【J1第8節】京都サンガF.C. 1-1 柏レイソル

京都サンガF.C. 1-1 柏レイソル
日時:2025年4月2日(水)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(9,059人/曇 13.8℃ 60%)
主審:清水勇人
12′-柏/久保藤次郎
90+8′-京都/オウンゴール

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助(46′-DF44:佐藤響)
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF22:須貝英大
MF10:福岡慎平(78′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)
MF7:川﨑颯太
MF39:平戸太貴(55′-MF29:奥川雅也)
FW14:原大智(85′-FW31:平賀大空)
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”
MF18:松田天馬(46′-MF6:ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス)

■柏レイソル(3-4-1-2)
GK25:小島亨介
DF42:原田亘
DF4:古賀太陽
DF5:田中隼人
MF24:久保藤次郎
MF27:熊坂光希
MF40:原川力
MF14:小屋松知哉(68′-DF3:ヂエゴ・ジャラ・ホドリゲス)
MF8:小泉佳穂(90+1′-MF6:山田雄士)
FW9:細谷真大(46′-MF19:仲間隼斗)
FW18:垣田裕暉(55′-FW15:木下康介)

98分後のカタルシス

おもなデータ。

  • シュート数(枠内) 京都17(2)/柏7(2)
  • ゴール期待値 京都2.71/柏0.41
  • パス成功 京都420/柏298
  • ボール保持 京都56%/柏44%

柏がボールを支配して、京都が守勢からカウンターを狙うーー。
そんな戦前の予想からは相反するゲームだった。

ただ、おそらく柏はボールを「繋がなかった」ようにも見えた。
いつもの1トップではなく、垣田&細谷の2トップを起用。
2人に長いボールを送ることが多かったのだ。
特に試合が始まってしてしばらくの時間帯までは、京都のハイプレスを回避するため、そして京都の勢いを削ぐために、ポゼッションにあえて捨てていたのではないだろうか。
思い返せば、京都は昇格初年度、リカルド・ロドリゲス率いる(当時)浦和に対してハイプレスを敢行。
高い位置でボールを奪いまくったこともあった。
あの試合が、きょうの柏の戦い方の背景にあったのかもしれない。

対する京都は、確かにボールを持つことはできた。
とはいえ、枠内シュート数「2」という数字でわかるように、相手を崩すまでには至らなかった。
ボールを保持させられると、ファイナルサードで行き詰まってしまう。
ファイナルサードでの精度不足・アイデア不足という課題が、きょうも顕在化した格好だ。

試合終了間際の同点ゴールは、確かに劇的だった。
次の試合に向けて勢いもつくだろう。
一方で、結果として「ホームで勝ち点1に終わった」とも言える。
喜びつつも、喜びすぎず。
冷静になって、次の試合=首位・鹿島戦に臨みたい。

【J1第7節】京都サンガF.C. 1-0 サンフレッチェ広島

京都サンガF.C. 1-0 サンフレッチェ広島
日時:2025年3月29日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万4,393人/曇 13℃ 37%)
主審:山下良美
60′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(右足←平戸)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF22:須貝英大
DF5:アピアタウィア久
DF50:鈴木義宜
MF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF7:川﨑颯太(90+1′-MF8:米本拓司)
MF39:平戸太貴(86′-DF15:永田倖大)
FW14:原大智
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”
MF18:松田天馬(53′-MF6:ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス)

■サンフレッチェ広島(3-4-2-1)
GK1:大迫敬介
DF33:塩谷司
DF4:荒木隼人
DF19:佐々木翔
MF15:中野就斗(64′-MF13:新井直人)
MF6:川辺駿
MF14:田中聡(86′-MF32:越道草太)
MF24:東俊希(72′-MF18:菅大輝)
FW51:加藤陸次樹(72′-FW41:前田直輝)
FW9:ジャーメイン良
FW98:ヴァレール・ジェルマン(64′-FW39:中村草太)

曺貴裁コーチ(京都)
「昨年、ここで広島さん相手に惨敗をしました。
ファン、サポーターからは見捨てられてもしかたない結果だったと思います。
しかし、夕焼けの空の下、サポーターはわれわれに力強い声援を送ってくれました。
あの光景は、クラブとして、監督として決して忘れてはいけない。
そう、心に留めています。
きょうは無骨な戦いでしたけれど、最後まで足を止めずに、われわれらしく戦えました。
サッカーにはいろいろ大事な要素があります。
ただ、見ている人の感情を揺さぶるのは〝相手より戦えるか、走れるかどうか〟だと思っています。
その原点に戻ることができた、いい試合でした。

(ビッグセーブを連発した太田選手について)
あいつの人生、そのものですね。
30歳過ぎてもJ1のピッチに立てない中でもあきらめずにいた。
田んぼに稲がたくさん生えていたわけではないけど、1本1本稲を植えつづけていた。
そして、田んぼにきれいな緑が広がるようになってきた。
例えるなら、そんな選手だと思います。
チームメイトはみんなリスペクトしていますし、これからももっともっと成長していってほしいなと思います。

