UEFAチャンピオンズリーグRound of 8 ドロー

アーセナル(イングランド)×ユヴェントス(イタリア)
オリンピック・リヨン(フランス)×ミラン(イタリア)
アヤックス(オランダ)-インテル(イタリア)の勝者×ビジャレアル(スペイン)
バルセロナ(スペイン)×ベンフィカ(ポルトガル)

アーセナル、くじ運悪い…。

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・Second leg】アーセナル0-0(agg.1-0)レアル・マドリッド

レーマンの指先、レアルの死

アーセナル0-0(agg.1-0)レアル・マドリッド
◇日時:2006年3月8日(水)20.45KO(日本時間翌4.45)
※Aggregate Score1-0でアーセナルがベスト8進出

■アーセナル(4-3-2-1)
GK1:イェンス・レーマン
DF27:エマヌエル・エブエ
DF28:ハビブ・コロ・トゥーレ
DF20:フィリップ・センデロス
DF16:マシュー・フラミーニ
MF19:ジウベルト・アパレシド・ダ・シウヴァ
MF15:フランセスク・ファブレガス・ソレール “セスク”
MF8:カール・フレデリク・リュングベリ
MF13:アレクサンドル・フレブ
(76分-MF7:ロベール・ピレス)
MF9:ホセ・アントニオ・レジェス・カルデロン
FW14:ティエリ・ダニエル・アンリ

■レアル・マドリッド(4-2-2-2)
GK1:イケル・カシージャス・フェルナンデス
DF2:ミゲル・アンヘル “ミチェル” サルガド・フェルナンデス
(84分-MF10:ホブソン・デ・ソウザ “ホビーニョ”)
DF4:セルヒオ・ラモス・ガルシア
DF15:ラウール・ブラヴォ・サンフェリックス
DF3:ホベルト・カルロス・ダ・シウヴァ
MF16:トーマス・グラヴェセン
(68分-MF8:ジュリオ・セサール・バティスタ)
MF14:ホセ・マリア・グティエレス・エルナンデス “グティ”
MF23:ダヴィド・ロベルト・ヨゼフ・ベッカム
MF5:ジネディーヌ・ジダン
FW7:ラウール・ゴンサレス・ブランコ
(73分-FW19:アントニオ・カッサーノ)
FW9:ホナウド・ルイス・ナザリオ・デ・リマ

アルセーヌ・ヴェンゲル・コーチ(アーセナル)
「選手たちはフィールドで卓越したスピリットを示してくれた。
偉大なレアルを相手に2試合を通じて1失点もしなかったんだ。
これがアーセナルというチームなんだ。
もちろん、2、3のツキもあったことは認めよう。
そして、あのレーマンのビッグセーブがなければ勝利がなかったこともね。

きょうの試合は、両チームが得点を渇望していた。
お互いが攻撃的に戦いあったんだ。
その結果が0-0というスコアになったわけだ。

今シーズンのわれわれは確かにもろさがあった。
若い選手が多く、成熟度は不足していた。
しかし、われわれは自分たちの身の丈を知っていたし、そして誠実にわれわれのサッカーをやろうとしつづけたんだ。
この2ヶ月でチームは大きく成長できたと思う。

チェルシーとリヴァプールが姿を消した?
リヴァプールが勝つんじゃないかと予想したけれど、これでベンフィカはマンUとリヴァプールを倒したことになる。
彼らは”何か”をもっているんじゃないかな」

ウールの浮かせた右足シュートがバーを叩いた。
そのとき、レーマンは体を倒していた。
跳ね返ったボールをふたたびラウールの足下へ。
右足を無人のゴールに向けて振り抜くと、そこに起きあがったレーマンが体勢を崩しながらも、指先でシュートを掻き出した!

