【J1第25節】名古屋グランパスエイト 1-2 京都サンガF.C.

名古屋グランパスエイト 1-2 京都サンガF.C.
日時:2025年8月10日(日)19:04KO
会場:愛知県豊田市豊田スタジアム(3万9,896人/曇のち雨 28.2℃ 83%)
主審:岡部拓人
61′-名古屋/キャスパー・オーランド・ユンカー
70′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(左足)
82′-京都/福田心之助(右足)

■名古屋グランパスエイト(3-4-1-2)
GK35:ピサノアレックス幸冬堀尾
DF70:原輝綺
DF20:三國ケネディエブス
DF3:佐藤瑶大
MF44:森壮一朗(81′-DF2:野上結貴)
MF15:稲垣祥
MF14:森島司(73′-MF8:椎橋慧也)
MF27:中山克広(83′-MF66:山中亮輔)
MF7:和泉竜司
FW11:山岸祐也(73′-FW18:永井謙佑)
FW77:キャスパー・オーランド・ユンカー(73′-FW22:木村勇大)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF22:須貝英大(66’MF44:佐藤響)
MF10:福岡慎平(90+4′-MF18:松田天馬)
MF39:平戸太貴(66′-MF48:中野瑠馬)
MF16:武田将平(53′-MF25:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオ・ゴメス”)
FW11:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(90+4′-FW93:長沢駿)
FW14:原大智

23年越しのレコンキスタ

福岡戦でアディショナルタイムに追いつかれ、天皇杯では敗北。
よくない流れの中で、リバウンドメンタリティを見せてくれた。
リーグ戦のアウェー名古屋戦勝利は2002年(瑞穂)以来23年ぶり、そして豊田スタジアムでの勝利は初だとか。
その勝った試合は、黒部(現・徳島ヴォルティス強化本部長)のゴールで1-0。
監督はゲルト・エンゲルス(現・徳島ヴォルティスヘッドコーチ)で、天皇杯優勝した年か。
何もかも懐かしい……。

話を戻して、きょうのゲーム。
ホーム対戦時同様、名古屋がボールを「保持しない」戦いゆえ、京都がボールを持つ展開になった。
ボール支配率は、前半は60%を超えて最終的には57%。
この数字は開幕の岡山戦(62%)に続く今季2番めに高い数字だ。
パス成功数も名古屋144に対して、倍に近い250。
それでもゴール期待値は名古屋1.45で京都が1.34と、五角の数字。
つまりは、京都はボールを持たされ、名古屋守備網の外側でパスを回すも、なかなか決定的場面をつくりだせなかったという試合内容をデータが表している格好だ。

で、失点シーンは守備の人数は揃ってるのに、ユンカーをフリーにしてしまったことによるもの。
鈴木ノリさんも後ろにいるユンカーの姿を確認しながら宮本選手に任せ、宮本も走り込んできた山岸が気になったのか……。
ちょっともったいない失点だったのは間違いない。

一方、得点はどっちも中野瑠馬選手が起点。
特に1点目の発端となった、相手をかわすこと考えてのボールを受ける姿勢、そして、そこからマルコへのスルーパスは素晴らしかった。
京都の中盤はボール捌きができる選手は多いものの、個人での打開力を持っている選手は少ない。
そんな中で、彼が〝覚醒〟してくれれば大きな戦力になってくる。

さて、天皇杯の対戦相手・町田ときょうの名古屋。
志向するサッカーは3バックからの堅守速攻で似ているけれど、町田には負け、名古屋には勝ち。
結果が違ったのは、町田のほうがより「京都が嫌な」戦い方をしてきたからかな、と思った。
具体的には、サイドチェンジの使い方。
町田は昌子から望月への対角パスほか、的確なロングボールでサイドを変え、京都の前からプレスが「ハマらない」ようにしていた。
もちろん、町田にはそうしたパスを出せるスキルをもった選手が揃っていることもあるけれど。
ボールサイドに人を集める京都にとって、長いボールでプレスを無効化されてしまうと、かなりの厳しさの中にある((c)真空ジェシカ・川北)ことになってしまう。

サイドチェンジといえば、京都はあまり使わない。
いや、あえて使っていないと言ったほうが正しいかもしれない。
サイドで攻撃が詰まったら、無理せずに一度後ろに戻して、同サイドでチャンスを狙うことが圧倒的に多い。
攻撃時はサイドバック含めて多くの選手が前線に駆け上がる京都にとって、サイドチェンジのパスをカットされると一気に大ピンチになる危険性があり、そのリスクを避けているのだろうか。
同サイドで人数をかけて、と言うと思い出すのが、大木監督時代(2011年〜2013年)。
クローズ(同サイドでの密集)、何もかも懐かしい……(※きょう2度目)。
そのときは現役選手だった原一樹氏が、きょうはDAZNの解説者。

そんなわけで、20年前や10年前の京都サンガを思い出してしまった一戦だったけど、夏だからいいよね。
降格の心配は、もう大丈夫(まだ夏なのに!)。
それどころか、いい順位をずっとキープできている。
試合後のインタビューでの、曺さんや福田選手の「上しか目指してない」という言葉はとても頼もしかった。
カップ戦は敗退したけど、リーグ戦はまだだ、まだ終わらんよ!

