【J1第7節】アビスパ福岡 2-1 京都サンガF.C.

アビスパ福岡 2-1 京都サンガF.C.
日時:2023年4月9日(日)15:03KO
会場:福岡県福岡市東平尾公園博多の森球技場(6,341人/晴 17.6℃ 49%)
主審:福島孝一郎
56′-京都/アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”(左足)
78′-福岡/ルキアン・アラウージョ・ヂ・アルメイダ(pen.)
82′-京都/ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ

■アビスパ福岡(4-2-2-2)
GK1:永石拓海
DF2:湯澤聖人
DF33:ドウグラス・ヒカルド・グローリ
DF3:奈良竜樹
DF16:小田逸稀
MF17:中村駿
MF6:前寛之
MF8:紺野和也(79′-FW18:ウェリントン・ルイス・ヂ・ソウザ)
MF7:金森健志(65′-FW28:鶴野怜樹)
FW11:山岸祐也(90′-DF20:三國ケネディエブス)
FW9:ルキアン・アラウージョ・ヂ・アルメイダ

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志 “J1初出場”
DF14:白井康介
DF3:麻田将吾
DF4:井上黎生人
DF44:佐藤響
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(79′-DF5:アピアタウィア久)(85′-MF33:三沢直人)
MF18:松田天馬(85′-MF25:谷内田哲平)
FW27:山田楓喜(46′-FW22:一美和成)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”
FW17:木下康介(53′-FW23:豊川雄太)

曺貴裁コーチ(京都)
「前半から福岡さんにほどんどチャンスを与えず、われわれらしい試合ができていました。
結果だけが残念ですが、決してネガティブになるような内容ではありません。
ただ、自分の采配はよくなかったなと反省しています。
選手には何の責任もなく、勝たせられなかった責任は監督である僕に100パーセントあると思います。
(ーーハーフタイムの指示は?)
福岡さんの特徴を抑えながら、相手のコートでボールを動かすことを指示して、よい流れの中で先制点が取れたし、ディフェンス陣も安定していました。
〝勝負の神様〟が微笑まなかったことは、どこか自分が甘かったと思います。
自分が切ったカード、やらせ方で結果が出なかったことは、監督として反省しなければなりません。
ですが、下を向いていてもしょうがない。
いいところは継続して、次の試合、ホームで勝ちたいと思います」

勢者因利而制権也

少しアンラッキーなハンドからPKで1失点。
そして、CKからドンピシャで決められて2失点。
先制して少ししてから福岡にペースを握られてしまって、あっという間に逆転されてしまったというゲームだった。

その時間帯に選手交代のカードを切らなかったこと。
具体的には、65分に福岡がFWを投入して山岸を左サイドに移して3トップになったところからの対応が遅れたことが、曺さんが言う「采配でよくなかった」点だろうか。
結果として、同点にされた直後に3バックにしてすぐ失点して、アピアタウィアをin→outする形で交代枠を1つ無駄にしてしまった。
まさに、「勢とは利に因(よ)りて権を制するなり」ーー有利な情勢のもとで臨機応変に動くことで勢いが生まれる、ってやつだな。

交代カードといえば、ハーフタイムで山田を下げて、2枚目のイエローカードをもらう雰囲気があった木下を後半早々に下げたことも、勝負に影響しただろうか。
最終盤追い上げるときに、得点を取るための〝切り札〟がない状況。
福岡が最終盤、パワーブレーにシフトする要員(ウェリントン)を残していたのとは好対照だった。

ただ、きょうのゲーム、いいゲームだったかといえば、必ずしもそうではなかったかもしれない。
前線からアグレッシブなプレスは繰り返していたけど、福岡も無理せず前に蹴ってくるので、高い位置でボールを奪ってシュートまでつなげる場面はほぼなかった。
また、ボールをもった際に地上戦ではなかなか前に進めないのも気になるところ。
パトリックへのハイボールが多く、裏へ走り込んだところへのパスや、縦の〝くさび〟のパスはなかなか入れられていない。
もちろん、これはシーズン開始から続く課題でもある。
解決策のひとつとしては、中盤インサイドの2人が今以上に動き、ボールを受け、ボールを動かし、攻撃時にダイナミズムを生み出す必要があるのかも、と思ったりした。