そのほかにも、レジェスのシュートがバーを叩いたり、ラストにカシージャスが攻撃参加したり。
ヴェンゲルさんがいうとおり、攻めに攻めに攻め合った両チーム。
結果は「退屈じゃない0-0」(アンリ談)だった。
アンリ、フレブの突破力が光っていたけれど、個人的にはセスクのキープ力にはまたうならされた。
すんばらしー。

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・Second leg】ACミラン4-1(agg.5-2)バイエルン・ミュンヘン

スーペル・ピッポ

ACミラン4-1(agg.5-2)バイエルン・ミュンヘン
◇日時:2006年3月8日(水)20.45KO(日本時間翌4.45)
8分【ミラン】フィリッポ・インザーギ “ピッポ”
※23分【ミラン】アンドレイ・シェヴチェンコPK大失敗
25分【ミラン】アンドレイ・シェヴチェンコ
35分【バイエルン】ヴァレリアン・イスマエル
47分【ミラン】フィリッポ・インザーギ “ピッポ”
59分【ミラン】ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
※Aggregate Score5-2でミランがベスト8進出

■ACミラン(4-1-2-1-2)
GK1:ネルソン・デ・ジェスス・ダ・シウヴァ “ヂダ”
DF31:ヤープ・ヤコブ・スタム
DF13:アレッサンドロ・ネスタ
DF4:カハベール “カッハ”・カラーゼ
DF27:セルジオ・クラウディオ・ドス・サントス “セルジーニョ”
MF21:アンドレア・ピルロ
MF14:ヨハン・フォーゲル
MF20:クラレンス・セードルフ
MF22:ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
(86分-MF10:セサール・マヌエル・ルイ・コスタ)
FW9:フィリッポ・インザーギ “ピッポ”
(72分-FW11:アルベルト・ジラルディーノ)
FW7:アンドレイ・シェヴチェンコ
(76分-MF23:マッシモ・アンブロジーニ)

■バイエルン・ミュンヘン(4-1-2-1-2)
GK1:オリバー・カーン
DF2:ウィリー・サニョル
DF3:ルシマール・ダ・シウヴァ・フェレイラ “ルシオ”
DF25:ヴァレリアン・イスマエル
DF69:ビシェンテ・リザラス
(52分-MF11:ジョゼ・ホベルト・ダ・シウヴァ “ゼ・ホベルト”)
MF6:マルティン・ガストン・デミチェリス
MF26:セバスティアン・ダイスラー
(63分-MF7:メフメット・ショル)
MF31:バシュティアン・シュヴァインシュタイガ
MF13:ミヒャエル・バラック
FW14:クラウディオ・ミゲル・ピサーロ・ボッシオ
FW10:ロイ・マカーイ
(46分-FW33:ホセ・パオロ・ゲレーロ)

フィリッポ・インザーギ “ピッポ”選手(ミラン)
「足首の怪我をしていたときは、復帰できるか不安だった。
これで選手生活も終わりじゃないのか、ってね。
でも、活躍できる日が来ることをずっとずっと夢見ていたんだ。
きょう、それが現実になるなんて、最高の気分だ。
ディ・ステファノの記録に追いついた?
彼のような偉大な選手に肩を並べられるのは栄誉なことだ。
でもそれより大事なことは、チームが最高のサッカーをして勝ち抜けたことなんだよ。
きょうの僕の2得点も、チーム全体がすばらしいできだったからさ」

カルロ・アンチェロッティ・コーチ(ミラン)
「ネスタとカラーゼは完璧だった。
サイドバックは何度もオーバーラップし、中盤の選手はアグレッシブで、そして3人のアタッカーが4得点を決めてくれた。
これ以上何もいうことがないゲームだったね」

フェリックス・マガト・コーチ(バイエルン)
「ミランの最初の得点はオフサイドだ。
ほかにも、われわれにとって不利な判定ばかりつづいた。
ミランのような強いチームに審判が味方についたら、勝つなんて至難の技だろう。
確かに、2-2に追いつくチャンスもあったんだ。
しかし、ミランが追加点を挙げてしまって、あとは守備固めに入られてしまったね。
われわれにとっては悲しい夜になったよ」

んだがテンションが低いバイエルンが、ミランに圧倒されてしまった。
出色はやっぱりピッポことインザーギ。
PKを誘った飛び出しとか、2点目の鼻先での合わせ方など、まさにインザーギでインザーギな得点感覚にあふれていた。
この日の2点によって、ヨーロッパにおけるカップ戦での得点を通算50として、レアル・マドリッドの名選手アルフレド・ディ・ステファノと並ぶ歴代5位タイとなったのだった。

