【J1第8節】鹿島アントラーズ 1-0 京都サンガF.C.

鹿島アントラーズ 1-0 京都サンガF.C.
日時:2024年4月13日(土)15:03KO
会場:茨城県鹿嶋市茨城県立カシマサッカースタジアム(1万3,781人/晴 17.6℃ 77%)
主審:世界の西村雄一
85′-鹿島/濃野公人

■鹿島アントラーズ(4-2-3-1)
GK1:早川友基
DF32:濃野公人
DF55:植田直通
DF5:関川郁万
DF2:安西幸輝
MF13:知念慶
MF25:佐野海舟
MF15:藤井智也(84′-MF27:松村優太)
MF14:樋口雄太(69′-FW36:師岡柊生)
MF7:アレクサンダル・チャヴリッチ(90+3′-MF77:ギリェルメ・パレヂ・ピニェイロ)
FW40:鈴木優磨

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF16:武田将平
MF25:谷内田哲平(65′-MF8:塚川孝輝)
MF18:松田天馬(87′-DF28:鈴木冬一)
FW23:豊川雄太(87′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)
FW11:山﨑凌吾(71′-MF17:安齋悠人)
FW14:原大智

愛と幻想のストーミング

試合後のフラッシュインタビューで曺さんが
「1点取られたことよりも、1点を取れなかったこと」
を敗因として挙げていた。

しかし、90分を終えた京都サンガのゴール期待値(xG)は0.39。
1点取れる可能性も、ほぼなかったよね(白目)。
この低い数値が表しているように、京都は攻撃を構築できていなかった。

きょうのゲームでは、今季はじめて山﨑を先発起用。
守りが固い鹿島に対して、ポゼッションする時間帯を減らしてロングパスを第一選択肢とし、セカンドボールの奪い合いからショートカウンターを狙ったのだろうか。
ただ、山﨑が競り合いで相手DFに優位に立つことはできず、前線の起点になりきれなかった。
また左サイドに回った原は、特に前半チャヴリッチの対応に苦慮して攻撃に良さを出しきれなかった格好。
前線でボールを奪うシーンもなかったし、今季はとにかく3トップからの理詰めなプレッシングがハマってないな。

プレスについて加えるならば、中盤でのプレッシングも今季は空転気味だ。
特に、「攻撃から守備」の局面など選手が密集している状態ではなく、相手が余裕を持ってボールを持っている状態のとき。
味方選手と連動して網をかけるように追い込んでいくのではなく、中盤の選手がボールホルダーに全力で圧力をかけ、いなされた結果、ぽっかりとスペースが空いてしまうことが多々。
「最高で最強のサンガ」を標榜する今季は、リスクを承知でストーミング=「前へ前への守備」を先鋭化しているのか。
とはいえ、リスクが失点という結果にたびたび繋がっているならば、軌道修正は必要だろう。

最終ラインは、前節スタメンのアピアタウィア久がベンチからも外れて、宮本-麻田のCBコンビが3試合ぶりに復活した。
宮本は最終ラインからのオーバーラップを果敢に敢行。
彼が上がったスペースはアンカーの武田が埋めるということで、サンガ的な〝偽CB〟の役割だろうか。
フリーの状態で攻め上がったときは、前線にいい縦パスも入れられていたし、攻撃面では一定の成果があった。
一方、CBとしてはスピードで鈴木優磨の決定機を潰したシーンはあったけれど、高さ不足、パワー不足が否めず。
後半、相手が攻勢に出てきたところで3バックにするとか、何か手を打ったほうがよかったのではないかと思った。

ってことで、開幕から約2か月——。
スタートダッシュに失敗し、やっているサッカーも毎試合試行錯誤しているような状態だ。
また交代カードを切っても、ピッチ上での勢いが出てくるわけではないのも辛いところ。
状況はちょっと厳しいね、う〜ん。

