【Jリーグカップ グループステージ第2節】FC東京 5-0 京都サンガF.C.

FC東京 5-0 京都サンガF.C.
日時:2023年3月26日(日)15:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム(8,662人/雨 14.1℃ 78%)
主審:岡部拓人
15′-F東/ペドロ・エンリケ・ペロッチ
25′-F東/エンリケ・ヂ・ソウザ・トレヴィザン
55′-F東/ペドロ・エンリケ・ペロッチ
59′-F東/アダイウトン・ドス・サントス・ダ・シウヴァ
75′-F東/熊田直紀

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:ヴァルネル・ロイド・ハーン
DF20:福田心之助(59′-DF14:白井康介)
DF5:アピアタウィア久
DF24:イヨハ理ヘンリー
DF6:三竿雄斗(59′-MF8:荒木大吾)
MF33:三沢直人
MF18:松田天馬
MF19:金子大毅(59′-MF25:谷内田哲平)
FW23:豊川雄太(73′-MF41:アラン・リマ・カリウス)
FW11:山﨑凌吾
FW28:平賀大空※U-21(46′-FW17:木下康介)

【J1第5節】横浜FC 1-4 京都サンガF.C.

横浜FC 1-4 京都サンガF.C.
日時:2023年3月18日(土)14:03KO
会場:神奈川県横浜市三ツ沢公園球技場 “ニッパ球”(3,401人/雨 8.8℃ 81%)
主審:山本雄大
12′-横F/小川航基
34′-京都/アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”(ヘッド←CK:福岡)
48′-京都/木下康介(左足←山田)
71′-京都/山﨑凌吾(ヘッド←CK:武田)
80′-京都/オウンゴール(ンドカ・ボニフェイス←FK:三竿)

■横浜FC(4-2-3-1)
GK1:永井堅梧(57′-GK21:市川暉記)
DF3:中村拓海
DF2:ンドカ・ボニフェイス
DF22:岩武克弥
DF6:和田拓也
MF4:ユーリ・リマ・ララ(72′-MF20:井上潮音)
MF25:三田啓貴
MF33:近藤友喜(57′-FW7:山下諒也)
MF16:長谷川竜也(82′-FW15:伊藤翔)
MF31:坂本亘基(72′-FW10:マウリシオ・カプリーニ・ピント)
FW18:小川航基

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF3:麻田将吾
DF4:井上黎生人
DF44:佐藤響(77′-DF6:三竿雄斗)
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(66′-DF24:イヨハ理ヘンリー)
MF16:武田将平(77′-MF19:金子大毅)
FW27:山田楓喜(77′-MF18:松田天馬)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”(54′-FW11:山﨑凌吾)
FW17:木下康介

木下康介選手(京都)
「前半苦しい時間もありましたが、パトがいい時間に決めてくれて。
後半、チーム一丸となって勝ちに行くことを意識していた中で、いいカウンターで決められてよかったです。
相手は気にせず、ゴールが見えたので振り抜くことだけを意識しました。
京都は勝ち越したら守り抜くのではなくて、また1点取りに行くのがチームスタイル。
それを表現、体現できたかなと思います。
(ーー横浜FCは中高6年間を過ごしたクラブ)
お世話になったクラブに成長した姿を見せようという気持ちは少なからずあるので。
去年(水戸時代)に続いてゴールを決められてよかったです」

曺貴裁コーチ(京都)
「最初の15分は横浜FCさんの勢いにちょっと押されちゃって。
そんなプランじゃなかったんですけど……。
そこで1失点で我慢できたことが、きょうの勝利に繋がったと思います。
去年J1に上がって、はじめて3連勝したということで、選手はよく頑張ってくれました。
ただ、4-1で勝ったからといって、全部がよかったわけじゃないんで。
悪いところは悪いところとして自分たちを戒めながら、次に向かっていきたいです。
(ーー後半、カウンターからの得点で流れを引き寄せた)
世界どこの国のサッカーを見ても、得点を取るための重要な戦術のひとつとしてカウンターが挙げられると思います。
それをどの場面でどう出すか、という練習は常にしています。
見方によっては、もっと綺麗にパスを繋いで、もうちょっと綺麗にやったほうがいいという人もいるかもしれません。
しかし、最短でゴールを取れる方法を極めない限り、勝つことやチームが強くなっていくことはありえない、と僕は思っています。
選手がよく反応して、ゴールを決めてくれたと思います。
(ーーコーナーキックからの2得点はファーから回り込んで決めたものだが、狙いどおりのものか?)
スタッフが分析をしてくれていて、やっとゴールという形に結びつきました。
日々努力をしているスタッフには頭の下がる思いですし、選手がしっかり実行して、勝ちにつなげられたということには、また違った喜びがあります。
(ーーJ1での3連勝は2002年以来)
2002年、僕は京都にいなかったのでよくわからないですけれど(苦笑)。
勝ちを続けられるのは、チームにとって幸せなこと。
長いシーズン、連敗をするかもしれないですし。
ただ、負けようが勝とうが、続けていくことは続けていく。
そのことを選手たちと共有して、次の試合に向けて頑張っていきたいと思います」