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・Second leg】バルセロナ1-1(agg.3-2)チェルシー

静かな、あまりに静かな再戦

バルセロナ1-1(agg.3-2)チェルシー
◇日時:2006年3月7日(火)20.45KO(日本時間翌4.45)
78分【バルセロナ】ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウジーニョ”
90+2分【チェルシー】フランク・ジェイムズ・ランパード(PK)
※Aggregate Score3-2でバルセロナがベスト8進出

■バルセロナ(4-3-3)
GK1:ヴィクトール・ヴァルデス・アリバス
DF23:オレゲール・プレサス・レノン
DF5:”チャーリー” カルレス・プジョル・サフォルカーダ
DF4:ラファエル・マルケス・アルヴァレス
DF12:ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
MF15:エヂミウソン・ゴメス・デ・モラレス
MF20:アンデルソン・ルイス・デ・ソウザ “デコ”
MF3:ティアゴ・モッタ
FW30:リオネル・アンドレス・メッジ
(25分-FW7:ヘンリク・ラーション)
FW9:サミュエル・エトオ・フィル
FW10:ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウジーニョ”

■チェルシー(4-3-3)
GK1:ペトル・チェヒ
DF20:パウロ・ヘナト・レボーショ・フェレイラ
DF26:ジョン・ジョージ・テリー
DF6:ヒカルド・アウベルト・シウヴェイラ・カルヴァーリョ
DF13:ウィリアム・ガラ
MF4:クロード・マケレレ
MF8:フランク・ジェイムズ・ランパード
MF16:アルイェン・ロッベン
FW10:ジョージ・ジョン・”ジョー” コール
(83分-DF29:ロベルト・フート)
FW15:ディディエ・ドログバ
(58分-FW9:エルナン・ホルヘ・クレスポ)
FW11:デイミアン・アンソニー・ダフ
(58分-MF22:エイドゥル・シマーリ・グジョンセン)

◇試合データ
Barcelona – Chelsea
1 Goals 1
0 1st Half Goals 0
4 Shots on Target 4
4 Shots off Target 6
7 Blocked Shots 0
2 Corners 0
20 Fouls 31
0 Offsides 5
2 Yellow Cards 1
0 Red Cards 0
74 Passing Success 74.1
27 Tackles 35
55.6 Tackles Success 77.1
55 Possession 45
65.8 Territorial Advantage 34.2

ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス・コーチ(チェルシー)
「試合を総括するならば、2試合を通じて11人同士が戦うことはなかった。
そしてバルセロナは11人を相手には勝利することはできなかった、ということだ。

チャンピオンズリーグの歴史上、ホームにおいて2-1で敗れたチームが、アウェイでそれをひっくり返せたことは数えるほどしかない。
スタンフォードブリッジでの結果がすべてだったといえるだろう。
とにかく、このレベルでの戦いでは小さなディテールが大きな差を生み出す。

私の経験でいえば、ポルトの監督時代、ラストプレイで得点を挙げて勝ち抜けたことがあった。
昨シーズンのリヴァプール戦は、開始早々ゴールインしていなかった得点で敗れ去った。
今シーズンは、第1戦を60分あまりを10人で戦うことを強いられた。
それが結果につながったんだよ。

われわれはなんとしても点を取らなければなかなかった。
選手たちには
『85分までに点を入れることができたら、チャンスがあるぞ』
と言ったんだがね。
91分にやっと点をとっていては、あと1点を追加するのは難しい。
きょうのバルサは、いつもよりプレスがきつく、守備的に、ラインを押し上げて戦っていた。
彼らはカウンターアタックを狙って、そしてホナウジーニョの個人技で1点を取り、われわれを殺したというわけさ。
チェルシーにも、20回とまではいわないものの、多くの得点機があった。
前半のジョー(・コール)とロッベン、後半のクレスポ…。
そうしたチャンスに得点をあげることができていれば、バルサにプレッシャーを与えれただろうが、残念ながらそうはならなかった。