連勝のあと、連敗。
チームはまだ成長途上、ってことだね。

【Jリーグカップグループステージ第3節】京都サンガF.C. 4-0 セレッソ大阪

京都サンガF.C. 4-0 セレッソ大阪
日時:2023年4月5日(水)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(5,156人/曇のち雨 13.8℃ 81%)
主審:谷本涼
6′-京都/松田天馬
8′-京都/平賀大空
21′-京都/一美和成
52′-京都/谷内田哲平

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF20:福田心之助
DF5:アピアタウィア久
DF24:イヨハ理ヘンリー
DF8:荒木大吾
MF33:三沢直人
MF25:谷内田哲平(71′-MF39:平戸太貴)
MF18:松田天馬(85′-FW47:パウロ・エンリキ・ペレイラ・ダ・シウヴァ “パウリーニョ・ボイア”)
FW23:豊川雄太(85′-FW15:木村勇大)
FW22:一美和成(71′-FW17:木下康介)
FW28:平賀大空※U-21(56′-DF3:麻田将吾)

【J1第6節】京都サンガF.C. 0-3 ヴィッセル神戸

京都サンガF.C. 0-3 ヴィッセル神戸
日時:2023年4月1日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万6,495人/晴 25.1℃ 20%)
主審:中村太
55′-神戸/汰木康也
68′-神戸/汰木康也
80′-神戸/大迫勇也

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF4:井上黎生人
DF3:麻田将吾
MF44:佐藤響(69′-DF6:三竿雄斗)
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(74′-MF18:松田天馬)
MF16:武田将平(39′-MF19:金子大毅)
FW27:山田楓喜(69′-FW11:山﨑凌吾)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”
FW17:木下康介(74′-FW15:木村勇大)

■ヴィッセル神戸(4-1-2-3)
GK1:前川黛也
DF24:酒井高徳(80′-DF3:マテウス・ソアレス・トゥーレル)
DF23:山川哲史
DF15:本多勇喜(85′-DF25:大﨑玲央)
DF19:初瀬亮
MF16:齊藤未月
MF5:山口蛍
MF18:井出遥也(66′-MF22:佐々木大樹)
FW11:武藤嘉紀
FW10:大迫勇也
FW14:汰木康也(85′-FW26:ジェアン・パトリッキ・リマ・ドス・ヘイス)

曺貴裁コーチ(京都)
「こういう拮抗した展開になると、セットプレイやどちらかのミスで勝負が決まります。
いちばん嫌な時間帯で失点して、今度は前がかりになって出ていったところを突かれたり、こちらのミスからカウンターで決められた。
そういう意味で言うと、神戸さんの狙いどおりになってしまったかもしれません。
しかし、0-1で終わるつもりはなかったので、選手は責められないと思います。
自分たちの良さを出すという意味ではきょうの試合はいい場面もたくさんありました。
負けて言うのもおかしいですが、いい試合をしてくれました。
いま首位に立っている神戸さんに果敢にチャレンジしていって、0-3だったのは僕の采配にも原因があります。
もう少しこういうふうにできなかったのかなぁなど、すぐ思いつくところもありますし、映像を見返して確認するところがありますけれど……。
ただチームは、昨年のこの時期に比べてもインテンシティとかプレイの質の意味で成長は見られます。
リーグ戦3回勝てましたけれど、この敗戦を次に生かすべく、下を向かずにやっていきたいと思います」

〝頂〟までは放物線

前線のクオリティの差が結果に出たゲームだった。
鹿島戦と似たような感じ。
相手FWに、アバウトなボールでもボールをキープできて、時間がつくれる選手がいるとツラいなと。
京都の選手はなるべく「前向き」に相手ボールを奪いたいんたけど、なかなかそんなシチュエーションがつくれなかった。

ひとつ心配なのは、武田選手の負傷交代。
中盤で運動量豊富に動いて、味方選手をフォローするポジショニングが効いていたし、左足でのキッカーも務めていた。
次は三竿選手をスタメンで使って、キッカーを代替するのかな?