たどりついたらいつも雨ふり

寒さを吹き飛ばす快勝!
……
いや、4得点には興奮したけど、雨強すぎ&気温低すぎでしょ。
横浜への帰り道、コンビニで買った缶コーヒー握ったら、手の感覚がおかしくなってて缶が冷たく感じたぐらい。
屋根付き新スタジアム構想が早く進むといいね。

そんな雨の三ツ沢で観戦した試合を振り返ると、「得点差ほどの内容差がなかった」ということに尽きる。

曺さんがコメントしていた通り、試合開始から横浜FCペース。
横浜FCに中盤でボールを繋がれ、京都両SB裏へ長いボール送られ、攻めたてられる。
そして12分に、はやばや失点。

逆襲を試みるも、雨のせいもあってか、パトリックへのロングボールからセカンドボールの回収もうまくいかない。
前半のリードされていた時間帯、スタンドから見る限り、曺さんは中盤の選手に指示を多く出していたようだ。
特に、武田選手が低い位置で横パスを出して相手選手に奪われた後は、かなりの大声で叱咤していた。

で、あんまり点が入る雰囲気がない中で、31分パスカットした左SB佐藤がゴール前に進入して2度シュート。
ここで得たコーナーキックから、パトリックの同点弾が生まれた。

これ、後半にCKからの山﨑がヘッドで決めたのとまったく同じ形だった。
ボックスの真ん中に人はいないようにしておいて、インスイングのボールに対してファーから選手が走り込むというもの。
完全に狙い通りだね。
主導権がどちらのチームにもない、一進一退のゲーム内容で、セットプレイから2発決まったのは大きい。

その後、後半で京都にとって決定的だったのは
62分、スローインからのパス交換でうまくポケットに侵入した白井のクロス
 →中央で木下が合わせるも、相手DFにゴールライン上でクリア
のシーンかな。
横浜FCのほうは、疲れからか後半だんだん精度が落ちてきて、あんまりやられる雰囲気もなかった。

3点目が入ってからは、寒くて震えながらも試合は安心して見られた、という感じ。
後半ロスタイム5分の表示が出たときは
「GKの治療時間考えたら5分は短かすぎない?」
と一瞬思ったけど、
「もうロスタイムなんかしなくていい。
観客はみんな帰りたがってるし、実際かなり席を立ってしまっている。
4-1だし、とっとと終わりでいいだろう」
という致命的な言葉をレフェリーに投げつけそうに……ならなかった。
寒すぎて体感温度が奪われ、野次を言うにも口が動かなくなってたからね。

三ツ沢は大木さん時代の逆転勝利とかいろいろな思い出があるスタジアムだけど、きょうも記憶に残るゲームになった。

【J1第4節】湘南ベルマーレ 0-2 京都サンガF.C.

湘南ベルマーレ 0-2 京都サンガF.C.
日時:2023年3月12日(日)15:03KO
会場:神奈川県平塚市平塚競技場 “レモンS”(1万791人/曇 18.1℃ 57%)
主審:川俣秀
55′-京都/木下康介(右足←白井)
74′-京都/山田楓喜(左足←パトリック)

■湘南ベルマーレ(3-1-4-2)
GK1:ソン・ボムグン
DF16:山本脩斗
DF22:大岩一貴
DF2:杉岡大暉
MF20:永木亮太(68′-DF33:髙橋直也)
MF6:岡本拓也(77′-DF26:畑大雅)
MF88:小野瀬康介
MF13:平岡大陽(77′-FW9:山下敬大)
MF3:石原広教(68′-FW29:鈴木章斗)
FW11:タリク・エルユヌシ(77′-MF7:阿部浩之)
FW18:町野修斗