バルセロナ?
すばらしいチームだ。
チェルシーとバルサはまったく別種のチームだろうね。
ある一面でバルサは高い次元にあり、別の一面でわれわれは高い次元にある。
次の試合でも、バルサは勝つに値するだろう。
バルサはチャンピオンズリーグの決勝戦にむけて頑張ってほしい。
われわれはプレミアシップとFAカップを狙うことにしよう」

っとイエローカードがとびかい、モウリーニョが激高し、観客がピッチに乱入し…。
そんなゲームを期待(?)してたんだけれど、ごくごく順当な結果だった。

第1戦をみれば、バルサのチーム力がチェルシーを上回っていることは明らか。
そして、ホームのカンプノウに戻っても、バルサはチェルシーを攻め立てるだろう。
そう思ったんですが、この日のバルサはサイドバックが攻撃を自重し、相手ボールになったらエトーやラーションまで自陣に戻ってくるディフェンシブな戦い方だった。
そんな「守備的バルサ」でも、ボールを奪ったら左に開いているホナウジーニョに預ければ、なんらかのファンタジーが生まれるのだからすごい。

モウリーニョもきっと、攻めに出る相手の裏を取ろうとスピードスターを3枚(コール、ロッベン、ダフ)そろえたんですが、逆に攻めのスペースがなく、ボール回しもままならないしまつ。

因縁の対決はリアリストに徹したライカールト&バルサが制した。
2度あることは3度ある。
来年もまた両チームの対戦があることを期待したい。

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・Second leg】ユヴェントス2-1(agg.4-4)ヴェルダー・ブレーメン

神から戦犯

ユヴェントス2-1(agg.4-4)ヴェルダー・ブレーメン
◇日時:2006年3月7日(火)20.45KO(日本時間翌4.45)
13分【ブレーメン】ヨハン・ミク
65分【ユーヴェ】ダヴィド・トレセゲ
88分【ユーヴェ】エメルソン・フェレイラ・ダ・ローザ
※Aggregate Score4-4、ユーヴェがアウェイゴールでベスト8進出

■ユヴェントス(4-2-2-2)
GK1:ジャンルイジ・ブッフォン
DF27:ジョナサン・ゼビナ
DF21:リリアン・ユリアン・テュラム
DF28:ファビオ・カンナヴァーロ
DF19:ジャンルカ・ザムブロッタ
(70分-DF14:フェデリコ・バルツァレッティ)
MF4:パトリック・ヴィエラ
MF8:エメルソン・フェレイラ・ダ・ローザ
MF16:マウロ・ヘルマン・カモラネージ
(57分-MF18:アドリアン・ムトゥ)
MF11:パヴェル・ネドヴェド
FW9:ズラタン・イブラヒモヴィッチ
(57分-FW10:アレッサンドロ・デル・ピエロ)
FW17:ダヴィド・トレセゲ

■ヴェルダー・ブレーメン(4-1-2-1-2)
GK18:ティム・ヴィーゼ
DF15:パトリック・オヴォモイェラ
DF2:フランク・ファーレンホルスト
DF4:ホナウド・アパレシド・ホドリゲス “ナウド”
DF27:クリスティアン・シュルツ
MF6:フランク・バウマン
(73分-DF3:ペトリ・パサネン)
MF22:トルシュテン・フリングス
MF24:ティム・ボロヴスキ
MF10:ヨハン・ミク
FW17:イヴァン・クラスニッチ
(81分-FW9:ネルソン・アエド・ヴァルデス)
FW11:ミロスラフ・クローゼ

半から神懸かり的なミラクルセーブを連発していたブレーメンのキーパー、ヴィーゼ。
ところが、試合も残すところあと2分となったところで、クロスを飛びついてキャッチして着地したところで、まさかのポロリ!
また悪いことに、そこにエメルソンがいて、軽く蹴りこんだボールがコロコロとゴールへ…。

しかし、ブレーメンはかっこよかった。
アウェイにもかかわらず、試合開始から攻撃の姿勢を見せ、早々にシュルツのスルーから抜け出したミクが先制点。
守っても、ここ数年のサッカー界ではありえない、トチ狂ったような高い高い高い高いディフェンスラインをキープする。
そして第1戦同様にユーヴェに裏を狙われつづけるも、ヴィーゼが美技美技連発!
あと2分、あと2分だけ、もちこたえていたならば…。