【J1第7節】京都サンガF.C. 0-3 ジュビロ磐田

京都サンガF.C. 0-3 ジュビロ磐田
日時:2024年4月7日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万972人/曇 24.9℃ 41%)
主審:先立圭吾
※44′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショットPK失敗
51′-磐田/西久保駿介
65′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット
71′-磐田/マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF3:麻田将吾
DF5:アピアタウィア久
DF44:佐藤響(74′-MF10:福岡慎平)
MF16:武田将平(64′-DF28:鈴木冬一)
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬(64′-DF24:宮本優太)
FW23:豊川雄太(74-‘MF17:安齋悠人)
FW14:原大智
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(64′-FW11:山﨑凌吾)

■ジュビロ磐田(4-2-2-2)
GK1:川島永嗣
DF26:西久保駿介
DF15:鈴木海音(90+4′-DF18:高畑奎汰)
DF36:ヒカルド・ケイロス・ヂ・アレンカストロ・グラサ “リカルドグラッサ”(74′-DF3:森岡陸)
DF50:植村洋斗
MF77:藤原健介(86′-MF16:レオナルド・ダ・シウヴァ・ゴメス “レオゴメス”)
MF7:上原力也
MF14:松本昌也(86′-FW13:藤川虎太朗)
MF37:平川怜(86′-MF31:古川陽介)
FW11:ジャーメイン良
FW99:マテウス・ヴィエイラ・カンポス・ペイショット(90+8′-MF19:ブルーノ・ジョゼ・ヂ・ソウザ)

根性とはぶったおれたあと……ノビたあとヘドをはいたあと

サッカーも柔道も
そのルールのもとに戦う以上、
にわかの英雄は出現しない。
英雄は練習量だけがうむ!!
二段に勝ちたければ
相手が二段になるまで
かさねた練習を
自分もつむしかないのだ!
(「夕やけ番長」より)

【J1第6節】ガンバ大阪 0-0 京都サンガF.C.

ガンバ大阪 0-0 京都サンガF.C.
日時:2024年4月3日(水)19:03KO
会場:大阪府吹田市市立吹田サッカースタジアム (1万6,763人/雨 15.9℃ 88%)
主審:山下良美

■ガンバ大阪(4-2-3-1)
GK22:一森純
DF3:半田陸
DF5:三浦弦太
DF20:中谷進之介
DF4:黒川圭介(83′-DF2:福岡将太)
MF6:ネタ・ラヴィ(72′-MF23:ダワァン・フラン・ウラノ・ダ・プリフィカソン・オリヴェイラ “ダワン”)
MF16:鈴木徳真
MF47:ファン・マテウス・アラーノ・ナシメント(37′-MF8:食野亮太郎)
MF9:山田康太(46′-FW13:坂本一彩)
MF97:ウェルトン・フェリペ・パラグア・ヂ・メロ
FW7:宇佐美貴史(83′-FW11:イッサム・ジェバリ)

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF16:武田将平
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬
FW23:豊川雄太(83′-FW31:平賀大空)
FW14:原大智(90+2′-FW11:山﨑凌吾)
FW17:安齋悠人(57′-FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス)

不精さや 掻き起されし 春の雨

「ウェルトンには責任を取ってもらう」
ーーと柱谷哲二さんなら言ったかもしれない、ドフリーのシュートを外してくれたウェルトン選手には感謝だ。
しかし、それ以外はガンバに超決定機はつくらせなかった。
まぁ、京都も京都でゴールの匂いはなかったので、お互い守り合った一戦というところかな。

ガンバの印象は、昨シーズンと比べてだいぶ変わっていた。
攻撃は、最終ラインからの繋ぎに拘泥せず、GKがボールを持ったら基本はロングボール。
守備の局面では、相手にボールを奪われたらミドルゾーンまで退いて、そこからプレスを開始。
昨季は降格の危機もあっただけに、より現実的な戦いに舵を切ったのかと感じた。

で、京都のほうはセンターバックにアピアタウィア久が戻ってきて、最終ラインも安定した。
前節0-2から追いつかれた反省もあってか、チーム全体に守備意識が高く、ゴールまでも体を張った守りができていた。
久しぶりに強度の高い京都サンガが戻ってきたなと思った。

