デル・オルノ「メッジの芸風は10年早い」

チャンピオンズリーグのバルサ戦で赤紙を食らっちゃったデル・オルノ選手が、あんまり僕を責めないでと言ってるもよう。

アシエル・デル・オルノ・コスガージャ選手(チェルシー)
「リアクション芸はお笑いの世界のもので、フットボールの世界とは関係ない。
メッジがそんな芸に走るなんて、まだ若すぎるよ。
バルセロナは彼に悪い芸風を教え込んでるといわざるをえないね。

バルサの連中が、勝利で饒舌になってるのはよくわかる。
だけど、退場にまでなった僕に追い打ちをかけるように非難するのは辞めてほしいんだ。
僕は自分自身をコントロールできる選手だと思ってるし、いまだかつてピッチの上で誰も傷つけようとしたことなんてないよ。
とくメッジがなぜ僕を非難しているのかわからない。
本当の僕をよく知ってほしい」

【イングランド・プレミアシップ第24週】チェルシー2-0ポーツマス

チェルシー2-0ポーツマス
◇日時:2月25日(土)15.00(日本時間翌0.00)KO
65分【チェルシー】フランク・ジェイムズ・ランパード(右足←グジョンセンのスルー←ドログバ)
78分【チェルシー】アルイェン・ロッベン(左足←グジョンセン)

チェルシーは、マケレレ温存でスタートしたが、ど~もリズムが出なくて、60分にそのマケレレとグジョンセンと同時投入。
先制点はそのマケレレがめずらしくもセンターラインより前までドリブルして、ドログバへ縦へのくさびのパスから生まれた。
その後は、割と無難にゲームを流して、ロッベンの追加点で勝負あり。
やっぱり芝が荒れ放題だったスタンフォード・ブリッジだけど、きょうはチェルシーのほうがボール回しが巧みに見えた。

で、きょうはチャンピオンズリーグで負けたチェルシーが勝って、CLで勝ったアーセナルが負けた日でした。
そういう日もあるわなというわけで。

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・First leg】ヴェルダー・ブレーメン3-2ユヴェントス

攻撃精神の結実

ヴェルダー・ブレーメン3-2ユヴェントス
◇日時:2006年2月22日(水)20.45KO(日本時間翌4.45)
39分【ブレーメン】クリスティアン・シュルツ(左足←カンナバーロのクリア)
73分【ユーヴェ】パヴェル・ネドヴェド(右足←ヴィエラ)
82分【ユーヴェ】ダヴィド・トレセゲ(ヘッド←ナウドのクリア)
87分【ブレーメン】ティム・ボロヴスキ(右足←フリングス)
90+2分【ブレーメン】ヨハン・ミク(ヘッド←ヘッド:オヴォモイェラ←CK)

■ヴェルダー・ブレーメン(4-1-2-1-2)
GK18:ティム・ヴィーゼ
DF15:パトリック・オヴォモイェラ
DF2:フランク・ファーレンホルスト
DF4:ホナウド・アパレシド・ホドリゲス “ナウド”
DF27:クリスティアン・シュルツ
MF6:フランク・バウマン
MF22:トルシュテン・フリングス
MF24:ティム・ボロヴスキ
MF10:ヨハン・ミク
FW17:イヴァン・クラスニッチ
FW11:ミロスラフ・クローゼ
(68分-FW9:ネルソン・アエド・ヴァルデス)

■ユヴェントス(4-2-2-2)
GK1:ジャンルイジ・ブッフォン
DF20:マヌエレ・ブラージ
DF21:リリアン・ユリアン・テュラム
DF28:ファビオ・カンナヴァーロ
DF14:フェデリコ・バルツァレッティ
MF4:パトリック・ヴィエラ
MF8:エメルソン・フェレイラ・ダ・ローザ
MF16:マウロ・ヘルマン・カモラネージ
(74分-MF25:マルセロ・ダヌビオ・サライェタ)
MF11:パヴェル・ネドヴェド
FW9:ズラタン・イブラヒモヴィッチ
(59分-FW10:アレッサンドロ・デル・ピエロ)
FW17:ダヴィド・トレセゲ

れ、すごい。
「Round of 16」のうちまだ半分の4試合しか見てないけど、たぶんベストゲーム。
つか、今シーズン見た欧州サッカーでも屈指の内容だった。

とにかく攻撃のプランが好対照で。
選手間のトライアングルをつくって、ワンタッチパスでボールを小気味よく回すブレーメン。
裏ウラうら裏ウラ…ベッカンコ!と「ジャングル黒べぇ」かよと言いたくなるくらい、相手守備ラインのウラを狙いつづけるユーヴェ。