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF4:井上黎生人
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(61′-MF19:金子大毅)
MF16:武田将平(67′-DF24:イヨハ理ヘンリー)
FW27:山田楓喜(86′-FW15:木村勇大)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”
FW17:木下康介(86′-FW11:山﨑凌吾)

木下康介選手(京都)
「白井康介からいいタイミングで素晴らしいボールがあがってきたので、あとは決めるだけでした。
相手より先に触ることだけ意識しましたね。
前半から厳しい展開をみんなで粘り強く守って、その中でワンチャンスあれば決めようと思っていました。
前節ゴールが取り消されて、正真正銘(J1初ゴールを)取れたっていうことでうれしい。
サポーターのもとに行ったのは、声を出して後押ししてくれたことに応えたかったからです。
(ーー2連勝の要因は?)
苦しい時間帯でもチームが一丸となって、声をかけあって、コンパクトに戦えているので、それが一番うまくいっている要因かなと思います」

曺貴裁コーチ(京都)
「立ち上がりから、湘南さんの圧力を感じる苦しい展開でした。
そんな中で選手たちは自律して、よく我慢して、いい形で点が取れました。
湘南さんという強いチームを相手に、引かずに、自分たちのよさを最後まで出し続けられた、すばらしい出来だったと思います。
前半からセカンドボールの奪い合いや競り合いが多かったので、後半湘南さんの脚が止まるんじゃないかなと感じていたところがあり、そこで一気に勝負を賭けたいとは思っていました。
僕も長い間いましたけれど、あらためて手ごわいチームだと実感しました。
(ーー先制後、すぐに3バックに切り替えた意味は?)
4枚の間の”隙間”に、相手の2トップがいいランニングをしていたので、まずは蓋をして、カウンターでもう1点取ろうという狙いです。
そういうやり方は、シーズン当初から準備をしてきていました。 
まぁ、ちょっと早いかなというのもありましたが、思い切って切り替えました。
(ーー得点について)
J1の中で明らかに技術が高いとか視野が広いという選手は、われわれには多くいません。
ただ、最後まであきらめずにゴールに向かって行ったり、体を張ってファイトすることは、どのチームにも負けていません。
そういうところに、神さまがひとつ、ご褒美をくれたんだと思います。
選手は本当に成長していると思うので、次のアウェイ戦も自分たちの良さを出して、勝ちたいです」

山口智コーチ(湘南)
「敗因は、相手に合わせたサッカーをしてしまったこと。
長い裏へのボールにビビってしまって、準備が遅れたのがひとつ。
また、前からのプレッシャーに対して、逃げたポジショニングやボールの動かしかたをしてしまったところも大きい。
ハーフタイムは、準備の部分が遅いことを指摘して、勇気をもってプレイしてほしいことを伝え、少しは改善したのかなと思った。
しかし、後半先制されたあと相手が後ろを5枚にして厳しくなった。
それまでになんとかしたかった、という反省がある」

神は弾丸(God is a Bullet.)

開幕2戦2敗。
からの、2連勝。
弾丸のような超スピードで、京都は自分たちに自信を取り戻した。

ゲームを振り返ると、湘南にペースを握られた時間帯が多かったことは否めない。
フォワードに入れる縦パスの数、サイドでのボール保持からポケットに侵入した数は、湘南のほうが多かった。
あるいは、タリク選手らに決定力を発揮されれば敗北という結果もあったかもしれない。
しかし、なんとか凌いで勝ち切れたのだった。

白星をあげたFC東京戦、湘南戦の戦い方を、昨シーズンと比較すると、攻守に下記の特徴があると思う。
・守備ではプレス位置を上げ、より強度を高めた
・攻撃では3トップの組み合わせを変え、長いボールを使っての相手プレス回避を多用した

前者の「プレス位置・強度」については、一目瞭然だろう。
相手最終ラインがボールを持てば、3トップの選手から猛然と追いかける。
サイドライン側では、白井、佐藤の両サイドバックが高い位置まで上がってプレッシング。
相手ボール保持者に対して2人、3人と素早く集結する。
きょうの相手・湘南もプレスが強いチームだけあって、前半などは極めて狭い局面に両チーム複数の選手がボールを奪い合うようなシーンも見られた。

