【J1第10節】ヴィッセル神戸 0-1 京都サンガF.C.

ヴィッセル神戸 0-1 京都サンガF.C.
日時:2024年4月27日(土)14:03KO
会場:ノエビアスタジアム神戸(2万2,582人/曇 23℃ 41%)
主審:飯田淳平
※47+10′-神戸/大迫勇也PK失敗(ク・ソンユンのストップ)
55′-京都/原大智(ヘッド←CK:松田天馬)

■ヴィッセル神戸(4-1-2-3)
GK1:前川黛也
DF24:酒井高徳
DF4:山川哲史
DF3:マテウス・ソアレス・トゥーレル
DF19:初瀬亮(83′-MF14:汰木康也)
MF6:扇原貴宏
MF96:山口蛍
MF9:宮代大聖
FW11:武藤嘉紀
FW10:大迫勇也
FW22:佐々木大樹(74′-FW26:ジェアン・パトリッキ・リマ・ドス・ヘイス)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助(83′-DF28:鈴木冬一)
DF5:アピアタウィア久
DF4:松田佳大
DF3:麻田将吾
MF19:金子大毅
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(90+2′-FW31:平賀大空)
FW23:豊川雄太(83′-DF50:鈴木義宜)
FW14:原大智
FW44:佐藤響(74′-DF24:宮本優太)

焦燥と官能のカテナチオ(Catenaccio)

試合後のピッチには、選手の涙があった。
指揮官の涙があった。
しかし、昨季王者からの勝利は「感動のエンディング」ではない。
そう、終わりではなく「はじまり」だからだ。

きょうのサンガは、戦い方を変えてきた。
麻田を左サイドバックに回して、佐藤を左シャドーの位置に。
神戸のストロングである右サイド、酒井と武藤のラインを押さえようという意図だろう。
そして、大迫へのハイボール対策もあってか、松田佳大をCBに。
過去9戦のごとき、自分たちの戦いをすれば勝てるという「理想論」は、「現実論」方向にアジャストされた。
うん、いい傾向だ。

振り返れば、お世辞にもいいサッカーを展開したとは言いがたい。
攻撃では、原のヘッド以外は超決定機はなし(枠内シュート3)。
守備では、打たれに打たれたりシュート34本(ただし枠内は6本)。
特にセットプレーやロングスローの場面ではニアゾーンでクリアすることがままならず、制空権を握られ、ピンチの連続だった。
危ないシーンが連続しすぎて、しかし、決められることはなくて、真綿で首を締められているような感覚。
だんだんと気持ちよくなってきたほどだ(笑)。

大迫のPKをク・ソンユンが止めていなければ……。
武藤に何度かあったフリーの場面を決められていれば……。
勝ち点3どころか、「1」を獲得することすらも厳しい展開になっただろう。
大迫、武藤が負傷上がりでコンディション不良だったことにも助けられた。
いずれにせよ、守り切った、守り抜いた、守り勝った。

繰り返しになるが、内容面では必ずしも褒められたものではなかった。
その事実はさておき、勝ち点3が精神面での好転をもたらすことは大いに期待できる。
京都サンガのサッカーは無私無欲、奉仕献身を続けることで、「恩恵」としての栄光(=勝利)を待つというもので、宗教的な空気さえ感じる。
まるでマックス・ヴェーバーがいう「プロテスタンティズムの倫理」のようだ。
ならば、「恩恵」が続くように祈りたい。
そして、この勝利がシーズンを通して大きな転換点だったとなるように――。

【Jリーグカップ1stラウンド第2回戦】AC長野パルセイロ 3-2 京都サンガF.C.

AC長野パルセイロ 3-2 京都サンガF.C.
日時:2024年4月24日(水)19:03KO
会場:長野県長野市南長野運動公園総合球技場 長野Uスタジアム(3,700人/雨 15.7℃ 74%)
主審:小屋幸栄
14′-京都/飯田陸斗(左足※プロ初ゴール)
28′-京都/平賀大空(ヘッド←CK:平戸)
39′-長野/三田尚希
84′-長野/黒石貴哉
109′-長野/杉井颯

■AC長野パルセイロ(3-4-2-1)
GK21:キム・ミノ
DF5:池ヶ谷颯斗
DF7:大野佑哉
DF19:杉井颯
MF13:小西陽向
MF6:西村恭史(106′-MF28:丹羽匠)
MF46:古賀俊太郎(79′-MF47:加藤弘堅)
MF25:田中康介(73′-DF23:黒石貴哉)
MF14:三田尚希(73′-MF33:安藤一哉)
MF10:山中麗央(79′-MF17:忽那喬司)
FW18:浮田健誠(61′-MF35:イ・スンウォン)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK21:ヴァルネル・ロイド・ハーン
DF24:宮本優太
DF4:松田佳大
DF6:三竿雄斗
DF30:飯田陸斗(105′-DF20:喜多壱也)
MF10:福岡慎平
DF28:鈴木冬一(106′-FW13:宮吉拓実)
MF25:谷内田哲平(77′-MF8:塚川孝輝)
MF39:平戸太貴(69′-MF18:松田天馬)
FW22:一美和成(77′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)
FW31:平賀大空(77′-MF17:安齋悠人)

