田。
で、やってるサッカーも先祖返りしてしまったようでした。
とにかく、マイボールになっても出しどころに困ってばかり。
最終ラインでパスを回してばかり。

それもそのはず、前線で効果的なフリーランニングをするのが林ぐらいなもんで。
あと、豊田が致命的にポストになれなかったのも痛かった(転びまくり)。
たいする大宮のパス回しもそうとうしょっぱかったんですが(連動性あまりなし)、藤田はポストプレイヤーとして機能してましたね。
つまりは、前線に「基準点」がつくれていたかどうかが、両軍の違いでした。

でもって、前半終了間際のイ・ジョンスのレッド。
家に帰って録画を見直していたんですが、先に石原が挑発してきたうえに、ジョンスの「突っ込み」もそんなにヒットしてない…。
まぁ、主審は神経質タイプの高山だからそーゆーことがありがちなんですが、この退場でほんと家に帰りたくなりました。
だって、前半の内容のうんこっぷりに加えて、選手がひとり減っちゃうんですから。

しかし、そんな京都が同点に追いつけるのだから、サッカーはおもしろい。
きょう唯一といっていい「仕事」を見せた、豊田の突破からペナルティをゲット。
ヂエゴが確実にこれを決めて、スコアは1-1となる。

このあと、大宮は足が止まってきてバタバタしてたんですが、Qさんの
「あまり上がるな」
指令があったみたいで、京都もそんなに攻めきらないままでした。
そして、フリーキックを直接決められ、万事休す。

試合を振り返ってみると、とにかく選手から躍動感があまり感じられない。
スペースへのパスも少ないし、ドリブル突破も数えるほど。
強いていうなら、途中出場の中谷の速さ、試合最後に出てきたパウリのフリーランニングぐらいが、目立っていたぐらいで。
きょうの観客席は、東京近郊ということもあってか多数のサンガサポさんが来てたんですが、こんな試合してると来る気にならなくなるなぁ…という感があります。
さいわい!?試合後の挨拶では、ノーブーイング、拍手喝采でしたが。

解決策は、昨年回帰!?
ということで、「降格」という二文字がだんだんと気になりはじめたのが正直なところです。
愚痴るばかりでもしょうがないので、じゃあ、どうしたらいいのか?

とにかく、今のサッカーだと
「マイボールになってから、どのようにして、ゴールに結びつけるか」
というプロセスが見えてきません。
おそらく、ヂエゴを軸に細かいワンツーからリズムをつくってサイド攻撃を仕掛けたいんでしょうけど、シーズンも折り返しに近づこうというのに、その「完成図」が見えてこないんです。
あーあ。

つーことは、やっぱり、シンプルイズザベストウェイじゃないですけど、高い位置からボールを奪ってのショートカウンター。
去年やってた、あのサッカーに回帰するほうがいいんじゃないかという気がしてきています。

具体的には、3バックに、シヂクレイのアンカー。
大剛と中谷の両翼に、真ん中は勇人か安藤。
2トップに柳沢、パウリ、トップ下にヂエゴ。
サイド攻撃は、両翼に両センターバックがサポートする感じですかね。
クラシックな3-5-2ですが、そのぶんやることもハッキリする気がしますし。
2トップはムービングタイプで、これでボールも回りやすくなるんじゃ…。
って、もちろん机上の空論なわけですが。

逆にいうと、なぜ今シーズン、Qさんがボックスの4-4-2、あるいは4-2-3-1に固執しているのかが、理解できないでいます。
去年はあんなにシステムいじりまくーの、だったのになぁ。
杉山茂樹本の影響とか…まさかね。