【J1第38節】京都サンガF.C. 0-0 東京ヴェルディ

京都サンガF.C.1922 0-0 東京ヴェルディ1969
日時:2024年12月8日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万7,040人/雨のち曇 7.8℃ 80%)
主審:川俣秀

■京都サンガF.C.1922(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF7:川﨑颯太(90+2-‘MF37:米本拓司)
MF39:平戸太貴(77′-MF17:安齋悠人)
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス
FW14:原大智
FW31:平賀大空(54′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)

■東京ヴェルディ1969(3-4-2-1)
GK1:マテウス・カウデイラ・ヴィドット・ヂ・オリヴェイラ
DF23:綱島悠斗(69′-DF15:千田海人)
DF4:林尚輝
DF3:谷口栄斗
MF6:宮原和也
MF7:森田晃樹
MF8:齋藤功佑(80′-MF47:松村優太)
MF22:翁長聖(80′-MF28:食野壮磨)
FW11:山見大登(65′-MF33:松橋優安)
FW10:見木友哉
FW9:染野唯月(65′-FW27:山田剛綺)

きみ去りしのち

最終戦ということで、サンガスタジアムへ。
今回は、2階の最後部席から観戦した。
行けるかどうかギリギリまで分からなかったため、チケット調達は前日。
わずかしか空いている席がなかったというわけだ。
しかし、一番後ろからでもピッチすみずみまでよく見え~る。
あらためて、サッカー専用スタジアム最高、最高、最高ゥ!

そして高い位置からこそ、見えてくることがあった。
京都の攻撃がチーム全員で連動していないというか、システマチックさに欠けているのだ(涙そうそう)。
きょうにかんしては東京Vが構えて守る格好で、京都がボールを持てる時間が長かったからこそ、よりそう思ったのかもしれないが。

例えば、京都のセンターバック(鈴木か宮本)がボールを持ったシチュエーションを振り返ってみる。
この時点で、両サイドバックは高い位置に移動していることが多い。
ならば、センターバックがパスを出す第一選択肢としては、アンカーの福岡、あるいは降りてくるセンターハーフの2人。
しかしこの3人を、東京Vのシャドー、センターハーフの4人が見張っている。
その“網”の中をチャレンジングな縦パスと通そうとすると、通ればチャンス、奪われれば大ピンチ。
実際、宮本選手の縦パスをカットされてあわや……というシーンもあった。
そのリスクを避けるなら、センターバックがボールを出すのはサイドバック、または降りてきたウイングの足元に斜めのパスを送るか、あるいは、前線へのロングボールか。
いずれにせよ、最終ラインからはいい形で前進できないことが多かった。

またロングボールという意味では、きょうエリアスが出場停止、原選手がセンターフォワードに回ったことで、攻め手が欠けた感もあった。
京都の攻撃パターンで典型的なものが、大外レーン、ウイングの位置にいる選手に長いボールを送って、その近くに他の選手が近づいておき、ウイングの選手がフリックしたボール、あるいはセカンドボールを収めるーーというやり方。
マルコ、平賀もヘディングを頑張ってたけど、相手CBには競り勝てず、またこぼれ球はほとんど東京Vが拾っていた。
そんな感じなので、「これは、ラッキー以外ではなかなか点が入る空気じゃないな」と思いながら、ピッチを眺めていたのだ。

一方、攻撃とは逆に守備の狙いは分かりやすかった。
相手ボールになっても、最終ラインを高く保つ。
そしてプレスをいとわずボールホルダーを追い込み、前から“ハメて”ボールを奪おうというのが、京都の基本的な守り方だ。
ところが、東京Vもしたたか。
3CBとセンターハーフ2人の「3-2」でボールを回し、ピッチ中央のレーンで起点とリズムをつくろうとする。
まずはサイドでボールを収めて攻撃を組み立てようとする京都とは、対照的だ。
その東京Vの中で異次元だったのが、森田選手。
プレスを巧みな足技で回避して、スルスルと抜けていくことが何度あったか。
京都が高い位置であまりボールを奪取できなかったのは、森田選手の存在も一因だろう。

ということで、最終節にして京都のサッカーは未完成というか、課題が多いというか。
0-0という結果以上に、モヤモヤした気持ちが残った。
近年のJ1は、どのチームも進歩・進化が早い。
それだけに、京都もいま志向しているサッカーを突き詰めるだけでよいか。
指揮官は変わらない中で、どう変えていくのか。
来シーズンに向けてどういう方向性が掲げるのかを、まず注目したい。
せっかくボーンマスとクラブ提携したので、「アンドニ・イラオラ~ビエルサ系統」の縦に早いサッカーを参考にするとか……、どうですかね?