【Jリーグカップ グループステージ第2節】FC東京 5-0 京都サンガF.C.

FC東京 5-0 京都サンガF.C.
日時:2023年3月26日(日)15:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム(8,662人/雨 14.1℃ 78%)
主審:岡部拓人
15′-F東/ペドロ・エンリケ・ペロッチ
25′-F東/エンリケ・ヂ・ソウザ・トレヴィザン
55′-F東/ペドロ・エンリケ・ペロッチ
59′-F東/アダイウトン・ドス・サントス・ダ・シウヴァ
75′-F東/熊田直紀

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:ヴァルネル・ロイド・ハーン
DF20:福田心之助(59′-DF14:白井康介)
DF5:アピアタウィア久
DF24:イヨハ理ヘンリー
DF6:三竿雄斗(59′-MF8:荒木大吾)
MF33:三沢直人
MF18:松田天馬
MF19:金子大毅(59′-MF25:谷内田哲平)
FW23:豊川雄太(73′-MF41:アラン・リマ・カリウス)
FW11:山﨑凌吾
FW28:平賀大空※U-21(46′-FW17:木下康介)

【J1第5節】横浜FC 1-4 京都サンガF.C.

横浜FC 1-4 京都サンガF.C.
日時:2023年3月18日(土)14:03KO
会場:神奈川県横浜市三ツ沢公園球技場 “ニッパ球”(3,401人/雨 8.8℃ 81%)
主審:山本雄大
12′-横F/小川航基
34′-京都/アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”(ヘッド←CK:福岡)
48′-京都/木下康介(左足←山田)
71′-京都/山﨑凌吾(ヘッド←CK:武田)
80′-京都/オウンゴール(ンドカ・ボニフェイス←FK:三竿)

■横浜FC(4-2-3-1)
GK1:永井堅梧(57′-GK21:市川暉記)
DF3:中村拓海
DF2:ンドカ・ボニフェイス
DF22:岩武克弥
DF6:和田拓也
MF4:ユーリ・リマ・ララ(72′-MF20:井上潮音)
MF25:三田啓貴
MF33:近藤友喜(57′-FW7:山下諒也)
MF16:長谷川竜也(82′-FW15:伊藤翔)
MF31:坂本亘基(72′-FW10:マウリシオ・カプリーニ・ピント)
FW18:小川航基

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF3:麻田将吾
DF4:井上黎生人
DF44:佐藤響(77′-DF6:三竿雄斗)
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(66′-DF24:イヨハ理ヘンリー)
MF16:武田将平(77′-MF19:金子大毅)
FW27:山田楓喜(77′-MF18:松田天馬)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”(54′-FW11:山﨑凌吾)
FW17:木下康介

木下康介選手(京都)
「前半苦しい時間もありましたが、パトがいい時間に決めてくれて。
後半、チーム一丸となって勝ちに行くことを意識していた中で、いいカウンターで決められてよかったです。
相手は気にせず、ゴールが見えたので振り抜くことだけを意識しました。
京都は勝ち越したら守り抜くのではなくて、また1点取りに行くのがチームスタイル。
それを表現、体現できたかなと思います。
(ーー横浜FCは中高6年間を過ごしたクラブ)
お世話になったクラブに成長した姿を見せようという気持ちは少なからずあるので。
去年(水戸時代)に続いてゴールを決められてよかったです」