さらに、この日アンカーに起用された武田が出色の出来!
川﨑とはまた違って、守備ではあまり相手ボールホルダーに食いつきすぎることなくスペースを埋め、攻撃でも積極的にボールをもらえるポジションに動き直す。
左サイドの佐藤、松田はいい距離感で、いつも右サイド偏重の傾向がある京都だけど、左サイドでもいい攻めが見られた。

そうした改善のおかげか、特に前半は、試合後のインタビューでガンバの宇佐美も認めているとおり、京都ペース。
前半で点を取って後半逃げ切り……が理想的展開だったが、そううまくはいかないということで。

とはいえ、シーズン開幕よりは調子が上がってきたのは間違いないだろう。
次はホームで、スッキリ勝ち点3ゲットという結果が欲しい。

【J1第5節】東京ヴェルディ 2-2 京都サンガF.C.

東京ヴェルディ1969 2-2 京都サンガF.C.1922
日時:2024年3月29日(金)19:03KO
会場:東京都調布市東京スタジアム〝味スタ〟(10,060人/晴 16.2℃ 60%)
主審:山本雄大
22′-京都/豊川雄太(右足)
26′-京都/原大智(右足←松田)
80′-東V/染野唯月(pen.)
90+3′-東V/染野唯月

■東京ヴェルディ1969(4-2-2-2)
GK1:マテウス・カウデイラ・ヴィドット・ヂ・オリヴェイラ
DF6:宮原和也
DF4:林尚輝
DF3:谷口栄斗
DF2:深澤大輝(61′-FW11:山見大登)
MF7:森田晃樹
MF10:見木友哉
MF33:松橋優安(76′-MF23:綱島悠斗)
MF22:翁長聖(46′-MF8:齋藤功佑)
FW27:山田剛綺(46′-MF17:稲見哲行)
FW9:染野唯月

■京都サンガF.C.1922(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF24:宮本優太
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響
MF7:川﨑颯太
MF16:武田将平
MF18:松田天馬(89′-DF6:三竿雄斗)
FW23:豊川雄太(61′-FW13:宮吉拓実)
FW14:原大智(89′-FW11:山﨑凌吾)
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス(74′-MF10:福岡慎平)

守りて必らず固き者は、其の攻めざる所を守ればなり

開幕節以来の現地観戦。
豊川選手のゴラッソ!
原選手の巧みな抜け出しからのゴール!!
前半は危ないシーンもほぼなくて、楽勝ペースかと思ったんだけど……。

結論からいえば、選手起用、選手交代で〝最善手〟を尽くさなかった結果、アディショナルタイムで勝ち点2を滑り落としてしまった——そう感じた一戦だった。

その思いに至った第一の要因は、センターバックの起用。
前節、宮本選手をCBに入れたのはあくまでスクランブルだった。
しかし、今節はスタメンで起用。
加えて、ベンチにはCBが主戦場の選手が不在。
相手が背の高い選手(綱島選手)を入れて、放り込みに来たときの対策がなかった。
コーチ陣が自信を持って先発とサブの選手を選択したなら仕方ないとはいえ、戦いに勝つための〝定跡〟を外した策だったのではないだろうか。

第二の要因は、後半相手にペースを握られたときの選手交代の遅れ。
気温が上がったせいか、全体的に運動量が落ち、特に中盤はプレスが後手後手になっていた。
スタンドから見ていると、曺さんは頭に手を置いて
「どうするか」
と苦慮をしていた様子だったが、豊川選手の負傷交代以外は74分まで動きなし。
結果として、後半の早い段階でカードを切ってゲームの流れを変えられなかったのかなぁ……と。

さらに、相手左サイドに投入された山見選手のドリブルに京都の選手が手を焼きはじめる。
曺さんは宮吉選手らを呼んで何度も何度も指示を与えてたけど、改善せず。
宮吉選手は「in-out」もあるか?と思ったほどだった。
木下選手の柏移籍、木村&山田楓喜選手の期限付き移籍で、前線のバリエーションが不足気味。
もし豊川選手が長期離脱だと、結構キッツイことになりそうだ。

