【J2第30節】水戸ホーリーホック1-1京都パープルサンガ

33分の1の神話

水戸ホーリーホック1-1京都パープルサンガ
◇日時:9月4日午後18時04分KO
◇会場:笠松運動公園陸上競技場(2218人)(23.3℃)
◇主審:扇谷健司
前半39分【水戸】吉本岳史(右足←吉瀬)
後半24分【京都】加藤大志(左足)

■水戸ホーリーホック(4-3-2-1)
GK21:武田博行
DF2:須田興輔
DF3:吉本岳史
DF32:大和田真史
DF24:吉瀬広志(後半16分-警告*2=退場)
MF8:関隆倫
(後半31分-MF22:伊藤仁)
MF19:永井俊太
MF7:秦賢二
MF29:眞行寺和彦
(後半17分-MF10:森田真吾)
MF17:秋田政輝
FW11:磯山和司 “磯っち”
(後半37分-FW27:岩舘侑哉)

■京都パープルサンガ(4-2-2-2)
GK1:平井直人
DF4:鈴木和裕
(後半23分-MF11:星大輔)
DF3:リカルド・カヴァルカンテ・リベイロ
DF2:鈴木悟
DF13:三上卓哉
MF18:米田兼一郎
(後半0分-MF25:六車拓也)
MF16:斉藤大介
MF27:加藤大志
MF8:美尾敦
(後半0分-FW31:田原豊)
FW10:パウロ・アントニオ・デ・オリベイラ “パウリーニョ”
FW9:カルロス・アドリアーノ・デ・ジョス・ソアレス “アレモン”

柱谷コーチの口から「内容的にも何もないし、本当に勝とうと思っているのかと感じる」と、めずらしく選手批判が出たこの日のゲーム。
それも当然、前半の京都は、とにかく攻撃に転じたときの切り替えが遅い。
全力疾走する選手がいない。
超メガ・スロー。
また、ボールをキープしていても、守りを固める相手にたいして、崩しにかかるような動きがない。
超省エネ・サッカー。
けが人で戦力が落ちている水戸の低調なパフォーマンスもあって、「練習試合か?」と思えるような緊張感のなさがグラウンドに漂います。

そして前半終了間際、水戸に先制点を奪われたことで、ついに「後半開始で2枚交代」という柱谷コーチにとって「禁断の箱」が空けられました。
しかし…。
攻撃コンテンツが整理不足。
星、加藤、そしてリカルドが攻め上がる右サイド中心の攻め――逆に、左サイドは三上しかいないというバランスの悪さ。
点が取りたいあまり、ペナルティボックスに入ったままのアレ・パウ――おかげで引いてきてクサビになるばかりで、ミスもめだった田原。

後半だけで打ちも打ったり、シュート23本!(前半は10本、試合全体で33本!!)
なのに、加藤大志の1点だけに終わってしまいました。
うーん。
パウを左に張らせるとか、大志を左に回すとかすれば、もう少しうまく攻められたのにな。

ネガばかり話してもしょうがないので、よかった点もいくつか。

まず、加藤大志のチャレンジ精神。
これは、ちょっと京都の選手のなかで図抜けてます。
スペースがあったら単独で突破をはかろうとする気持ち、good。
攻撃陣の中で、いちばん危険な香りが漂ってました。
(逆サイドの美尾があまりに軽いプレーに終始したというのもあるんですが)
レギュラー、定着?

もうひとつ、六車&斉藤のダブル・ボランチ。
六車自体のデキはそんなによくはなかったのですが、この2人のコンビにサンガの未来を賭けてみたい(笑)。
対人に強い六車が前に出ていって、斉藤は最終ラインからボールを受けて前線に供給する。
米田と違って背が高いので、最終ラインから跳ね返ってきたルーズボールを拾いやすいというメリットもあります。

