【J2第35節】京都サンガF.C. 2-2 愛媛FC

京都サンガF.C. 2-2 愛媛FC
日時:2019年10月6日(日)14:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(9,936人/晴 26.4℃ 38%)
主審:山本雄大
34′-京都/仙頭啓矢(左足←金久保)
57′-京都/一美和成(左足)
65′-愛媛/神谷優太
72′-愛媛/山瀬功治

■京都サンガF.C.(3-3-2-2)
GK1:加藤順大
DF4:田中マルクス闘莉王(90′-MF50:藤本淳吾)
DF6:本多勇喜
DF16:安藤淳
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF41:金久保順(90′-MF11:湯澤洋介)
MF22:小屋松知哉
FW14:仙頭啓矢(77′-‘MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”)
FW23:一美和成

■愛媛FC(3-4-2-1)
GK1:岡本昌弘
DF2:山﨑浩介
DF4:西岡大輝(81′-FW9:有田光希)
DF5:前野貴徳
MF24:茂木力也
MF16:田中裕人
FW33:山瀬功治(86′-MF30:ウ・サンホ)
MF39:下川陽太
FW7:近藤貴司
FW10:神谷優太
FW19:藤本佳希(60′-FW15:丹羽詩温)

1・2の「3・4」郎

うーん…。
攻撃は相手を崩せないまま“空転”していた中で、裏へのパスで2点を取れたのはラッキーだった。
この運を生かして、逃げ切りたかったなぁ。

全体として、いま採用している「3バック+2トップ」だと全体が間延びしてしまうのを修正できていないと感じた。
攻撃時は攻撃時は3バック全員がハーフウェイラインまでプッシュアップするものの、守勢に回るとラインがズルズルさがってしまって、中盤もスカって相手にいいようにボールを回されてしまう。
小屋松をインナーハーフで使ってるのは「旋回力で相手を剥がしてほしい」という狙いがあるのだろうけど、左サイドに張ってしまいがちだし、そのほうが彼の良さが発揮できていた。
願わくは、「カットインからシュート!」を前半から狙ってほしいけど。

で、「2トップ変更で点が取れた」――と言っても、きょうは2点とも中盤から手数をかけずに縦パス、スルーパスを送って、フォワードを裏に走らせて生まれたゴール。
2トップが点を取る、MFはパスを出す、みたいな“区分け”がはっきりしていた。
そのことで、シーズン前半にあったような「センターフォーワードが相手DFを引き連れて下がることで、空いたスペースにインナーハーフが裏抜けをしてシュート!」みたいな、ダイナミックさは失われてしまったと思う。

今まで狙いとしてきた「サイドに人をかけてポイントを作って、パスを交換しながら、ファイナルサードを攻略する」というサッカーが、だいぶ様変わりしてしまって、今の状況は「進化」なのか「退化」なのか。
4-3-3では得点力で行き詰まりを見せていたし、シーズン最終盤に来ても、チームの戦い方に固まりきらないのは、ちょっと不安。

Q.ハーフタイムに「チームの規律を守ってプレーすること」と指示を送られていますが、具体的には?
あらゆるところで、個でやりたいことを伝え合っているような状態でした。ピッチ状態や相手のプレッシャーのこともあるかもわからないですけども、やってきたことをチーム全体としてやろうという意思が感じられるところが非常に少なかったので。前の人、後ろの人、右サイド、左サイド、前線の人、それぞれのイメージが共有できていない場面が非常に多かったかなと。規律とやってきたことが、フタを開けてみると表現されていないことが非常に多かったと感じたので(選手に)伝えました。

https://www.sanga-fc.jp/game/2019100607/comment.php

っていうコメントも、今のチーム状況を象徴しているのかもしれない。
さて、次は「3」か「4」か…?

【J2第34節】鹿児島ユナイテッドFC 0-1 京都サンガF.C.

鹿児島ユナイテッドFC 0-1 京都サンガF.C.
日時:2019年9月28日(土)19:03KO
会場:鹿児島県立鴨池陸上競技場(7,006人/曇 26.3℃ 84%)
主審:木村博之
17′-京都/一美和成(ヘッド←小屋松)

■鹿児島ユナイテッドFC(4-2-3-1)
GK1:山岡哲也
DF15:藤澤典隆
DF7:赤尾公
DF23:水本勝成
DF24:砂森和也
MF38:中原秀人
MF4:平川怜(39′-MF21:八反田康平)
MF30:萱沼優聖(64′-MF11:五領淳樹)
MF20:酒本憲幸(76′-FW28:ハン・ヨンテ)
MF32:牛之濵拓
FW49:ルーカス・マルコス・メイレレス “ルカオ”

■京都サンガF.C.(3-3-2-2)
GK1:加藤順大
DF17:牟田雄祐
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF20:ジュニオール・シウヴァ・フェレイラ “ジュニーニョ”(76′-MF31:福岡慎平)
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF50:藤本淳吾(83′-MF41:金久保順)
MF22:小屋松知哉
FW14:仙頭啓矢(90′-MF11:湯澤洋介)
FW23:一美和成