曺貴裁コーチ(京都)
「最初の15分は横浜FCさんの勢いにちょっと押されちゃって。
そんなプランじゃなかったんですけど……。
そこで1失点で我慢できたことが、きょうの勝利に繋がったと思います。
去年J1に上がって、はじめて3連勝したということで、選手はよく頑張ってくれました。
ただ、4-1で勝ったからといって、全部がよかったわけじゃないんで。
悪いところは悪いところとして自分たちを戒めながら、次に向かっていきたいです。
(ーー後半、カウンターからの得点で流れを引き寄せた)
世界どこの国のサッカーを見ても、得点を取るための重要な戦術のひとつとしてカウンターが挙げられると思います。
それをどの場面でどう出すか、という練習は常にしています。
見方によっては、もっと綺麗にパスを繋いで、もうちょっと綺麗にやったほうがいいという人もいるかもしれません。
しかし、最短でゴールを取れる方法を極めない限り、勝つことやチームが強くなっていくことはありえない、と僕は思っています。
選手がよく反応して、ゴールを決めてくれたと思います。
(ーーコーナーキックからの2得点はファーから回り込んで決めたものだが、狙いどおりのものか?)
スタッフが分析をしてくれていて、やっとゴールという形に結びつきました。
日々努力をしているスタッフには頭の下がる思いですし、選手がしっかり実行して、勝ちにつなげられたということには、また違った喜びがあります。
(ーーJ1での3連勝は2002年以来)
2002年、僕は京都にいなかったのでよくわからないですけれど(苦笑)。
勝ちを続けられるのは、チームにとって幸せなこと。
長いシーズン、連敗をするかもしれないですし。
ただ、負けようが勝とうが、続けていくことは続けていく。
そのことを選手たちと共有して、次の試合に向けて頑張っていきたいと思います」

たどりついたらいつも雨ふり

寒さを吹き飛ばす快勝!
……
いや、4得点には興奮したけど、雨強すぎ&気温低すぎでしょ。
横浜への帰り道、コンビニで買った缶コーヒー握ったら、手の感覚がおかしくなってて缶が冷たく感じたぐらい。
屋根付き新スタジアム構想が早く進むといいね。

そんな雨の三ツ沢で観戦した試合を振り返ると、「得点差ほどの内容差がなかった」ということに尽きる。

曺さんがコメントしていた通り、試合開始から横浜FCペース。
横浜FCに中盤でボールを繋がれ、京都両SB裏へ長いボール送られ、攻めたてられる。
そして12分に、はやばや失点。

逆襲を試みるも、雨のせいもあってか、パトリックへのロングボールからセカンドボールの回収もうまくいかない。
前半のリードされていた時間帯、スタンドから見る限り、曺さんは中盤の選手に指示を多く出していたようだ。
特に、武田選手が低い位置で横パスを出して相手選手に奪われた後は、かなりの大声で叱咤していた。

で、あんまり点が入る雰囲気がない中で、31分パスカットした左SB佐藤がゴール前に進入して2度シュート。
ここで得たコーナーキックから、パトリックの同点弾が生まれた。

これ、後半にCKからの山﨑がヘッドで決めたのとまったく同じ形だった。
ボックスの真ん中に人はいないようにしておいて、インスイングのボールに対してファーから選手が走り込むというもの。
完全に狙い通りだね。
主導権がどちらのチームにもない、一進一退のゲーム内容で、セットプレイから2発決まったのは大きい。

その後、後半で京都にとって決定的だったのは
62分、スローインからのパス交換でうまくポケットに侵入した白井のクロス
 →中央で木下が合わせるも、相手DFにゴールライン上でクリア
のシーンかな。
横浜FCのほうは、疲れからか後半だんだん精度が落ちてきて、あんまりやられる雰囲気もなかった。

3点目が入ってからは、寒くて震えながらも試合は安心して見られた、という感じ。
後半ロスタイム5分の表示が出たときは
「GKの治療時間考えたら5分は短かすぎない?」
と一瞬思ったけど、
「もうロスタイムなんかしなくていい。
観客はみんな帰りたがってるし、実際かなり席を立ってしまっている。
4-1だし、とっとと終わりでいいだろう」
という致命的な言葉をレフェリーに投げつけそうに……ならなかった。
寒すぎて体感温度が奪われ、野次を言うにも口が動かなくなってたからね。

三ツ沢は大木さん時代の逆転勝利とかいろいろな思い出があるスタジアムだけど、きょうも記憶に残るゲームになった。