後者の「ロングボール多用」は、パトリックという駒があっての策。
きょうの試合では、デュエル勝利数30回(opta調べ)という脅威の数字を記録したように、ある程度ラフなボールでもパトリックならボールを収めてくれる希望がある。
また、収められなくとも、セカンドボールを拾えれば攻撃に繋げられる。

そうして生まれた2次攻撃のチャンスには、シャドウで起用されている山田、木下が効いている。
ふたりとも体の強さとキープ力があルので、中盤やサイドバックの選手が攻め上がる時間創出することができるのだ。

ということで、今シーズンの戦い方はある程度固まってきたけれど、怖いのはパトリックが負傷したときだろうか。
開幕戦先発だった山﨑選手がセカンドチョイスだろうけど、パトリックほどの無双はできないと思うので……。

次戦もまた関東アウェイの横浜FC戦。
今季は開幕から現地観戦できる機会が多くて、うれしい。

【Jリーグカップ グループステージ第1節】京都サンガF.C. 1-3 ガンバ大阪

京都サンガF.C. 1-3 ガンバ大阪
日時:2023年3月8日(水)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(6,598人/晴13.2℃58%)
主審:大坪博和
30′-G大/福田湧矢
34′-京都/山﨑凌吾
42′-G大/ダワァン・フラン・ウラノ・ダ・プリフィカソン・オリヴェイラ “ダワン”
79′-G大/石毛秀樹

■京都サンガF.C.(3-4-2-1)
GK21:ヴァルネル・ロイド・ハーン
DF20:福田心之助(60′-DF6:三竿雄斗)
DF34:喜多壱也※U-21
DF24:イヨハ理ヘンリー
MF8:荒木大吾
MF33:三沢直人
MF19:金子大毅(72′-MF18:松田天馬)
MF29:植田悠太※U-21(79′-MF48:中野瑠馬※U-21)
FW25:谷内田哲平(60′-FW28:平賀大空※U-21)
FW11:山﨑凌吾
FW15:木村勇大

【J1第3節】京都サンガF.C. 2-0 FC東京

京都サンガF.C. 2-0 FC東京
日時:2023年3月4日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万3,255人/晴 14℃ 44%)
主審:福島孝一郎
75′-京都/川﨑颯太(ヘッド←木下)
90+1′-京都/アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”(pen.)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK1:若原智哉
DF14:白井康介
DF4:井上黎生人
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF7:川﨑颯太
MF10:福岡慎平(82′-DF24:イヨハ理ヘンリー)
MF16:武田将平(64′-MF19:金子大毅)
FW27:山田楓喜(64′-MF25:谷内田哲平)
FW9:アンデルソン・パトリッキ・アギアール・オリヴェイラ “パトリック”
FW17:木下康介(90+2′-FW11:山﨑凌吾)

■FC東京(4-1-2-3)
GK27:ヤクブ・スウォビィク
DF5:長友佑都(78′-MF26:寺山翼)
DF4:木本恭生
DF3:森重真人
DF49:バングーナガンデ佳史扶
MF10:東慶悟
MF37:小泉慶
MF35:塚川孝輝(78′-FW48:荒井悠汰)
FW39:仲川輝人(57′-FW33:俵積田晃太)
FW9:ヂエゴ・オリヴェイラ・ヂ・ケイロス “ディエゴオリヴェイラ”
FW15:アダイウトン・ドス・サントス・ダ・シウヴァ(69′-FW22:ペドロ・エンリケ・ペロッチ)

川﨑颯太選手(京都)
「僕は身長がそんなに高くないですけれど、ああいったセカンドボールや相手が緩んだところは常に狙っています。
待っているところにボールが来てくれたので、本当にパワーをこめて思いっきり飛んだら……入ってよかったです(笑)。
開幕戦はこのサンガスタジアムで不甲斐ない戦いをしてしまったので、きょうはサポーターのみなさんに盛り上がってもらえる、ワクワクしてもらえる試合にしたいと臨みました。
ゴールという最高の形で、みなさんに恩返しできてよかったなと思います。
ただ、まだ3試合目で、1勝をしただけ。
すべての問題が解決したわけでもないし、カップ戦の試合も入ってきます。
これからもチーム全員の力で、サンガをより熱くさせていきたいと思います」