で、決定機の数もいっぱいあった。
ブレーメンは、サイドから丁寧につないでクロス、クローゼの落としから中盤の選手がダイレクトシュートなど、多彩に攻め立てる。
ユーヴェは、奪ったボールをボーンと前線に出して、何度もGKとの1対1の場面を作り出す。

ネドヴェドの同点弾も、ヴィエラのパスから完全にディフェンスラインを抜け出して冷静に決めたものだった。
続くトレゼゲの逆転弾も、裏狙いのロングボールをナウドが軽くクリアしてしまったため、トレゼゲがヘッドでずどん。
なんとなく点を取って勝つ、ユーヴェの試合運びが決まったかと思ったんだ。

ところが、ラスト5分からブレーメンの大逆襲。
右からのクロスにニアに走り込んだボロヴスキが合わせて同点。
ロスタイムにはコーナーからフリックオンされたボールをミクがダイビングヘッド!
劇的な展開でゲームは終わった。

スタジアムの雰囲気もドイツらしく最高に一体感があって楽しかった。
ブレーメンの攻撃にだいぶ押されっぱなしだったユーヴェ。
セカンドレグでどう立て直してくるかが見ものだ。

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・First leg】チェルシー1-2バルセロナ

チェルシー1-2バルセロナ
◇日時:2006年2月22日(水)20.45KO(日本時間翌4.45)
59分【チェルシー】OG(モッタ←FK:ランパード)
72分【バルサ】OG(テリー←FK:ホナウジーニョ)
80分【バルサ】サミュエル・エトオ・フィル(ヘッド)

モウリーニョが試合後発したことばが印象的だった。
「10人になったら、プレスもかけられないし、深く守ることもできない」
そう、デル・オルノが退場になってから、チェルシーの最終ラインはふだんよりプッシュアップしていた。
それは、ひとりたりないぶん、無理をしてでも相手をスモールフィールドに追い込まなければいけないからだ。

テレビ中継で、解説・ヒロミさんが再三
「チェルシーはカウンター狙いでじゅうぶん」
と言ってましたが、カウンターといってもドン引きじゃなかったのがミソ。
正確にいえば、中盤浅いところで奪っての「ショートカウンター」を狙っていたのが、見ていてとても見応えがあった。

そして、その代償として何度も何度も危ない場面が訪れるんだけど、最後の最後でテリーが足を伸ばす。
何度スライディングしていたのだろうか、テリーは。
このゲームは、とにかくメッジとテリーを見ているだけでおなかいっぱいになったのだった。

ということで、「事実上の決勝戦」はバルサ超有利でセカンド・レグへ。
しかし、せっかくなら11対11で、ちゃんとしたゲームが見たかったと少し残念。

■チェルシー(4-3-3)
GK1:ペトル・チェヒ
DF20:パウロ・ヘナト・レボーショ・フェレイラ
DF26:ジョン・ジョージ・テリー
DF6:ヒカルド・アウベルト・シウヴェイラ・カルヴァーリョ
DF3:アシエル・デル・オルノ・コスガージャ(37分-一発退場)
MF4:クロード・マケレレ
MF22:エイドゥル・シマーリ・グジョンセン
MF8:フランク・ジェイムズ・ランパード
FW10:ジョージ・ジョン・”ジョー” コール
(40分-DF14:ジェレミ・ソレーレ・ヌジタップ・フォッソ)
FW9:エルナン・ホルヘ・クレスポ
(46分-FW15:ディディエ・ドログバ)
FW16:アルイェン・ロッベン
(78分-24:ショーン・キャメロン・ライト=フィリップス)

■バルセロナ(4-3-3)
GK1:ヴィクトール・ヴァルデス・アリバス
DF23:オレゲール・プレサス・レノン
DF5:”チャーリー” カルレス・プジョル・サフォルカーダ
DF4:ラファエル・マルケス・アルヴァレス
DF12:ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
(69分-16:シウヴィオ・メンデス・カンポス・ジュニオール “シウヴィーニョ”)
MF15:エヂミウソン・ゴメス・デ・モラレス
MF20:アンデルソン・ルイス・デ・ソウザ “デコ”
(85分-24:アンドレス・イニェスタ・リュハン)
MF3:ティアゴ・モッタ
(66分-FW7:ヘンリク・ラーション)
FW30:リオネル・アンドレス・メッジ
FW9:サミュエル・エトオ・フィル
FW10:ホナウド・デ・アジス・モレイラ “ホナウジーニョ”

ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス・コーチ(チェルシー)
「カタルーニャ語で『あざむく』とはなんと言うのか教えてくれないか?
バルセロナは文化都市であり、すばらしい劇場がたくさんある。
メッジという子はそこで学んだんだろうな、ダチョウ倶楽部なみのリアクション芸を。

