京都サンガF.C. 5-0 ファジアーノ岡山
日時:2025年8月30日(土)19:03KO
会場:京都府立京都スタジアム “サンガS”(20,030人)
主審:大橋侑祐
15′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(左足←原)
20′-京都/原大智(左足)
30′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(左足←原)
80′-京都/中野瑠馬(右足) ※J1初ゴール
90+2′-京都/奥川雅也(左足←中野)
■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助(87′-DF22:須貝英大)
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF16:武田将平(77′-MF48:中野瑠馬)
MF39:平戸太貴(87′-MF88:グスタヴォ・ボナット・バヘット)
FW27:山田楓喜(64′-MF29:奥川雅也)
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(77′-FW93:長沢駿)
FW14:原大智
■ファジアーノ岡山(3-4-2-1)
GK49:スベンド・ブローダーセン
DF4:阿部海大
DF18:田上大地
DF43:鈴木喜丈
MF88:柳貴博(70′-MF50:加藤聖)
MF24:藤田息吹
MF41:宮本英治(46′-MF14:田部井涼)
MF39:佐藤龍之介
FW19:岩渕弘人(46′-FW22:一美和成)
FW8:江坂任(75′-MF33:神谷優太)
FW99:ルーカス・マルコス・メイレレス “ルカオ”(61′-FW98:ウェリック・シウヴァ・ピント “ウェリックポポ”)
あの夏、いちばん大きな果実
5-0(鼻血ブー)!!!!!
最後に奥川が決めて、京都サンガがすごすぎて、ちょっとだけ涙が溢れたよね。
2試合連続の圧勝、爆勝、完勝。
今節もまた首位を守った。
集まったお客さんたちも喜んで帰ってくれたに違いない。
開幕節、フワッとしたまま敗れてしまった岡山に、借りを返すべく挑んだこの試合。
対岡山としてまずプランニングされていたのは、ハイプレスを〝いなす〟ための土台づくりだった。
京都はいつも以上に、最終ラインと中盤でボールを落ち着かせ、攻撃に一呼吸置いていた。
のんびり回すのではない。
それは、新潟によるプレスの温度を測り、圧力の向きと強さを確かめる作業だった。
福岡がうまく〝へそ〟の位置に立ってパス成功数294本、ポゼッション率54%という数字を記録したことが、きょうの戦い方を物語っている。
ゲーム序盤の平戸の横パス以外、低い場所でパスが引っかかることも少なかった。
そうして相手のハイプレスをいなすことで、得点へのルートが生まれた。
具体的には、両サイドでの突破。
特に右サイドで目立った動きが、「タッチライン際(=外)で相手を釣り、ハーフスペース(=内)に差し込み、最終ラインの背後へ抜けた選手にボールを送る」というものだ。
その角度、速度は不規則。
速く突くときもあれば、いったん止めてから角度を変えて刺すときもある。
同じロジックの〝別解〟を連続して提示することで、岡山の守りを攪乱させて、破壊に導いた。
右ウイングでスタメンに入った山田楓喜がボールを落ち着かせ、マルコとは違う形で攻撃をオーガナイズしたことも注目したい
福田心之助のスプリント回数がいつもより少なかったのは、逆に山田楓喜を走らせる(=スルーパスを出す)側に回ることが多かったからだろう。
ファイナルサードへボールを送ると、そこに待ち構えるのがラファエル・エリアスだ。
先制点は相手GKが反応できないスピードでの強烈なシュート。
2点目は相手DFを背負ってボールを収め、半歩のズレをも許さない左足がスタジアムをどよめかせた。
「まず彼(エリアス)を見る」という原大智のサポートも大きい。
2人の間にあるのは、裏のスペースや〝怖い〟空間のイメージ共有。
認識がシンクロしているからこそ、エリアスの2ゴールが生まれたのだ。
5得点の一方で、守備は3試合連続での無失点。
曺さんは「失点しないためではなく、得点するために何をするか。その質が上がった結果としてのクリーンシート」と振り返っていた。
この言葉を解読するならば、
・パス回しでのミスが少なかった(=自陣でのボールロストが少なかった)
・なので、ボールを保持しながら、最終ラインを押し上げることができた
・一方、ボールを奪われても「二度追い、三度追い」で再奪取を狙い、相手の反転攻撃を遅らせることができた
ため、失点リスクを最小化できているということかなと思う。
さらに忘れていけないのが、交代選手がもたらす推進力。
中野瑠馬の待ってました、J1初ゴール。
ケガから戻ってきた奥川雅也の、テクニカルなゴール。
京都にとって選手交代は〝疲労の置換〟ではなく、もう一度前へ踏み込むための〝スイッチ〟と言える。
曺さんの言う「ベンチのエネルギーがわれわれの戦術」という言葉どおり、選手交代で強度を一段と上げることができていた。
相手をいなして、刺す。
前向きな守備と選手交代で、リード後も主導権を握り続ける。
間違いなく「オトナ」で強いチームの戦いぶりを見せてくれた。
天皇杯で敗退したのは残念だったけど、京都にとって「実り」が大きかった8月だった。
さぁ9月、シーズンは残り10試合——。