ということで、勝ち点1を取ったいうよりは「2を失った」という気持ちで味スタを去ったのだった。
最後にひとつだけ。
観客が1万人を超えたのは素晴らしい。
J2での対戦時代では考えられなかった数字(※動員があったとき以外)なので、少し感動した。

【J1第4節】京都サンガF.C. 2-3 横浜F・マリノス

京都サンガF.C. 2-3 横浜F・マリノス
日時:2024年3月17日(日)14:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(1万2,937人/雨 12.1℃ 90%)
主審:川俣秀
5′-横浜FM/水沼宏太
33′-横浜FM/アンデルソン・ジョゼ・ロペス・ヂ・ソウザ
45′-京都/佐藤響(右足 ※プロ初ゴール)
45+3′-京都/川﨑颯太(右足)
52′-横浜FM/アンデルソン・ジョゼ・ロペス・ヂ・ソウザ

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK94:ク・ソンユン
DF2:福田心之助
DF5:アピアタウィア久(※8′-一発退場※DOGSO)
DF3:麻田将吾
DF44:佐藤響(74′-DF28:鈴木冬一)
MF19:金子大毅(51′-DF24:宮本優太)
MF7:川﨑颯太
MF18:松田天馬(83′-MF10:福岡慎平)
FW23:豊川雄太(83′-MF17:安齋悠人)
FW14:原大智
FW9:マルコ・トゥーリオ・オリヴェイラ・レモス

■横浜F・マリノス(4-1-2-3)
GK1:ポープ・ウィリアム(※64′-一発退場※DOGSO)
DF27:松原健
DF15:上島拓巳
DF5:カルロス・エドゥアルド・ベンディニ・ジュスティ
DF2:永戸勝也(67′-DF39:渡邊泰基)
MF8:喜田拓也(88′-MF28:山根陸)
MF6:渡辺皓太
MF14:植中朝日(56′-FW23:宮市亮)
FW18:水沼宏太(66′-GK31:白坂楓馬)
FW10:アンデルソン・ジョゼ・ロペス・ヂ・ソウザ
FW7:ジョゼ・エウベル・ピメンテウ・ダ・シウヴァ(88′-DF16:加藤蓮)

ドグソとドグソの結婚

アピアタウィア選手は、「レッドカード頂き男子久ちゃん」になってしまっているな……。
ボールロストからの失点がメンタル的に尾を引いて、抜け出した横浜FM植中選手に手をかけてしまった。
8分で退場になるぐらいだったら、シュートを打たせてしまう判断のほうがよかったのにね。

にしても、横浜に隙が生まれたせいか、京都がいつも以上にボールを回せて、シュートまで持って行けるようになったのが面白い。
ひとり足りない分、中央に入った原選手を筆頭に3トップが「時間」を創出。
味方選手の攻め上がりを促することができていた。
前半途中からは横浜FMを圧倒して、立て続けにゴールを奪って数的不利ながら追いつくまでに至った。

そこから突き放されてしまったのは、ひとえに横浜FMが誇る前線ブラジル人の「個の力」。
一方で、ひとこと加えるならば京都の控え選手の構成にも問題があった。

アピアタウィア選手退場後センターバックで奮闘していた金子選手が、ハムストリングを痛めて負傷交代。
ベンチにはセンターバック本職の選手がおらず、ボランチやサイドバックが本職の宮本選手。
頑張ってはいたものの、横浜FMの3トップに押される局面も増えていった。

試合後、曺さんが
「2年前のマリノスさんとの対戦では大人と子どもぐらい差がありましたが、今日は球際や切り替え、相手より前に出ること、スプリント数などでもかなりマリノスさんを上回っていました」
と言っていたことは、確かにその通り。
昇格後、三ツ沢で何もできず、まさに〝チンチン〟にされたことを考えれば、横浜FMと撃ち合いに持っていけたのは進歩の証かもしれない。
ただ、欲を言えば追いつきたかったし、追いつけるゲームだった。

来週は代表ウィークで1週お休み。
次戦はフライデーナイトのアウェイ・ヴェルディ戦だ。