最後に。
退団する宮吉選手のセレモニーは感慨深いものがあった。
下部組織出身者との記念撮影。
ピッチを一周する姿と、「ゴール!ゴール!ゴール!宮吉」のチャント。
本当に、サポーターから愛されている選手だ。
京都の下部組織が生み出した才能であり、「京都の至宝」。
16歳1ヶ月14日(※当時Jリーグ史上2番目の若さ)のデビューにはしびれた。
富山へのレンタルのあと、広島、札幌への移籍はあったが、キャリアの半分以上は京都で送ったもの。
来季はどのチームでプレイするのかわからないけど、いつまでも応援したい。
そして、いつか京都サンガに帰ってきてね。
しかし、あのデビューから、もう16年とは。

【J1第37節】FC町田ゼルビア 1-0 京都サンガF.C.

FC町田ゼルビア 1-0 京都サンガF.C.
日時:2024年11月30日(土)14:03KO
会場:東京都町田市立陸上競技場 “Gスタ”(1万1,541人/晴 15.3℃ 30%)
主審:中村太
67′-町田/オウンゴール

■FC町田ゼルビア(5-1-2-2)
GK1:谷晃生
DF33:望月ヘンリー海輝(78′-DF19:中山雄太)
DF5:イブラヒム・ドレシェヴィッチ
DF14:チャン・ミンギュ
DF3:昌子源
DF26:林幸多郎
MF18:下田北斗(90+1′-MF8:仙頭啓矢)
MF23:白崎凌兵
MF7:相馬勇紀(78′-FW47:荒木駿太)
FW11:エリキ・ナシメント・ヂ・リマ(63′-FW9:藤尾翔太)
FW90:オ・セフン(63′-FW15:ミッチェル・デューク)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助(85′-DF5:アピアタウィア久)
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平(79′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)
MF7:川﨑颯太
MF39:平戸太貴
FW23:豊川雄太(63′-FW31:平賀大空)
FW99:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”
FW14:原大智(85′-MF48:中野瑠馬)

虚無と虚無

高いボールの蹴り合い、競り合い、体のぶつけ合い。
あるいは、裏へのボールの蹴り合い、走り合い。

両チームとも、ロングボールとカウンターでの攻撃を繰り返していく。
ファール、ファールで試合が頻繁にストップ。
たびたびのロングスロー、そのたびにゲームが長く止まる。

美しさとは無縁ーーピッチを覆っていたのは、負けないためのリアリズム。
通奏低音だけが流れるような、重苦しい90分だった。
唯一生まれた得点がオウンゴールというのは、試合を象徴しているといえるだろうか。

京都にゴールの匂いを感じたのは、エリアスが単独突破できたときぐらい。
マルコの欠場が大きく響いた格好だ。
「マルコ、お前だったのか。いつも攻撃をつくってくれたのは」(ごんぎつねふうに)
と言いたくなるほどに……。

もちろん町田の守備が隙を見せなかったというのもあるけれど、中盤でもサイドでも相手を出し抜く展開はついぞ見られなかった。
相手が構えた状態でいかにボールを動かし、攻撃に奥行きをつくるか?
ビルドアップは今シーズン通しての課題で、最後まで改善は見られなかった。

試合後、チョウさんのコメントで面白かったのが、CBコンビについて。
高さとロングボールに長けた町田に対して、宮本&鈴木のCBコンビを先発起用した理由として

ラインをズルズル下げずにホルダーに行くってことを徹底すれば、オセフン選手やデューク選手や高い選手が出てきても対処できる、それよりもボールを奪った後のメリットを取りたかったっていうのは選択した理由です。

ということで、「ハイラインを形成できるから」この2人を選んだそうだ。

ただ、頑張っていたとはいえ、相手FWのパワーと高さに押される場面もたびたびあった。
宮本選手はオ・セフン、デュークと競り合いを強いられ、大変だっただろう。
ハイボールをドン!と長い距離ヘッドで跳ね飛ばしてくれる、闘莉王さんを懐かしく思い出してしまった。
そんなこんなで、次はシーズン最終戦(早い)。

【J1第29節※順延分】京都サンガF.C. 0-0 鹿島アントラーズ

京都サンガF.C. 0-0 鹿島アントラーズ
日時:2024年11月17日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万5,205人/曇 25℃ 69%)
主審:谷本涼

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF7:川﨑颯太
MF39:平戸太貴
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(70′-FW23:豊川雄太)
FW99:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(90+3′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)
FW14:原大智

■鹿島アントラーズ(4-2-3-1)
GK1:早川友基
DF6:三竿健斗
DF55:植田直通
DF5:関川郁万
DF2:安西幸輝
MF10:柴崎岳
MF13:知念慶
MF14:樋口雄太(66′-MF17:ターレス・ブレーネル・ヂ・パウラ)
MF30:名古新太郎(83′-DF39:津久井佳祐)
MF33:仲間隼斗(46′-FW11:田川亨介)
FW36:師岡柊生(83′-FW41:徳田誉)