曺貴裁コーチ(京都)
「3試合目にしてようやく自分たちのバランスを取り戻せた。
パーフェクトに近いゲームができたと思います。
そして、悔しい思いをさせてしまったサポーターのみなさんに、きょう喜んでもらえたことが何よりよかったです。
この2試合、悪いところばかりではなかったですし、J1で2年目を迎える選手たちのやる気が空回りしている部分もありました。
『相手を迎え撃つのではなく、自分たちの良さを出す』という狙いの中で、勝ち点3を取れた。
そのことにたいして、成長を選手たちから感じます。
また、勝ったこと以上に『自分たちらしさを取り戻すために何をしなければいけないのか?』を共有して選手たちを送り出して、ほぼ完璧にやれたということが、いまの時点でうれしいことです。
来週からはカップ戦も始まります。
われわれは全員で戦っていくチーム。
上位進出ができるように、あしたから練習をして準備していきます」

アルベルト・プッチ・オルトネダ “アルベル”コーチ(FC東京)
「戦前の予想どおり、インテンシティの高い試合だった。
京都のインテンシティの高いプレイに影響されて、われわれはボールを落ち着かせることもライン間のプレイもなかなかできなかったというのが正直なところだ。
このような試合なら、先制点を取ったチームが勝ち点3を取ることになるだろうね。
われわれはゲームに勝つためにゲームをコントロールしたい。
しかし、それがきょうはできなかったんだ」

3戦目のレコンキスタ

復ッ活ッ!!
京都サンガ復活ッッ!!
ハイプレス復活ッッ!!

ーー烈海王ならずとも、そう言いたくなるナイッスゲーム。
試合を通して前からプレスをかけまくる、〝高強度and高密度〟のサッカーが帰ってきた。
いやぁ鹿島戦とはまるで別人の動きじゃないですか、奥さん。
開幕節ではなく、この試合を見にいきたかった……(←年度末繁忙期ゆえの死んだ目で)。

きょうの京都はフォーメーションを4-1-2-3に戻しつつ、3トップの組み合わせを一新。
右・山田、センター・パトリック、左・木下。
3人そろって鬼の運動量で、相手DFがボールを持つとプレッシャーをかけまくる。
そして、3人の関係性・補完関係も1節、2節の3トップより優れたものだった。

まず、新加入の木下が入った(サンガデビュー)左サイド、
背高ぇ〜、顔小せぇ〜。
ストライドの大きいランで、全速でプレスをかける迫力はすごかった。
また足もとも巧みで、DFに囲まれながら突破を図ろうという場面も。

次に、右サイド。
いままで豊川が入っていたけれど、一発の裏抜けを狙ったりして起点になりきれてなかった印象だった。
対して山田は、ある程度ボールを収められて、左利きゆえカットインする動きを見せることができる。
結果として、右サイドバックの白井に攻め上がるスペースを提供できていた。

中央、パトリックの高さはさすが。
最終ラインからのロングボールで相手陣地内に混戦をつくってボールを回収しようという、ロジャー・シュミット(現ベンフィカ)っぽい展開もパトリックがいるからこそ実現できていた。

彼ら3トップがボールを追いかけ回すのに合わせて、最終ラインも高い位置をキープ。
F東が前線の選手にボールを入れても、素早く接近して後ろから体を預けるようにして相手に自由を与えない。
そして〝第一の矢〟に続いて、周囲の選手もプレッシングに加勢。
ボールを奪えば、密集したスペースから縦への展開を目指す。
特にきょうはボールサイドに選手を多く集める場面が目立っていたと思う。
また両サイドバックは、対面するウイングの選手が引いてボールをもらいに行ったら、後ろを気にせず高い位置までプレスに向かっていた。

ポゼッションサッカーを掲げるF東に対して、ボール保持率で上回る展開。
あとはゴールだけ……と願っていたら、新キャプテン・川﨑颯太がセットプレイの流れから先制ゴール。
PKながら主砲・パトリックも今季初得点。
2-0の完勝を収めることができたのだった。

曺さんも「パーフェクトに近いゲーム」と振り返った一戦。
もちろん、対戦相手のF東に離脱者が多く、ディエゴオリヴェイラ、アダイウトンのコンディションが上がりきってなかったこともあるだろう。
だが、昨シーズン9月、アウェイ・国立戦(くしくも最終ラインは、きょうと同じ4人だった)ではプレッシングをいなされ、まったく歯が立たなかったことを思い出せば、チームは確実に成長している。

「今季やべぇかも……」と思っていた不安は、一気に解消されたね。
つーか、1試合でサッカーが一変するなんて、曺さんほかコーチ陣はどんな〝魔法〟をかけたんだろうか。