(勝った中で課題といえば?)
前半ボールを奪ったあとミスが多かったことが課題です。
ボールを奪ってからの出口、ルートをチームとして確保したい。
ですが、伸び代があったまま勝てるのはいいこと。
中3日になりますが、次の柏戦に向けてしっかり準備したいと思います」

人間無骨(槍)の一閃

ジェルマンがフリーで放ったあのシュートを太田が止めていなければ……。
おそらく勝利は難しかっただろうことは間違いない。
前半から広島に圧倒されて、ほとんど何もできなかった中で、たった一度の冴えたカウンターが発動する。
平戸のラストパスもエリアスのシュートも、何度見てもすばらしいもの。
最大の決定機に、最高の個人技を見せてくれた。

そして、虎の子の1点を京都は最後まで守り切った。
守備の局面で、アンカーの福岡がいつも以上に両センターバックの間に落ちていたのは、
①須貝・佐藤の両サイドバックを、広島の両ウイングバックと対峙させるため
②ポジションを流動的に替えながら〝ポケット〟を攻略しようとする広島の3トップをアピ、鈴木と3人でケアするため
だろうか。
佐藤が身長で10cm以上差がある中野に対して空中戦で〝無双〟するなど、ディフェンダーたち個々人の守備力も光っており、集中していた。

ゲームを支配されても……いや、されたほうが(!?)結果が出るというのが、今期の京都サンガだ。
今季勝ち点を取れた(勝利か引き分け)相手の中でも、神戸、川崎そしてきょうの広島には、いずれも主導権を握られる時間が圧倒的に長かった。
しかし、そういった試合で守りきれているのが、昨シーズンとの違い。
7試合で勝ち点11はまずまずの結果だろう。
ただ、このあと連戦が続き、気温も上がることで、いま出せている運動量、強度を保てるのか?という不安もある。
4月、5月、チームとしての真価が問われる。

【Jリーグカップ 1stラウンド第1回戦】ガイナーレ鳥取 0-2 京都サンガF.C.

ガイナーレ鳥取 0-2 京都サンガF.C.
日時:2025年3月20日(木)14:03KO
会場:鳥取県鳥取市営サッカー場 “バードスタ”(3,166人/曇 11.2℃ 46%)
主審:池内明彦
18′-京都/中野瑠馬(右足)※プロ初ゴール
71′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(ヘッド←FK:福岡)

■ガイナーレ鳥取(3-4-2-1)
GK31:高麗稜太
DF55:大嶋春樹
DF3:永野修都
DF17:松本太一(85′-DF38:東根輝季)
MF20:常安澪
MF2:藤田一途
MF13:清水祐輔
MF21:河村匠
MF11:東條敦輝(74′-MF34:曽我大地)
MF15:東出壮太(59′-FW18:半田航也)
FW23:コジョ・ダジィ(59′-FW10:富樫佑太)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:圍謙太朗
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF15:永田倖大
DF22:須貝英大(80′-MF44:佐藤響)
MF16:武田将平(66′-MF10:福岡慎平)
MF7:川﨑颯太
MF6:ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス
FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ(58′-FW14:原大智)
FW93:長沢駿(66′-FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”)
MF48:中野瑠馬(80′-MF39:平戸太貴)

※京都サンガF.C.は4月9日水曜日に、「モンテディオ山形 vs 鹿児島ユナイテッド」(3月26日開催)の勝者と戦う

※フル&ハイライト映像…… 【ルヴァンカップ】1stラウンド1回戦 鳥取 vs 京都|Lemino(レミノ)

【J1第6節】清水エスパルス 1-2 京都サンガF.C.

清水エスパルス 1-2 京都サンガF.C.
日時:2025年3月16日(日)13:03KO
会場:静岡市清水日本平運動公園球技場 “アイスタ”(1万4,012人/曇 14.6℃ 44%)
主審:御厨貴文
38′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(pen.)
67′-京都/ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス(左足←ハファエウ・エリアス)
82′-清水/北川航也(pen.)

■清水エスパルス(4-2-3-1)
GK1:沖悠哉
DF5:北爪健吾
DF66:住吉ジェラニレショーン
DF3:高橋祐治
DF70:高木践
MF6:宮本航汰(72′-MF11:中原輝)
MF98:マテウス・ブエノ・バチスタ(90′-FW29:アフメド・イルマゾフ・アフメドフ)
MF19:松崎快(77′-DF4:蓮川壮大)
MF33:乾貴士
MF55:西原源樹(72′-MF8:小塚和季)
FW23:北川航也

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF22:須貝英大
DF4:パトリック・ウィリアム・サ・ヂ・オリヴェイラ(16′-DF5:アピアタウィア久)
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF8:米本拓司(59′-MF7:川﨑颯太)
MF39:平戸太貴(88′-FW31:平賀大空)
FW14:原大智
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(88′-DF24:宮本優太)
FW18:松田天馬(59′-MF6:ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス)

春潮の底にわが影かがやく

前節の汚名をそそぐ、アウェイでの快勝。
日本平で、「This is kyoto sanga!」とばかりに存在感を見せつけることができた。
昨シーズンの悪夢ーー6節からの大失速の心配はなくなった……?