【JFA第105回全日本サッカー選手権大会ラウンド16】FC町田ゼルビア 1-0 京都サンガF.C.

天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会ラウンド16(Match79)
FC町田ゼルビア 1-0 京都サンガF.C.
日時:2025年8月6日(水)18:31KO
会場:東京都町田市立陸上競技場 “Gスタ”(3,003人/晴 30.8℃ 73%)
主審:上田益也
59′-町田/藤尾翔太

■FC町田ゼルビア(3-4-2-1)
GK1:谷晃生
DF50:岡村大八
DF4:菊池流帆
DF3:昌子源
MF6:望月ヘンリー海輝
MF16:前寛之(90+6′-MF23:白崎凌兵)
MF19:中山雄太
MF26:林幸多郎
MF8:仙頭啓矢(78′-FW22:沼田駿也)
MF10:ナ・サンホ(78′-FW7:相馬勇紀)
FW9:藤尾翔太(84′-FW15:ミッチェルデューク)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響(78′-DF22:須貝英大)
MF10:福岡慎平
MF25:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオ・ゴメス”(55′-MF27:山田楓喜)
MF48:中野瑠馬(55′-MF39:平戸太貴)
FW11:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(72′-FW31:平賀大空)
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(72′-FW93:長沢駿)
FW14:原大智

【J1第24節】アビスパ福岡 2-2 京都サンガF.C.

アビスパ福岡 2-2 京都サンガF.C.
日時:2025年7月21日(月)18:03KO
会場:福岡県福岡市東平尾公園博多の森球技場 “ベススタ”(9,943人/晴 31.5℃ 57%)
主審:上村篤史
54′-京都/オウンゴール
58′-京都/原大智(pen.)
90+3′-福岡/ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ
90+6′-福岡/重見柾斗

■アビスパ福岡(3-4-2-1)
GK24:小畑裕馬
DF5:上島拓巳
DF3:奈良竜樹(67′-DF47:橋本悠)
DF20:安藤智哉
MF18:岩崎悠人
MF88:松岡大起
MF15:秋野央樹(67′-MF6:重見柾斗)
MF22:藤本一輝(55′-DF2:湯澤聖人)
FW8:紺野和也
FW14:名古新太郎(84′-FW13:ナッシム・ベン・カリファ)
FW27:碓井聖生(55′-FW17:ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久(46′-DF24:宮本優太)
DF50:鈴木義宜
DF22:須貝英大(46′-MF44:佐藤響)
MF10:福岡慎平
MF25:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオ・ゴメス”(73′-MF16:武田将平)
MF39:平戸太貴(86′-DF4:パトリック・ウィリアム・サ・ヂ・オリヴェイラ)
FW11:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス
FW93:長沢駿(65′-FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”)
FW14:原大智

博多の森の激流葬

多くの人が思っただろうとおり、ハーフタイムのCB交代が悲劇的な結末を招いた。
80分過ぎて、アビスパはパワープレイに移行。
宮本はもちろん鈴木ノリさんもパワーヘッダーではない。
京都は最後の交代カードとしてパトリックを選び、3バックで制空権回復を狙うも、セカンドボールを拾われ続けて、ロスタイムでまさかの2失点。
勝ち点3が、あと数分で手のひらからこぼれ落ちてしまった。

セカンドボールが相手に渡ってしまっていたのは、京都の選手がほぼ自陣深くに戻り、ベタ引きになってしまったせいもある。
特に前線、マルコと原はだいぶ疲れていたし、エリアスひとりでは相手のパスコースを限定しきれない。
いつもだったら、マルコ→松田天馬と交代することで、前からの圧力を再び強めることが多かったが、きょうはもう交代枠が残ってなかった。

宮本投入について、試合後の曺さんいわく
「後半相手の足が少し止まった時に、ボールを運べる選手を入れて相手コートでプレーさせよう」
という意図だったそうだけど、きょうに関してはアピアタウィア選手がいいパス出しを何回も見せていたんだよね。
それに、夏のゲームで選手の消耗度が高い中、怪我でもないCBを代えて交代枠を使うのはもったいない。

まぁ、結果だけ言えばアウェイで引き分けなんだけど、本当に惜しいゲームだった。
ここのところ幸運が続いていたので、たまにはこういう不運も来る。
落ち込みすぎず、とはいえ反省も忘れず、次の試合へ——。

【JFA第105回全日本サッカー選手権大会3回戦】京都サンガF.C. 3-3(PSO 4-3) 横浜FC

天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会3回戦(Match70)
京都サンガF.C. 3-3(PSO 4-3) 横浜FC
日時:2025年7月16日(水)19:04KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(3,906人/曇り 28.2℃ 73%)
主審:須谷雄三
59′-横F/鈴木準弥
79′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(ヘッド←山田)
91′-横F/伊藤翔
100′-横F/櫻川ソロモン
108′-京都/中野瑠馬(ヘッド←エリアス)
119′-京都/太田岳志(右足←中野←CK:山田)

penalty shoot-out
横浜FC ○××○○
京都 ○○○×○

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF4:パトリック・ウィリアム・サ・ヂ・オリヴェイラ
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響(63′-DF22:須貝英大)
MF10:福岡慎平
MF25:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオ・ゴメス”(63′-MF48:中野瑠馬)
MF39:平戸太貴(71′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)
FW11:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(98′-MF16:武田将平)
FW93:長沢駿(71′-FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”)
FW18:松田天馬(54′-MF27:山田楓喜)

