PSVアイントホーフェン3-1ACミラン(合計スコア3-3アウェイゴールでACミランが決勝進出)
◇日時:5月4日20時45分KO
◇会場:フィリップス・スタディオン(アイントホーフェン)
◇主審:テルイェ・ハウグ(ノルウェー)
9分【PSV】パク・チソン
65分【PSV】フィリップ・ジョン・ウィリアム・コク
90+1分【ACミラン】マッシモ・アンブロジーニ
90+2分【PSV】フィリップ・ジョン・ウィリアム・コク
■PSVアイントホーフェン(4-3-3)
GK1:エウレーリョ・ダ・シウヴァ・ゴメス
DF16:テオ・ルシウス
DF5:ウィルフレッド・ボウマ
(70分-FW29:ホベルト・デ・ピーニョ・デ・ソウザ “ホベルチ”)
DF4:アレッサンドロ・ホドリゴ・ディアス・ダ・コスタ “アレックス”
DF3:イ・ヨンピョ
MF8:フィリップ・ジョン・ウィリアム・コク
MF14:ヨハン・フォーゲル
MF6:マルク・ファン・ボメル
FW17:ジェフェルソン・ファルファン
FW9:ヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク
FW7:パク・チソン
■ACミラン(4-3-2-1)
GK1:ネルソン・デ・ジェスス・ダ・シウヴァ “ヂダ”
DF2:マルコ・エヴァンゲリスタ・デ・モラレス “カフー”
DF13:アレッサンドロ・ネスタ
DF31:ヤープ・ヤコブ・スタム
DF3:パオロ・マルディーニ
(46分-DF4:カハベール “カッハ” カラーゼ)
MF21:アンドレア・ピルロ
MF8:ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾ
MF23:マッシモ・アンブロジーニ
MF22:ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
MF20:クラレンス・セードルフ
(69分-FW15:ヨン・ダール・トマソン)
FW7:アンドレイ・シェヴチェンコ
フース・ヒディング・コーチ(PSVアイントホーフェン)
「すばらしい夜だった。しかし、最後の数分で決勝進出を逃してしまったね。残念ながら、ミランのようなワールド・クラスのクラブをロープ際まで追い詰めながら、何も得られなかった。フットボールの格言が教えているように、試合終了の笛が鳴るまで集中しなさいということさ」
マルク・ファン・ボメル選手(PSVアイントホーフェン)
「結果には失望している。2試合を通じてミランよりいい試合をしたのだから、勝ちあがれるハズなのに…。アウェイゴールのシステムはおかしい」
パク・チソン選手(PSVアイントホーフェン)
「ゴールを決めたときはとても気持ちよかったですし、これで勝てると思いました。でも…。今は残念としかいいようがないです」
カルロ・アンチェロッティ・コーチ(ACミラン)
「試合前のプランでは、最初から飛ばして、ボールをキープして、早い時間にゴールを奪おうと考えていた。でも、選手はとても疲れていたから、キツい試合になってしまったよ」
ヤープ・ヤコブ・スタム選手(ACミラン)
「PSVはすばらしかった。ミランの得点機会はワンチャンスしかなかったしね。でもそれで十分だったんだよ」
朴智星(パク・チソン)は京都パープルサンガの登録商標です。
それはさておき。
第1戦を2-0と完勝したACミランは、シェヴチェンコを1トップに、セードルフとカカーが後ろに控える「4-3-2-1」、いわゆる「クリスマスツリー」の布陣を敷いた。
もちろん、狙いは得点よりも失点をしないこと。
一方、PSVアイントホーフェンはフォーメーションはいつもと同じ「4-3-3」だが、左右のサイドバック、ルシウスとイが高い位置を取った。
ミランの「1トップ+2シャドー」はセンターバックの2枚とボランチのコクがケアして、サイド攻撃に活路を見出そうという構えだ。
2点差をはね返すには、そして逆転するには、はやい時間でまず1点を返しておきたい――。
PSVの全員が、そしてスタジアムに詰め掛けたサポーターが願っていただろう、その思いを、パクが叶える。
9分、ヘッセリンクがエリア内でポストになって潰れたところを、左足でゴールネットの上へ。
力強く、美しい、スーパー・シュートだった。
先制後もボールを支配しつづけるPSV。
だがミランの守りは堅く、キープはできるが、決定的な場面は訪れない。
逆にミランも、攻撃ではパスミスが散見されるなど、まったくいいところなし。
結局、前半はこのまま終了する。
後半も、前半同様攻めるPSVとゴール前に壁をつくるミランという展開が続くが、ついに65分。
左サイド、カフーをかわしたイが速いクロスを左足で上げると、いつの間にかゴール前にいたコクが、カラーゼの前で頭で合わせる。
叩きつけたボールは、GKヂダが手に当てたもののファンブルしてしまい、ゴールイン。
なんと、戦前の予想(ミラン有利)を覆して、PSVが同点に追いついてしまった。
追いつかれたミランのアンチェロッティ監督は、フォワードのトマソンを投入。
PSVのヒディング監督も、この後センターバックのボウマに代えて、ホベルチを入れ、勝負に出る。
そしてこのまま延長かと思われた、91分にミランに歓喜が訪れた。
カカーとのパス交換で攻めあがったアンブロジーニが、フリーでヘディングシュート。
あきらめないPSVは1分後、前線への長いクロスからのリバウンドを、コクが振り向いての左足ループで反撃するも、勝利にはもう1点が必要――しかし、残り時間はあと1分と少なすぎた。
結局、トータルスコアでは並んだものの、アウェイゴール方式により、ミランが決勝進出を決めたのだった。