あ、あと、きょうはアレモンのところにボールが収まってたのもよかったです。
シュートにもう少し、パワーと正確性があればよかったんですが。

以上。
ビジュの奮闘がうらやましい俺でした。

柱谷幸一コーチ(京都)
「非常に残念な結果です。内容的にも何もないし、本当に勝とうと思っているのかと感じました。前半残り時間もないところで、コーナーから失点するというのは、ズバリ言うと全員に集中力がないから。これでは勝てっこないです。チームのカタチとしては前半0-0で、後半一気にゴールを奪いにいくのですが、きょうに関しては全然できていません。こんなことでは勝てないし、J1なんて考えられませんね。集中力と厳しさを理解しないと、上では戦えないです。サッカーっていうのはそんなに甘いものではないです。
勝ち負けの結果はもちろん監督に責任がありますが、それもピッチに送り出した選手のパフォーマンスあってのこと。返す返すもきょうの結果は本当に残念。
選手交代が早かったことですか?
システムを変えたので、ハーフタイムのほうがしっかり指示できるからです」

平井直人選手(京都)
「シュート数にたいして得点が寂しい夜だったね。
コーナーキックからのあの失点は、俺以外のみんな集中が切れてたよ。
ちゃんと声を出していれば、あんなことは起きないんだけど。
まぁ、ウチの選手はメンタルが弱いからな…。
水戸まで来てくれたファンのみんなには、ほんとソーリーな気持ちでいっぱいさ」

【W杯欧州予選・グループ5】スコットランド1-1イタリア

スコットランド1-1イタリア
◇日時:9月3日午後18時30分KO(日本時間25.30)
13分【スコットランド】ケニー・ミラー(ヘッド←右:ハートリー)
76分【イタリア】ファビオ・グロッソ(左足←セットプレーのこぼれ)

原田泰造似の(モンド)グロッソと、トッティさんの後ろ髪はさておき、イタリアがブラジルみたいな攻めをしている件。
中盤から、FWにくさびあててサイドに散らしたり、狭いところを中央突破しようと固執したり。
一方、スコットランドはケニー・ミラーがこんなにいい選手だとは知りませんでした。
ポストもこなすし、テクもあるし。
マークについていたネスタもウンザリ気味。

【W杯欧州予選・グループ6】ウェールズ0-1イングランド

ウェールズ0-1イングランド
◇日時:9月3日午後16時00分KO(日本時間23.00)
54分【イングランド】ジョー・コール(右足←右:SWP)

ウェールズがホームながらベタっ引き。
見所少なく眠くなる試合でした、つか寝たです。

トリニータの大ピンチ

大分合同新聞社より。
大分FC経営危機 累積赤字7億円超 債務超過3億4千万円

「一般の会社であれば、民事再生法を申請してもおかしくない状況」

「キャッシュフローを無視した場当たり的な資金繰りに終始している。資金管理をはじめとする経営危機意識が極めて希薄」

大分FC がけっぷち 広がる波紋 サポーターも「心配」

西部警察ふうグラサンのファンボが見られなくなったと思ったら、クラブ自体が…。
しかし、清水とか神戸とかも何とかなったから、大分も大丈夫なんじゃないかという、狼少年のような甘い期待。

【J2第29節】横浜FC1-1京都パープルサンガ

なんだかんだでズーカー

横浜FC1-1京都パープルサンガ
◇日時:8月31日午後19時04分KO
◇会場:横浜市三ツ沢公園球技場(6597人)(25.1℃)
◇主審:今村亮一
前半13分【京都】鈴木悟 (FK:右足直接)
後半27分【横浜FC】三浦知良(右足)

■横浜FC “フリューゲルス”(4-2-2-2)
GK21:菅野孝憲
DF14:河野淳吾
(76分-DF3:富永英明)
DF4:スティーブン・トゥイード
DF31:浮氣哲郎
DF27:中島崇典
MF10:内田智也
MF30:山口素弘
MF17:北村知隆
MF8:吉武剛
(66分-DF7:小野智吉)
FW9:城彰二
FW11:三浦知良 “復讐”

■京都パープルサンガ(4-2-2-2)
GK1:平井直人
DF4:鈴木和裕
DF3:リカルド・カヴァルカンテ・リベイロ
DF2:鈴木悟
DF13:三上卓哉
MF18:米田兼一郎
MF16:斉藤大介
MF11:星大輔
(後半19分-MF27:加藤大志)
MF14:中払大介
(後半3分-MF8:美尾敦)
FW10:パウロ・アントニオ・デ・オリベイラ “パウリーニョ”
FW9:カルロス・アドリアーノ・デ・ジョス・ソアレス “アレモン”
(後半30分-FW31:田原豊)