■横浜FC(3-4-2-1)
GK88:渋谷飛翔
DF30:山﨑浩介
DF22:岩武克弥
DF5:福森晃斗
MF3:鈴木準弥(91′-MF39:遠藤貴成)
MF6:駒井善成(84′-FW15:伊藤翔)
MF34:小倉陽太
MF14:中野嘉大(84′-DF48:新保海鈴)
FW13:小川慶治朗(71′-FW76:山田康太)
FW33:室井彗佑(71′-FW10:ジョアン・パウロ・ケイロス・ヂ・モラエス)
FW91: ルキアン・アラウージョ・ヂ・アルメイダ(71′-FW9:櫻川ソロモン)

とんでもねえ、あたしゃ神様だよ

FC岐阜(J2)で契約満了になったことも……。
東京ヴェルディ(J2)で出場機会がなく、カテゴリを落としてカターレ富山(J3)に移籍したことも……。
カターレ富山でレギュラーが取れず契約満了となったことも……。
すべてがあって、きょうこの日につながったのだとしたならば、かなりのエモさの中にあるよね。

試合終了間際の同点右足ボレー。
そしてPK戦での2度の阻止。
シューターかつシュートストッパー。
二刀流な〝太田神〟のためにあったゲームだった。

2年連続16強(∩´∀`)∩わーい

【J1第23節】京都サンガF.C. 2-1 アルビレックス新潟

京都サンガF.C. 2-1 アルビレックス新潟
日時:2025年7月5日(土)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万3,451人/曇 30.2℃ 68%)
主審:先立圭吾
29′-新潟/ダニーロ・ゴメス・マガリャンイス
34′-京都/マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(右足)
45+5′-京都/マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(右足←原)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF22:須貝英大
MF10:福岡慎平
MF7:川﨑颯太(86′-MF25:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオゴメス”)
MF39:平戸太貴(90+4′-DF3:麻田将吾)
FW11:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(86′-FW77:ムリロ・ヂ・ソウザ・コスタ)
FW93:長沢駿(59′-MF18:松田天馬)
FW14:原大智(90+4′-FW31:平賀大空)

■アルビレックス新潟(4-2-3-1)
GK1:藤田和輝
DF15:早川史哉(81′-MF8:宮本英治)
DF5:舞行龍ジェームズ
DF35:千葉和彦
DF42:橋本健人
MF19:星雄次
MF6:秋山裕紀
MF11:ダニーロ・ゴメス・マガリャンイス(46′-FW28:太田修介)
MF41:長谷川元希(87′-FW9:矢村健)
MF30:奥村仁
FW46:笠井佳祐(57′-FW99:小野裕二)

勝利の福音書

難敵相手に逆転勝利を収め、京都サンガは3位をキープ。
アウェイでの対戦時と同様にボールを支配される時間は長かったけれど、最終的には決定力の差が勝敗を分けた。
〝チート級〟のシュートテクニックを誇るマルコが、この日も京都に勝ち点3という祝福を授けたのだった。
まさに、「マルコによる福音書」!

あらためて、新潟は京都にとって「相性のよくない相手」だと痛感させられた一戦だった。
新潟は、京都の1stプレス(前線からの守備)を掻い潜る技術に長けている。
センターバック、ボランチ、サイドバックの6人が斜めの角度でパスコースをつくり、的確に前進。
京都の前線5人(3トップ+2センターハーフ)の背後、ピッチ中央付近にうまくボールを運ばれていた。
そこからは、両サイドに張った奥村やダニーロ・ゴメスへ展開され……。
京都の選手たちが自陣に慌てて戻るシーンが何度もあり、体力を大きく消耗する展開となった。

暑さ・湿気もあって、後半はチーム全体の運動量が落ち、明らかにガス欠気味。
交代カードがもう少し早く切られてもよかったのでは?と感じたサポーターも多かっただろう。

ちなみに、曺監督の試合後インタビューによると、「ボール奪取後のパス」についてハーフタイムに修正を加えたという。
前半は、無理な縦パスを狙ってはボールを奪われ、そこからカウンターを受ける場面が目立っていた。
そこで後半は、攻撃の起点をなるべくサイドに誘導するよう指示を出したそうだ。

確かに、原大智がサイドやハーフスペースでボールをキープし、味方の攻め上がりを待つ場面が増えた印象がある。
ボールをサイドで収め、相手DFを背負いながら懐深くキープして時間をつくり、味方を引き出してからカウンターへ……。
原のプレーはテクニカルでクレバーだった。
この選手のプレイを、E-1選手権でも見てみたかったよね(嘆息)。