【J1第9節】京都サンガF.C. 0-1 アルビレックス新潟

京都サンガF.C. 0-1 アルビレックス新潟
日時:2024年4月20日(土)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(9,022人/曇 26.6℃ 32%)
主審:福島孝一郎
59′-新潟/谷口海斗

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太(66′-DF5:アピアタウィア久)
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF19:金子大毅
MF8:塚川孝輝(46′-MF18:松田天馬)
MF16:武田将平(75′-MF25:谷内田哲平)
FW23:豊川雄太(66′-DF28:鈴木冬一)
FW11:山﨑凌吾(66′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)
FW14:原大智

■アルビレックス新潟(4-2-3-1)
GK1:小島亨介
DF25:藤原奏哉
DF5:舞行龍ジェームズ
DF35:千葉和彦
DF18:早川史哉
MF8:宮本英治
MF6:秋山裕紀
MF22:松田詠太郎(84′-DF32:長谷川巧)
MF33:高木善朗(66′-MF14:長谷川元希)
MF16:小見洋太(66′-FW11:太田修介)
FW7:谷口海斗(66′-FW99:小野裕二)

曺貴裁コーチ(京都)
「負けてくるとこういうやり方がいいんじゃないかとか、この選手を使えばいいんじゃないかとか言われて、選手も疑心暗鬼になるところもあります。
けれど、決定するのは監督の仕事。
そういう意味で敗戦の責任は100パーセント、俺にあると思っています」

「マーちゃん、京都サンガもう終わっちゃったのかなぁ?」

「バカヤロー!! まだ始まっちゃいねぇよ」
ということで……。

「いまやってるサッカーを突き詰めればきっとよくなる」という発想をやめる。
うまくいってないやり方は改める。
そして、チームを再構築する。
――ならば、まだ時間はあるだろう。
つまり、今季はまだ〝始まってない〟のだ。

きょうの試合に関して、前節まったく機能してなかった豊川-山﨑-原という3CF(センターフォーワード)を並べる策を続けたのは驚いた。
最前線に3人はいれど前でボールを収めることも少なく、逆に3人が前残りすることでスペースが消失。
サイドバックの選手、インサイドハーフの選手が相手最終ライン裏を抜け出したり、いわゆる〝ポケット〟へ侵入することも皆無だった。
結果として、攻撃に〝奥行き〟がないのが現状の京都。
最終ラインからの放り込み、サイドバックが浅めの位置からクロスばかりで、何かアクシデントでもないと点が入りそうになかった。
試合を見ながら、「相手がハンドでもしねぇかなー」と思ってたもんね。

また、豊川と比して左ウイングに入った原の守備力もあって、新潟に佐藤の裏を再三狙われる事態に。
もちろん昨シーズンの木下のような猛烈なスプリントは望めないし、原を守備に奔走させることで攻撃時のガス欠にも繋がる。
きょうの3トップは攻守両面で問題があった。

そして、相手に先制をされたときどうやって追いつくのか、そのプランが考えられていないのも致命的。
昨シーズンは、パトリックの〝頭〟という明確な武器があった。
対して今季は、〝守備強度〟を重視しているのか守備的な選手がベンチに多い。

また、前節精細を欠いたとはいえ、チームで唯一ドリブルで局面を打開できる安齋がいきなりベンチ外。
点が欲しいときに、ドリブラーに勝負させるのか、高さで勝負するのか?
結局は、交代で入れた選手の個人能力でなんとかしてくれ!という感が強い。
チームとして明確に、「リスクをかけて、こう点を取る」という狙いが見られない。
なので、先制されたら〝詰んで〟しまうのだな。

次、ミッドウィークにカップ戦が入ることは好材料。
サブメンバーを使うだろうけど、そこで何か変化の兆しが見られないか、期待したい。

【J1第8節】鹿島アントラーズ 1-0 京都サンガF.C.