久しぶりに現地観戦。
んで、そのあとビデオで試合を見返しまして、その資格もあるだろうということで、ここはおじさん言わせてもらうよ(一升瓶片手に)ということで、久しぶりにじっくりねっとりゲームを、サンガのデキを、分析してみたいと思います。

まずは、時系列に、よかったと思うサンガの攻めをピックアップします。

●前半28分、自陣でボールを受けた三上がライン際にいた中払にパスして前へ全力疾走→中払、三上の前のスペースへパス→三上、ついてきたDFにたいして走りながらワンフェイク入れて、センタリング。アレモンが走り込んできたが、浮氣にクリアされる。
●前半35分、自陣でボールを奪った斉藤が左サイドで前線へと猛然とフリーラン(これ、見ていてすごかった。テレビだと、端っこに少し映っている)。右サイドからアレモンねらいのアーリークロスが流れて、ちょうどその斉藤のところへ。斉藤、クロスを上げようとするもDFのスライディングに当ててしまう。

前半は、こんなもんで、悟のマーヴェラスな直接FK以外は決定機はほとんどなし。
ただ、以前のように最終ラインからドッカンドッカン放り込まずに、ビルドアップしようとしていたのはよかったです。
つか、前線・アレモンだし、放り込んでも勝てないし。
しかし、アレモンフィジカルコンタクトに弱すぎだよアレモン。
ハイボールでも足下へのくさびでも、相手にマークされていると、8割方(マイoptaデータ)バランスを崩してボールを失ってしまいます。
キープできるのは、ライン際に開き相手のマークが外れているときだけっつー体たらく。
アレモン嫁はもっと小魚食わせろヽ(`Д´)ノ

一方、横浜FCの攻撃も、ヒヤッとしたのは、競り合いからこぼれたボールを城がシュート→クロスバーに当たった場面くらい。
あとは散発のミドルが何本かありましたが、平井さんがきっちりセーブ。
平井イェイ平井イェイ平井直人イェイイェイイェイイェイイェーイ♪
っていう応援歌を聞いて、近くにいた修学旅行生が唖然としていたことは内緒。
さて、後半。

●後半18分、右サイドに流れたアレモンがジリッジリッと体を動かしながら、後ろからオーバーラップしてきた星にパス→星が、スルー→後ろにいたパウリーニョがワンタッチして左の美尾へ→美尾が感じてなくて、ボールが流れてしまう。
●後半20分、パウリーニョとの大きなワンツーで抜け出た美尾がボックス内までドリブル、後ろから押されて倒れるも笛は鳴らず(前節の加藤大志よりも、PKっぽく見えたんですが。フリーだったし…)。
●後半21分、最終ラインからオーバーラップしたリカルドが加藤大志からパスを受け、ラインギリギリからグラウンダーのクロス。誰もあわせられず。
●後半23分、自陣でボールを受けた斉藤がマークについていた山口をワンフェイクでかわして、右サイドアレモンへパス→アレモンが加藤大志へパスを出して、前線へランニング。そこに加藤大志からパスが来て、抜け出したアレモンがセンタリング→オーバーラップした斉藤がダイビングヘッド! しかし、クロスバー。

このあたりでサンガが怒濤のラッシュをかけるも、追加点が決まらない。
こういうときは、えてしてヤバイんだよなぁ、同点とかにされちゃうんだよなぁ、とはいえ守備では危ないシーンないし、やられるとしたら前半みたいにパワープレイからかなぁ…って、横浜に点入ってるよ!(´・ω・`)

その経緯は、自陣から中島が放り込み→トゥイードが競り勝って、シュート→平井さんが弾いたこぼれを蹴りこんだのはカズ、三浦カズ(゚∀゚)!
競り負けた悟はしょうがないとしても、悟の裏にいて突っ立ってて、カズのマークを見失っていたリカルドにかなり問題があると思ったんですがどうでしょうか。
で、勝ち点3がほしい京都はアレモンに代えてお久しぶりの牛放牧(゚∀゚)!