【J1第36節】京都サンガF.C. 1-1 川崎フロンターレ

京都サンガF.C. 1-1 川崎フロンターレ
日時:2024年11月9日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万5,643人/晴 20.1℃ 45%)
主審:笠原寛貴
59′-川崎/山田新
79′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(pen.)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久(46′-DF24:宮本優太)
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF37:米本拓司(68′-FW23:豊川雄太)
MF39:平戸太貴(90+1′-DF96:ルーカス・ダ・クルス・オリヴェイラ)
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(90+1′-MF18:松田天馬)
FW99:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(90+7′-FW31:平賀大空)
FW14:原大智

■川崎フロンターレ(4-2-3-1)
GK1:チョン・ソンリョン
DF31:ファンウェルメスケルケン際(84′-DF4:ジェジエウ・カルドソ・ミランダ)
DF5:佐々木旭
DF35:丸山祐市
DF13:三浦颯太
MF8:橘田健人
MF77:山本悠樹(46′-MF10:大島僚太)
MF17:遠野大弥(46′-MF41:家長昭博)
MF30:瀬川祐輔
MF23:マルシオ・アウグスト・ダ・シウヴァ・バルボーサ “マルシーニョ” (84′-FW11:小林悠)
FW9:エリソン・ダニーロ・ヂ・ソウザ(46′-FW20:山田新)

【J1第35節】サンフレッチェ広島 0-1 京都サンガF.C.

サンフレッチェ広島 0-1 京都サンガF.C.
日時:2024年11月3日(日)13:03KO
会場:広島県広島市広島サッカースタジアム”Eピース”(2万6,521人/晴 24.8℃ 32%)
主審:池内明彦
62′-京都/平戸太貴(右足←福田)

■サンフレッチェ広島(3-4-2-1)
GK1:大迫敬介
DF15:中野就斗
DF4:荒木隼人
DF19:佐々木翔
MF13:新井直人
MF66:川辺駿(63′-FW11:満田誠)
MF14:松本泰志(77′-FW9:ドウグラス・ダ・シウヴァ・ヴィエイラ)
MF24:東俊希(63′-DF33:塩谷司)
FW30:トルガイ・アリ・アルスラン
FW51:加藤陸次樹(77′-MF10:マルコス・ジュニオール・リマ・ドス・サントス)
FW99:ゴンサロ・メンデス・パシエンシア(63′-FW20:ピエロス・ソティリウ)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響(79′-MF37:米本拓司)
MF19:金子大毅(12′-MF10:福岡慎平)(86′-DF96:ルーカス・ダ・クルス・オリヴェイラ)
MF7:川﨑颯太
MF39:平戸太貴(79′-DF24:宮本優太)
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(86′-FW23:豊川雄太)
FW99:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”
FW14:原大智

紫と紫のレジームチェンジ

Eピースでチョキピース(CV=山口コンボイ)✌️ ✌️✨
昇格1年目にはチンチンにされ、今季も前半戦は0-5の大敗を喫した広島。
そんな相手にほぼ互角に戦って、1-0と見事な勝利を見せてくれた。
チョウさんが試合後「パーフェクトだった」と振り返り、涙を見せていたのも、試合内容に自負できるものがあったからだろう。

5月の戦いから何が変わったかといえば、まずは前線の”個の力”。
エリアスが加入したこと、トゥーリオがチームにフィットしたことが大きいだろう。
広島は左右センターバックもオーバーラップして攻撃に厚みを加えるのがチームとしての強み。
だた、きょうはセンターバックの加勢が薄かったのは、裏抜けを狙う京都FW陣への警戒があったからだろう。
そういう意味で、12分、平戸の裏へのロブパスからエリアスが強引にシュートまでもっていけたのは、主導権を広島に握らせないための”補助線”になった。

5月からの変化点としてもうひとつあげるならば、チーム全体の成長。
前線を含めチーム力がアップしたことで、自信が回復できた。
思えばシーズン序盤は、単純なミスも続き、先制されたら萎縮してしまうというか、勝てるイメージが浮かばなかった。
それが、いまなら先にゴールを奪われても、焦らず戦えば同点、逆転にできるのではないかという期待がもてる。
数ヶ月で大きな、確実な成長があった。

さて、シーズン最終盤で、神戸との2戦、さらにきょうの広島戦。
リーグ上位の相手と戦えたこと、そしてその結果の違いは興味深かった。
選手間の位置どりが整理されており、攻撃の再現性が高い広島。
一方、フィジカルを押し出したリアリスト的な戦いの神戸。
京都はどちらかといえば神戸に近い方向性で戦っているため、選手層や成熟度で劣る分、神戸には一歩及ばなかったのかなと。

きょうの勝利で14位。
いつの間にか浦和、横浜FMを抜いているだと………ゴクリ。
少しでも上の順位にいけるように、というか、もう残留はほぼほぼ大丈夫だよね??