UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-finals雑感

海外サッカー好き100人に聞きました。
サッキ時代のミランが、ことしのチャンピオンズリーグ準決勝に勝ち上がったチームと戦ったとして、サッキ・ミランが勝つと思いますか?
(関口宏の口調でお読みください)

っていう質問をしたとして。
「はい」
って答える人はどれくらいいるんでしょうか。
そうだなぁ、20人くらいはいるような気がする。
でも、おれは勝ち目がないと思うんですよね。
とくにアーセナルと戦ったら、それこそぼろ負けじゃないかなーと。

準決勝に勝ち上がったチームって
*ミラン
*ヴィジャレアル
*アーセナル
*バルセロナ
なわけですけれど、上の2チームが中盤ダイヤモンドの4-4-2、下の2チームが4-3-3の布陣を敷いている。
んで、やってるサッカーとしては…
*中盤で激しくボールを奪い合って、取ったら早くフォーワード、もしくはトップ下の選手へ。
*フォワードが個人技で勝負。
*そこに中盤から攻め上がってきた選手が絡む。
といったものだ。

中盤でプレスをかけるというのはサッキ時代から変わらない方向性なわけですが、攻撃面がまったく違う。
古式ゆかしい
「サイドからえぐってセンタリング、フォワードがヘッドでドン!」
という点のとりかたが、ことしのCLではもうほとんど消えてしまった。

ときにはフォワードの選手が自陣深くにまで戻って守備をする現在サッカー。
ディフェンスラインでボールを奪って、サイドのMFがえぐって、手詰まりになったら逆サイドに振って…みたいな王道スタイルでは時間がかかりすぎて、相手にじっくり守られてしまって、得点をあげることが厳しくなってきたのだ。

だから、必要なのは戦術以上に選手の能力。
中盤の選手は全員が守備能力が高いうえに、ボールをもったら相手のプレスにも負けないテクニックがあって、なおかつゴール前に飛び出すアジリティがある。
前線の選手は1対1だと高い確率で勝てるような個人技、アドリブ性をもっている。
まぁそんな選手たちをそろえることができるのは、ひとにぎりのビッグクラブだけなんだけれど。

たとえるならば、ひとむかし前のサッカーが
「ボーカルはおれ。
ギターのおまえは、間奏の部分でソロやってね」
みたいな役割分担がはっきりしていて、いかにまとまってかっこよく演奏するか?
に命をかけていたロックバンドみたいなもの。
一方、いまのサッカーはアドリブ、スクラッチ、DJ感覚といったものが要求されるヒップホップ的なものなのかなぁと。
ほら、ホナウヂーニョ選手の私服もラッパーみたいですし。

【UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-finals 2nd-leg】ユヴェントス0-0(agg0-2)アーセナル

リアリストで、あくまでリアリストで

ユヴェントス0-0(agg0-2)アーセナル
◇日時:2006年4月5日(水)20時45分KO(日本時間翌3.45)

■ユヴェントス(4-2-2-2)
GK1:ジャンルイジ・ブッフォン
DF19:ジャンルカ・ザムブロッタ
DF6:ロベルト・コヴァチ
DF28:ファビオ・カンナヴァーロ
DF3:ジョルジオ・キエッリーニ
(66分-DF14:フェデリコ・バルツァレッティ)
MF8:エメルソン・フェレイラ・ダ・ローザ
MF23:ジュリアーノ・ジャンニケッダ
MF18:アドリアン・ムトゥ
(61分-FW25:マルセロ・ダヌビオ・サライェタ)
MF11:パヴェル・ネドヴェド(77分-警告*2=退場)
FW9:ズラタン・イブラヒモヴィッチ
FW17:ダヴィド・トレセゲ

■アーセナル(4-3-3)
GK1:イェンス・レーマン
DF27:エマヌエル・エブエ
DF28:ハビブ・コロ・トゥーレ
DF20:フィリップ・センデロス
DF16:マシュー・フラミニ
MF19:ジウベルト・アパレシド・ダ・シウヴァ
MF15:フランセスク・ファブレガス・ソレール “セスク”
MF8:カール・フレデリク・リュングベリ
FW13:アレクサンドル・フレブ
(87分-MF2:ヴァシリキ・アブバカル・ディアビ)
FW14:ティエリ・ダニエル・アンリ
FW9:ホセ・アントニオ・レジェス・カルデロン
(63分-MF7:ロベール・ピレス)

合開始直後はユーヴェが鬼プレスに出てきて「おっ」と思いました。
しかし、その圧力もうまくいなしたアーセナルが、カテナチオでユーヴェをシャットアウト。
8試合連続無失点のチャンピオンズリーグ記録を樹立したうえでの、クラブ史上初の準決勝進出です。

ゲーム全体でみるとボール支配率は、ユーヴェ6割、アーセナル4割。
なのに、枠内シュートはユーヴェが3、アーセナル7。
第1戦を2-0で終えたアーセナルが、リアリストに変身してカウンターサッカーを徹底した結果だといえるでしょう。
逆にユーヴェはボールをもたされた格好でチャンスをつくれず、ロングボールを放り込んでもオフサイド地獄(その数、実に12)。
なにもできませんでした。

まぁ、ユーヴェとしては前のブレーメン戦をラッキーで勝ち上がってるんで、そんなにいいことは続かなかったというわけで。
逆に、ブレーメン対アーセナルのガチンコ攻撃サッカーバトルのほうがちょっと見たかったなぁ。

【UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-finals 2nd-leg】バルセロナ2-0(agg2-0)ベンフィカ

三郎さん…

バルセロナ1-0(agg2-0)ベンフィカ
◇日時:2006年4月5日(水)20時45分KO(日本時間翌3.45)
19分【バルセロナ】ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウヂーニョ”
89分【バルセロナ】サミュエル・エトオ・フィル

■バルセロナ(4-3-3)
GK1:ヴィクトル・ヴァルデス・アリバス
DF2:ジュリアーノ・ハウス・ベレッチ
DF23:オレゲール・プレサス・レノン
DF5:カルレス・プジョル・サフォルカーダ
DF12:ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト “ジオ”
MF24:アンドレス・イニエスタ・リュハン
MF17:マルク・ファン・ボメル
(85分-15:エヂミウソン・ゴメス・デ・モラレス)
MF20:アンデルソン・ルイス・デ・ソウザ “デコ”
FW7:ヘンリク・ラーション
(86分-8:ルドヴィク・ジュリー)
FW9:サミュエル・エトオ・フィル
FW10:ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウヂーニョ”

■ベンフィカ(4-3-3)
GK31:マルセロ・モレット・デ・ソウザ
DF33:セルジオ・アゼヴェード・ヒカルド・ローシャ
DF4:アンデルソン・ルイス・ダ・シウヴァ “ルイゾン”
DF3:アンデルソン・クレーベル・ベラウド
DF5:レオナルド・ルーヘンショ・バストス “レオ”
MF14:マヌエル・エンリケ・タヴァレス・フェルナンデス
(82分-19:マルセウ・アウグスト・オルトラン)
MF6:アルマンド・ゴンサウヴェス・ティシェイラ “ペチ”
MF16:ジウベルト・ガウヂーノ・ドス・サントス “ベト”
(72分-MF34:ロラン・ロベール)
FW11:ジベウソン・マウリシオ “ジェオヴァンニ”
(55分-MF10:ヨルギオス・カラグニス)
FW30:ファブリツィオ・ミッコリ
FW20:シモン・ペドロ・デ・フォンセカ・サブローサ “シモン・サブローサ”

ッコリのパスを受けたシモン・サブローサがフリーでシュート!
なのに外しちゃって…。
後半に訪れたこの同点のチャンスを決めていればまだわからなかったのに〜。
まぁ順等にバルサが勝ち抜けました。

【京都サンガ】3トップを継続へ

サンガは週末の名古屋戦でもアレパウ林のトリデンテでスタートするもよう。

柱谷幸一コーチ(京都)
「いまはこの3人のスピードに賭けたいと思います」

林丈統選手(京都)
「ナビスコとリーグ戦で2試合連続点が取れた。
コーチの信頼を得られていると肌で感じています」

【UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-finals 2nd-leg】ACミラン3-1(agg 3-1)オリンピック・リヨン

大いなる帳尻合わせ

ACミラン3-1(agg 3-1)オリンピック・リヨン
◇日時:2006年4月4日(火)20時45分KO(日本時間翌3.45)
25分【ミラン】フィリッポ・インザーギ “ピッポ”
31分【リヨン】マハマドゥ・ディアラ
88分【ミラン】フィリッポ・インザーギ “ピッポ”
90分【ミラン】アンドレイ・シェヴチェンコ

■ACミラン(4-3-1-2)
GK1:ネルソン・デ・ジェスス・ダ・シウヴァ “ヂダ”
DF31:ヤープ・ヤコブ・スタム
(24分-5:アレッサンドロ・コスタクルタ)
DF13:アレッサンドロ・ネスタ
DF4:カハベール “カッハ”・カラーゼ
DF27:セルジオ・クラウディオ・ドス・サントス “セルジーニョ”
MF21:アンドレア・ピルロ
(71分-MF23:マッシモ・アンブロジーニ)
MF8:ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾ
(78分-DF3:パオロ・マルディーニ)
MF20:クラレンス・セードルフ
MF22:ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
FW7:アンドレイ・シェヴチェンコ
FW9:フィリッポ・インザーギ “ピッポ”

■オリンピック・リヨン(4-3-3)
GK1:グレゴリー・クペ
DF31:フランソワ・クレール
DF3:クリスティアーノ・マルケス・ゴメス “クリス”
DF5:クラウヂオ・カサッパ
DF20:エリック・アビダル
MF7:マハマドゥ・ディアラ
MF8:ジュニオール・アントニオ・アウグスト・ヒベイロ・ヘイス “ジュニーニョ・ペルナンブカーノ”
MF22:シルヴァン・ウィルトール
FW14:シドニー・ゴヴォ
(83分-DF12:アンソニー・レヴェイエール)
FW11:フレデリコ・シャヴァス・グエデス “フレッヂ”
(71分-FW9:ヨン・カリュー)
FW10:フローラン・マルゥダ

んと、最後だけだったんですよ。
パスミスからセルジーニョのクロスにピッポがあわせた一点以外は、アウェイのリヨンが押せ押せ。
ミランはカカーが至るところでつぶされちゃって、パスを通すことすらままならない状態が続いていた。

でも、試合終了まであと5分。
放り込みからボールが抜けちゃって、そこにいたシェヴチェンコがシュート。
ポストにはね返ったところを、やっぱりいるのねピッポがプッシュ。
これで、リヨンは切れちゃって、最後キーパーへのバックパスをかっさらわれてミランが追加点。

どうみてもリヨンのほうが楽しくて強いゲームをやってたのに…。
それでも、負けちゃうthis isフットボール。