●後半34分、裏へ抜け出した田原へ斉藤がロングパス。フリーになるも、モサモサしてるうちにDFに詰められる。
●後半39分、ディフェンスラインの裏に抜け出した加藤大志がシュート。しかし、オフサイドの判定で大志、めずらしく抗議。

大志のこの場面は、まず斉藤が田原にくさびのパス(この時点で大志はオフサイドポジション)→田原が軽くワンタッチしたかしないかでスルー(この時点では大志はオンサイド)という流れ。
線審はワンタッチなかったということでオフサイドとジャッジしたようです。
俺はメインスタンド、サンガ寄りで見てたんですが、このメイン側の線審、大志の抗議とゴール裏からのヤジを受けて、明らかに逆ギレ、表情がプルプルしてました(‘A`)
ま、こういうクオリティの線審に遭遇しないためにも、早くJ1に…。
微妙に、横浜に押されつつ試合は続く。

●後半43分、2次攻撃から鈴木和裕がライン際からフリーでクロス。ボックス内に人数はそろっていたものの、そこまで届かずクリアされる。
●後半45分、裏に出た田原が胸トラップから抜け出そうとするも、マークについていた浮氣のラグビータックルを受ける。もつれ合うも、主審は田原にファウル。

と、以上、こんなものでしょうか。
数えてみれば計10回。
シュート数は6本。
結局追いつかれ、第3クールは依然として勝ちきれない試合が多いサンガ。

でも、ですね。
成績が落ちているとはいえ、誤解を恐れずにいえば、攻撃に関して第1、第2クールよりはレベルアップしているように感じました。
特に、斉藤からサイドのMFやサイドに開いたFWへのロングパス。
これが決まると、サイドバックのオーバーラップも絡めて、ナイスなアタッキングができることが多い。
三上、鈴木和裕のクロスが(例によって)精度を欠いていたのが残念でしたが、このあたりを高めることを今度のモチベーションとしていただきたい感じです(あるいは、別の選手の起用も可!)。

んで、それにもリンクしてくるんですが、やっぱ前線でもう少しタメをつくりたいなと。
手っ取り早くいえば、牛使えよと。
先発で使えよと。
チェルシーみたいな早い攻めをするには、ドログバっぽいFWがいるぞと。
アレモンはスペースないと厳しいぞと。
これだけは強く言っておきたいです。

最後に採点。
GK1:平井直人(6)きょうはミスなし
DF4:鈴木和裕(6)積極的に攻め上がる
DF3:リカルド(6)ラストは上がりっぱなし
DF2:鈴木悟(6)対人守備は無難に
DF13:三上卓哉(5.5)1対1の守備は見ていて不安
MF18:米田兼一郎(5.5)何度かパスミス
MF16:斉藤大介(7)カズに成長を見せつけた
MF11:星大輔(5)ちょっと低調
MF27:加藤大志(6)ドリブルはやっぱり脅威
MF14:中払大介(5.5)中央に位置取りすぎたか
MF8:美尾敦(5)効果的な仕事できず
FW10:パウリーニョ(6)精力的な動き、守備も○
FW9:アレモン(5)ビルドアップでは貢献したが…
FW31:田原豊(6)プレミアだったら全部ノーファウル

柱谷幸一コーチ(京都)
「前半いい形で悟がFKを決めてくれて、そのあともゲーム全体としては非常によくコントロールできていたと思います。
勝てなかったのは、2点目を決められるときに決めきれなかったこと。
クロスやシュートの精度が足りなかったですし、美尾はPKねらいでファウルを受けにいってしまいました。
点を取るには、やはりパワー、精度というものが必要ですから」

平井直人選手(京都)
「ぶっちゃけ気迫不足。
2点目を取りに行こうという気迫が、後ろで見てても全然感じられない。
せっかく俺がスーパーセーブを見せてるのに、これじゃダメだね。
まぁ、終わったことはしょうがない。
フィールドプレーヤーには城陽で正座させて説教しとくわ。
次の水戸戦は前半からガンガン飛ばさせるよ」