鹿島アントラーズ 1-0 京都サンガF.C.
日時:2024年4月13日(土)15:03KO
会場:茨城県鹿嶋市茨城県立カシマサッカースタジアム(1万3,781人/晴 17.6℃ 77%)
主審:世界の西村雄一
85′-鹿島/濃野公人

■鹿島アントラーズ(4-2-3-1)
GK1:早川友基
DF32:濃野公人
DF55:植田直通
DF5:関川郁万
DF2:安西幸輝
MF13:知念慶
MF25:佐野海舟
MF15:藤井智也(84′-MF27:松村優太)
MF14:樋口雄太(69′-FW36:師岡柊生)
MF7:アレクサンダル・チャヴリッチ(90+3′-MF77:ギリェルメ・パレヂ・ピニェイロ)
FW40:鈴木優磨

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF16:武田将平
MF25:谷内田哲平(65′-MF8:塚川孝輝)
MF18:松田天馬(87′-DF28:鈴木冬一)
FW23:豊川雄太(87′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)
FW11:山﨑凌吾(71′-MF17:安齋悠人)
FW14:原大智

愛と幻想のストーミング

試合後のフラッシュインタビューで曺さんが
「1点取られたことよりも、1点を取れなかったこと」
を敗因として挙げていた。

しかし、90分を終えた京都サンガのゴール期待値(xG)は0.39。
1点取れる可能性も、ほぼなかったよね(白目)。
この低い数値が表しているように、京都は攻撃を構築できていなかった。

きょうのゲームでは、今季はじめて山﨑を先発起用。
守りが固い鹿島に対して、ポゼッションする時間帯を減らしてロングパスを第一選択肢とし、セカンドボールの奪い合いからショートカウンターを狙ったのだろうか。
ただ、山﨑が競り合いで相手DFに優位に立つことはできず、前線の起点になりきれなかった。
また左サイドに回った原は、特に前半チャヴリッチの対応に苦慮して攻撃に良さを出しきれなかった格好。
前線でボールを奪うシーンもなかったし、今季はとにかく3トップからの理詰めなプレッシングがハマってないな。

プレスについて加えるならば、中盤でのプレッシングも今季は空転気味だ。
特に、「攻撃から守備」の局面など選手が密集している状態ではなく、相手が余裕を持ってボールを持っている状態のとき。
味方選手と連動して網をかけるように追い込んでいくのではなく、中盤の選手がボールホルダーに全力で圧力をかけ、いなされた結果、ぽっかりとスペースが空いてしまうことが多々。
「最高で最強のサンガ」を標榜する今季は、リスクを承知でストーミング=「前へ前への守備」を先鋭化しているのか。
とはいえ、リスクが失点という結果にたびたび繋がっているならば、軌道修正は必要だろう。

最終ラインは、前節スタメンのアピアタウィア久がベンチからも外れて、宮本-麻田のCBコンビが3試合ぶりに復活した。
宮本は最終ラインからのオーバーラップを果敢に敢行。
彼が上がったスペースはアンカーの武田が埋めるということで、サンガ的な〝偽CB〟の役割だろうか。
フリーの状態で攻め上がったときは、前線にいい縦パスも入れられていたし、攻撃面では一定の成果があった。
一方、CBとしてはスピードで鈴木優磨の決定機を潰したシーンはあったけれど、高さ不足、パワー不足が否めず。
後半、相手が攻勢に出てきたところで3バックにするとか、何か手を打ったほうがよかったのではないかと思った。

ってことで、開幕から約2か月——。
スタートダッシュに失敗し、やっているサッカーも毎試合試行錯誤しているような状態だ。
また交代カードを切っても、ピッチ上での勢いが出てくるわけではないのも辛いところ。
状況はちょっと厳しいね、う〜ん。

【J1第7節】京都サンガF.C. 0-3 ジュビロ磐田

京都サンガF.C. 0-3 ジュビロ磐田
日時:2024年4月7日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万972人/曇 24.9℃ 41%)
主審:先立圭吾
※44′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショットPK失敗
51′-磐田/西久保駿介
65′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット
71′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF3:麻田将吾
DF5:アピアタウィア久
DF44:佐藤響(74′-MF10:福岡慎平)
MF16:武田将平(64′-DF28:鈴木冬一)
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬(64′-DF24:宮本優太)
FW23:豊川雄太(74-‘MF17:安齋悠人)
FW14:原大智
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(64′-FW11:山﨑凌吾)

■ジュビロ磐田(4-2-2-2)
GK1:川島永嗣
DF26:西久保駿介
DF15:鈴木海音(90+4′-DF18:高畑奎汰)
DF36:ヒカルド・ケイロス・ヂ・アレンカストロ・グラサ “リカルドグラッサ”(74′-DF3:森岡陸)
DF50:植村洋斗
MF77:藤原健介(86′-MF16:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオゴメス”)
MF7:上原力也
MF14:松本昌也(86′-FW13:藤川虎太朗)
MF37:平川怜(86′-MF31:古川陽介)
FW11:ジャーメイン良
FW99:マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット(90+8′-MF19:ブルーノ・ジョゼ・ヂ・ソウザ)

根性とはぶったおれたあと……ノビたあとヘドをはいたあと

サッカーも柔道も
そのルールのもとに戦う以上、
にわかの英雄は出現しない。
英雄は練習量だけがうむ!!
二段に勝ちたければ
相手が二段になるまで
かさねた練習を
自分もつむしかないのだ!
(「夕やけ番長」より)