試行錯誤も見えぬ光明

システムも先発メンバーも少し変えて鹿児島に乗り込み、なんとかかんとか辛勝。
先制点はペナ角からの短いクロスに一美のヘッド。
こういうクロスの上げ方は久しぶりで相手も予測していなかったのかもしれない。

しかし、その後は中盤でボールは繋げども繋げども…状態。
左サイドは、小屋松が流れて、本多もドリブルしながら前へ上がるためある程度は機能していた。
一方、右サイドはジュニオールが孤立しまくって、ボール回しすらままならない状態。
3バック採用時の一番大きな問題である「選手の距離感が、4バック時と比べると良くない」点が、この試合でも顕になった格好だ。

ってわけで、最終ラインの体を張ったディフェンスと、鹿児島の決定力不足で勝てた一戦とまとめてしまってよかろう。
シーズンも残り2か月。
はたして攻守ともバランスが取れた「最適解」を見つけることができるのか?

【J2第33節】V・ファーレン長崎 1-0 京都サンガF.C.

V・ファーレン長崎 1-0 京都サンガF.C.
日時:2019年9月21日(土)18:03KO
会場:長崎県立総合運動公園陸上競技場“トラスタ”(6,208人/曇のち雨のち曇 26.3℃ 76%)
主審:鶴岡将樹
30′-長崎/呉屋大翔

■V・ファーレン長崎(4-2-2-2)
GK21:富澤雅也
DF13:亀川諒史
DF22:徳永悠平
DF6:角田誠
DF2:香川勇気
MF40:カイオ・セザール・ダ・シウヴァ・シウヴェイラ(78′-MF10:黒木聖仁)
MF37:秋野央樹
MF20:大竹洋平(76′-MF16:吉岡雅和)
MF19:澤田崇
FW11:玉田圭司(71′-FW29:畑潤基)
FW33:呉屋大翔

■京都サンガF.C.(3-3-1-3)
GK1:加藤順大
DF3:宮城雅史
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF41:金久保順(70′-MF50:藤本淳吾)
FW14:仙頭啓矢(62′-FW23:一美和成)
FW13:宮吉拓実(76′-MF44:中坂勇哉)
FW22:小屋松知哉

海のある長崎に死す

町田を倒した勢いをかって、“新生京都”(=3バック+相手守備ラインの裏へのボールも利用する)で長崎の地に赴くも…。
惜敗。
ワンチャンスを決められ、その後は長崎のリトリートした布陣を崩せず試合終了を迎えた。

やっぱり3バックだと、4バック時よりラインが少し深くなっている印象がある。
そして、自陣でボールを奪ってからも、ボール回しに「よっこいしょ」という声が聞こえてくるような。
特に長崎は、町田と違ってハイプレスはかけてこないので、京都の守備ラインもある程度余裕をもってボールキープしていたぶん、逆にスピーディさに欠けた。
相手守備が真ん中を固める中で、サイドを中心にボールは持てたが、試合後に庄司がコメントしていたように「崩しのアイデア」までは披露できずじまいだった。

ま、安藤が最終ラインにいれば、中央オーバーラップからの縦パスもあったんだろうけど、安藤+本多のCBコンビで失点が続いていただけに、パス出しを取るか? 守備の安定を取るか? 難しい問題。

次はアウェイ連戦、鹿児島戦。
アウェイだけど、ここは勝ち点3が絶対にほしいところ。
さて、どんな布陣と戦術で挑むのか…。

【J2第32節】京都サンガF.C. 2-0 FC町田ゼルビア

京都サンガF.C. 2-0 FC町田ゼルビア
日時:2019年9月14日(土)19:03KO
会場:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(7,005人/晴 26.9℃ 56%)
主審:高山啓義
62′-京都/小屋松知哉(左足←仙頭)
81′-京都/一美和成(右足)

■京都サンガF.C.(3-3-1-3)
GK1:加藤順大
DF3:宮城雅史
DF4:田中マルクス闘莉王
DF6:本多勇喜
MF31:福岡慎平
MF10:庄司悦大
MF5:黒木恭平
MF41:金久保順
FW14:仙頭啓矢(79′-FW23:一美和成)
FW13:宮吉拓実(86′-MF50:藤本淳吾)
FW22:小屋松知哉(90′-MF44:中坂勇哉)

■FC町田ゼルビア(4-2-2-2)
GK13:増田卓也
DF2:奥山政幸
DF3:藤井航大
DF40:小林友希
DF25:佐野海舟(68′-DF17:下坂晃城)
MF15:井上裕大
MF24:ロメロ・ベロカル・フランク・ラーク
MF29:森村昂太(68′-MF8:ジョン・チュングン)
MF10:平戸太貴
FW30:中島裕希
FW22:林陵平(79′-FW20:ドリアン・バブンスキー・フリストフスキー)

