【J1第27節】FC東京 0-4 京都サンガF.C.

FC東京 0-4 京都サンガF.C.
日時:2025年8月24日(日)19:04KO
会場:東京都調布市東京スタジアム “味スタ”(2万7,591人/晴 31.9℃ 51%)
主審:イヴァン・アルシデス・バルトン・シスネロス
8′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(pen.)
13′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(pen.)
45′-京都/鈴木義宜(ヘッド←平戸)
81′-京都/ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(左足)

■FC東京(4-2-2-2)
GK81:キムスンギュ
DF5:長友佑都
DF24:アレクサンダーショルツ
DF30:岡哲平
DF6:バングーナガンデ佳史扶
MF18:橋本拳人(84′-MF27:常盤亨太)
MF37:小泉慶(77′-MF10:東慶悟)
MF28:野澤零温(63′-FW40:マルコス・ギリェルメ・ヂ・アウメイダ・サントス・マトス)
MF33:俵積田晃太(84′-FW25:小湊絆)
FW39:仲川輝人(63′-FW19:マルセロ・ヒアン・シウヴェストリ・ドス・サントス)
FW26:長倉幹樹

■京都サンガF.C.(4-1-2-3)
GK26:太田岳志
DF2:福田心之助(71′-DF22:須貝英大)
DF24:宮本優太
DF50:鈴木義宜
DF44:佐藤響
MF10:福岡慎平
MF39:平戸太貴
MF16:武田将平(71′-MF48:中野瑠馬)
FW14:原大智(63′-MF27:山田楓喜)
FW9:ハファエウ・エリアス・ダ・シウヴァ “パパガイオ”(84′-MF29:奥川雅也)
MF18:松田天馬(84′-FW93:長沢駿)

けものがれ、俺らの狼と

いや〜、スタジアム観戦で、こんなに安心してゲームを見ることができたのはいつ以来だろうか(大歓喜)。
8分、13分、立て続けのPK奪取で2得点。
そのあとはボールを持たれたけれど、FC東京に崩されるシーンは少なかった。
4点取れたことも、0点で抑えられたことも、両方うれしかった。

さて、試合データを紐解くと、きょうの京都の戦い方がよくわかる。

ポゼッションは34%、パス成功数139本。
ボール奪取のマップを見れば、その大半が相手陣深部、ゴール前やペナルティエリア脇に集中している。
京都は相手の保持を許しながらも、〝最高の狩場〟でプレスを仕掛けて奪い、回収した瞬間から少ないタッチでゴールへ迫った。
まるで狼の群れが獲物をねらうかのように——。
2点目のPKはGKと最終ラインを追い込み、誤ったファーストタッチを引き出した結果。
ダメ押しとなった4点目も、相手のビルドアップを高い位置で引っかけたところから生まれたものだ。

ゴール期待値(xG)は京都 2.65 に対し、FC東京は 2.14。
シュート数で劣っても決定機の質では上回ったことが、効率の差となってスコアに表れた。
曺さんは「相手のゴールキックこそチャンス」と語り、自分たちが愚直に繰り返してきた狙いがこの夜に結実したと誇らしげに語った。

もちろん、その戦い方を結果に結びつけたのは選手たちの献身だ。
エリアスは「われわれサンガのスタイルが出た。しっかりプレスをかけてボールを奪えたところからのゴールだった」と振り返り、松田天馬は「練習でやってきたことが出ただけ。(ハイプレス)をやらなきゃ、僕が出ている意味がない」と言い切った。
2人の言葉の端々に、“やり続ける”ことへの迷いのなさが滲み出る。

そして数字の裏側には、高温の中も走り回って、体を投げ出し、忠実に自分の役割を果たす選手たちの姿があった。
FC東京は、フォワードが中盤に降りてポゼッションに参加したり、詰まったらCBがドリブルで持ち上がったりで、繋いだパスはなんと443本。
しかし、 その多くは京都が「危険ではない」と見なしたエリアで回されたものにすぎない。
FC東京側にファイナルサードを攻略する〝絵〟は見えなかった。
最後は困って、ボランチの選手が浮き玉でサイドハーフの選手を走らせることもしばしば。
この夜、京都は保持率ではなく「決定機の効率」で試合を支配したのだ。

試合後、曺さんはいつも以上に饒舌だった。
「(2点目のPKについて)ああいうゴールをアクシデントによるものだと捉えられるのは、監督としてすごく残念」
「動かすだけで自陣で何本パスを繋いでも相手が揃っていたらほとんど意味がない。それだったら相手の背後に入れるようなスキームを作った方が効率的だと思っています」
という言葉は、松橋さんの耳にはどう響いただろうか?

対照的なスタイルを持つ両チームの対戦。
京都の完勝は、プランニングとプレッシングによって掴み取った〝必然〟だった。

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