私がいえることは、ただただウンコな判定だったということだけだ。
あの赤紙でなにもかも変わってしまった。
われわれは60分近くを10対11で戦わなくてはならななくなった。
これではプレスもかけられず、ウイングを2枚置くこともできず、深く守ることもできなくなる。
とにかく、不公平なジャッジのもとでも戦いつづけてくれた選手たちを誇りに思うよ。

このバルサ戦にでられないエッシェンのことを思い出してほしい。
ゲームではイエローだったのに、試合後VTRを見たUEFAによって2試合の出場停止が下されたんだよ。
じゃあ、きょうのデル・オルノへのレッドは間違いだったと取り消してもらえないのか。
あるいは、メッジをリアクション芸で出場停止にしてもらってもいい。
何にしろ、試合結果は変えられないのだから。
もし適切な対応がなされないのなら、バルセロナへ行く価値はあるんだろうか?
Bチームを送って、主力はプレミアシップとFAカップに集中させたほうがいいのかもしれないな」

フランク・エドマンド・ライカールト・コーチ(バルセロナ)
「偉大な勝利です、しかしまだ道は半ばです。
次の試合でも勝利をねらっていきますよ。
流れが変わったのは、チェルシーの先制点からでしたね。
あれで選手たちは『点を取ろう』というポジティブな気持ちになれたのです。
メッジ?
とにかくずっとファウルを受けつづけてました。
彼がリアクション芸人だとは思えません」

リオネル・アンドレス・メッジ選手(バルセロナ)
「だから、蹴られたから倒れたって言ってるじゃん。
デル・オルノのキックは空振りなんかじゃない、完全に僕をねらったものだったよ。
僕は演技なんてしてない」

テルイェ・ハウグ主審(ノルウェー)
「あの状況をジャッジするのは難しかったですね。
テレビのスローモーションを見て、私が馬鹿な判定をしたもんだという人もいるでしょう。
しかし、わたしはあのとき見て、感じたままを判定しただけです。
確かに、あの赤紙でゲームの行方は大きく変わってしまいましたけれどね」

【UEFAチャンピオンズリーグRound of 16・First leg】バイエルン・ミュンヘン1-1ACミラン

バイエルン・ミュンヘン1-1ACミラン
◇日時:2006年2月21日(火)20.45KO(日本時間翌4.45)
23分【バイエルン】ミヒャエル・バラック(右足超ミドル)
58分【ミラン】アンドレイ・シェヴチェンコ(PK右隅)

バラックのボレーが!
イスマエルのロングボールをジラルディーノがクリアすると、ボールはペナルティボックスの外にいたバラックの前へ。
ワントラップして少し浮いたボールを右足でボレーで合わせると、きれいに、ほんとうにきれいに、早く鋭く弧を描いてゴール右隅に入った。
このシーンのほかは、荒れたピッチのせいでお互いボールがうまくつながらず、ちょいグダグダな展開のゲームだった。

■バイエルン・ミュンヘン(4-1-2-1-2)
GK22:ミヒャエル・レンシング
DF2:ウィリー・サニョル
DF3:ルシマール・ダ・シウヴァ・フェレイラ “ルシオ”
DF25:ヴァレリアン・イスマエル
DF21:フィリップ・ラーム
MF6:マルティン・ガストン・デミチェリス
MF20:ハッサン・サリハミディッチ
(58分-MF8:アリ・カリミ)
MF11:ジョゼ・ホベルト・ダ・シウヴァ “ゼ・ホベルト”
(77分-MF7:メフメット・ショル)
MF13:ミヒャエル・バラック
FW14:クラウディオ・ミゲル・ピサーロ・ボッシオ
FW10:ロイ・マカーイ
(80分-FW33:ホセ・パオロ・ゲレーロ)

■ACミラン(4-1-2-1-2)
GK1:ネルソン・デ・ジェスス・ダ・シウヴァ “ヂダ”
(69分-GK16:ゼリコ・カラッツ)
DF31:ヤープ・ヤコブ・スタム
DF13:アレッサンドロ・ネスタ
DF4:カハベール “カッハ”・カラーゼ
DF27:セルジオ・クラウディオ・ドス・サントス “セルジーニョ”
MF21:アンドレア・ピルロ
MF8:ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾ “ガッツさん”
(85分-MF14:ヨハン・フォーゲル)
MF20:クラレンス。セードルフ
(90分-MF18:マレク・ヤンクロヴスキ)
MF22:ヒカルド・イゼシオン・ドス・サントス・レイテ “カカー”
FW11:アルベルト・ジラルディーノ
FW7:アンドレイ・シェヴチェンコ