進撃の疑似カウンター

前節、京都は3バック導入も、岡山の「ハイプレス→ボール奪取→最終ライン裏に斜めに入られる」の流れに翻弄されまくって完敗。
で、今節はどう変えてくるかなぁと思ったら、
・3バックはキープで右CBを安藤から宮城へ
・中盤は庄司が1アンカー、攻撃時はWB福岡と黒木が高い位置をとって、金久保を中心としたダイヤモンド型に
・前節、シャドー気味に位置していた仙頭、小屋松は、もう少しワイドに張る形に
・1トップは一美から宮吉で、裏への飛び出しを狙う
てな感じで、今まで以上に「縦の奥行き」を意識した格好だった。

いつもなら、最終ラインから丁寧にボールを繋ぎ、外側のレーンに三角形を作ることで、パスを回しつつ突破を図る――。
とにかく“繋ぐこと”に拘泥していたのが京都のスタイルだったが、きょうは違った。
町田は2トップの精力的なプレスに対して、3バックに庄司も加わって、ボールを回す。
そして、町田のラインが上がってきたところで、闘莉王や庄司から前線に長いパスが放たれる。
そう、「ハイプレス・ハイライン」の町田を弱点をつくような、いわゆる「疑似カウンター」を取り入れたのだ。

その疑似カウンターがシュートに直結したシーンは少なかった。
でも、宮吉がいい感じに抜け出しボールを収めることで前線に起点となり、そこからお得意のボールポゼッションが始まったりして…。
中盤のプレスをかいくぐって、ロングボールで前線で楔を打てれば、ボールを失ったとしても町田陣内。
町田がやりたかったであろう、高い位置でのボール奪取からのショートカウンターという展開をなるべく回避することができた。

ここ最近のゲーム、ずっと「京都のサッカーを対戦相手が対策しできていた」と言われてきたけど、この日は「京都が相手のサッカーを対策できていた」。
まぁ、先制点が取れなかったら結果はどうなってたかわからない部分もあったけど、選手交代も理にかなっていて、6試合ぶり勝利は妥当だなと思った。
これで、チームの調子、上向きになるのかな?

【J2第31節】ファジアーノ岡山 3-0- 京都サンガF.C.

ファジアーノ岡山 3-0- 京都サンガF.C.
日時:2019年9月8日(日)19:03KO
会場:岡山県総合グラウンド陸上競技場 “Cスタ”(1万3098人/晴 29.4℃ 64%)
主審:吉田哲朗
22′-岡山/仲間隼斗
28′-岡山/山本大貴
90+2′-岡山/中野誠也

■ファジアーノ岡山(4-2-2-2)
GK22:一森純
DF39:増谷幸祐
DF8:田中裕介
DF4:濱田水輝
DF2:廣木雄磨
MF14:上田康太
MF6:喜山康平
MF17:関戸健二
MF19:仲間隼斗(90+3′-DF21:椋原健太)
FW15:山本大貴(56′-FW7:中野誠也)
FW9:イヨンジェ(66′-MF16:武田将平)

■京都サンガF.C.(3-4-3)
GK34:若原智哉
DF16:安藤淳
DF4:田中マルクス闘莉王(86′-MF32:上月壮一郎)
DF6:本多勇喜
MF30:石櫃洋祐(66′-MF50:藤本淳吾)
MF10:庄司悦大
MF31:福岡慎平
MF5:黒木恭平
FW14:仙頭啓矢
FW23:一美和成(63′-MF44:中坂勇哉)
FW22:小屋松知哉

迷いが招いた自滅

ここ数節、攻撃が空転していたからとはいえ、石櫃、黒木を高めにした3バック採用には驚いた。
この布陣がシーズン序盤、まったく機能していなかったからだ。
最近攻撃が空転していて、なにか変化がほしかったとはいえ、数ヶ月前にうまくいなかった地点に戻ってしまうとは…。

ボールを持った石櫃、黒木がハーフウェイライン付近で相手に囲まれて、無理に突破をかかろうとする姿は、混迷する今のサンガを象徴するようだった。
単独突破を図ろうにももう少し高い位置で、なおかつ味方を集めてボールを取られてもすぐ奪い返せるようにする。
そのための“遅攻”だったはずが、数的不利で相手のプレスにさらされ、ボールをカットされ、そのまま速攻を許してしまう。
いままで貫いてきた戦術・戦法もぶれてしまった。

そして田中、一美を同時先発起用したことで、試合終盤、前線にパワーを与える選手が手札になく、反撃のゴールすら奪えず。
――かなり内容の乏しいゲームだった。

おそらく次節は、戦術やフォーメーションは元に戻して、前線、中盤で選手を入れ替えて、リスタートかなと。
台風一過で、今度こそすっきりとした勝利が見てみたい。