勝因を挙げるとするなら、そして、誤解を恐れずに言うなら、清水が京都にとって「与しやすい相手だった」からだろうか。
清水はプレス回避のためにロングボールを使ったりすることなく、乾を中心として「愚直に」攻撃。
ゆえに、今季一番といっていいほど、京都のハイプレッシングがハマった。
ボールを何度も奪えたし、ボールを奪われても素早く回収する場面が多かった。
先発起用された松田天馬、米本がともに精力的にプレスを繰り返し、守備で大きく貢献したことも特筆すべきだろう。

京都の複数得点は今季初。
2ゴールを振り返ってみると、いずれも高い位置からのボール奪取によるものだった。
1点目は、清水・高木のパスを米本がスライディングしてカット。
→平戸がドリブルで前進。
→松田天馬へのスルーパスがPKを誘発。
2点目は、清水・ブエノの不用意なダイレクトパス(中盤底で周囲を確認せず横にパス)を川﨑がカット。
→ボールを渡された原が、ウェーブの動きをしたエリアスに浮き玉のパス
→エリアスが頭で折り返したところに、2列目から走り込んでいたジョアン・ペドロがダイレクトシュート。
まさに、電光石火の2得点。
自分たちがボールを持ったときの「崩し」はまだまだ課題が残るものの、京都が「やりたい攻撃の形」で結果を出せた。

一方、守備では3バックにして逃げ切ることに成功。
清水が攻撃の局面でパスが乱れたり、クロスが正確ではなかったり……が多く、全体的に精度を欠いていたことも助かった。
とはいえ、乾の個人技、宮本の飛び出しなどに翻弄されることも幾度か。
ホームで再戦するころには、清水の攻撃がもう一段レベルアップしている可能性はあるかもしれない。

さて、来週は春分の日にカップ戦(ガイナーレ鳥取戦)があるものの、リーグ戦は1週お休み。
次は3月29日のホーム・広島戦になる。
広島といえば、何度か「チンチンに」ヤラれたことがある、京都にとって相性のよくない相手。
もちろん、きょう見せたサッカーが広島相手にそのまま展開できるとは思えないけど、善戦を期待したい。
福田がベンチ入りしたし、怪我人もそろそろ戻ってきそうかな。

【J1第5節】京都サンガF.C. 0-1 アビスパ福岡

京都サンガF.C. 0-1 アビスパ福岡
日時:2025年3月9日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万1,535人/晴 13.1℃  40%)
主審:今村義朗
65′-福岡/紺野和也

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF22:須貝英大
DF24:宮本優太(67′-DF4:パトリック・ウィリアム・サ・ヂ・オリヴェイラ)
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF7:川﨑颯太(67′-MF6:ジョアン・ペドロ・メンデス・サントス)
MF39:平戸太貴(73′-MF48:中野瑠馬)
FW14:原大智(78′-FW93:長沢駿)
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”
MF29:奥川雅也(73′-FW31:平賀大空)

■アビスパ福岡(4-2-3-1)
GK31:村上昌謙
DF2:湯澤聖人(62′-DF29:前嶋洋太)
DF37:田代雅也
DF20:安藤智哉
DF77:志知孝明
MF88:松岡大起
MF11:見木友哉
MF8:紺野和也(73′-MF14:名古新太郎)
MF25:北島祐二(90′-MF6:重見柾斗)
MF22:藤本一輝(73′-FW18:岩崎悠人)
FW9:シャハブ・ザヘディ(62′-FW17:ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ)

持たされ京都の逸勝

ボール支配率56%ーー。
それでも、攻撃で決定的な場面はほぼつくれず。
唯一惜しかったのが、平戸の直接FKぐらいだろうか。
ボールを持たされてもシュートにすら辿り着けないという、京都が抱える「大問題」が露呈した結果となった。

空中戦でも地上戦でも攻撃陣が不発。
特に、原へのロングボールは福岡に複数人で対応され、セカンドボールも奪われ続けた。
サイドでも、中央でも、相手を崩すようなシーンは皆無。
マルコの負傷で、攻撃に幅と時間をつくってくれる選手がいなくなったことも大きいかもしれない。
平戸から相手DFの裏にダイレクトでパスを出すも、FWの選手たちが無反応というシーンも頻発。
攻撃時に、選手たちが「意図をもって」動いているような気配が感じられなかったのだ。

そもそも京都の攻撃は、高い位置で相手からボールを奪うことを中心に設計されている。
一方で、ボールを繋いで相手を崩してゴールに迫るという「課題」はずっと後回しにされてきた。
試合終了間際、放り込みをやめてパスを回しはじめるも、逆に途中でボールを奪われピンチになることも幾度か……。

昨シーズンより守備が固くなっていることは事実で、岡山戦以外は複数失点を許してない。
それを踏まえて、「見たことのない景色」を目指すならば、繋ぎと崩しのレベルアップが不可欠だろう。
もちろん残留を目的とするなら、いまのサッカーでいいわけだけど。