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書籍小説 Archive
ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」(**)
- 2010-03-01 (月)
- 書籍小説
■ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
上記のカバーではない、新装版が現在発売中。
やっぱり、よくわらかない…。
※参考
■あれ?もしかして「マトリックス」って「ニューロマンサー」のパクリなんじゃ・・・
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東浩紀「クォンタム・ファミリーズ」(***)
- 2010-02-15 (月)
- 書籍小説
★そう、それはとんでもない誤解なのです。
けれども、そもそもこの宇宙では、現実と虚構、現実性と可能性、起こったことと起こるかもしれないことの区別には数学的に意味がない、
だからこそ人間は意識があるような錯覚をもつことができる、
それが量子脳計算機科学の結論でした。
ぼくたちはそのパラダイムに復讐されている。
そしてうまれなかったきょうだいに復讐されている。349p
人は誰しも考える。
「あのとき、あの場所で、別の行動をしてたら自分の人生は変わっただろうか」
なーんて。
アドベンチャーゲームのように「分岐点」によって複数のシナリオが存在する。
Aルートでゲームオーバーだから、途中に戻ってBルートへ…。
そんなことは人生において不可能だ。
あのとき、あの場所でわたしたちが下した決断・行動。
それらは、人生において「それをするほかなかった」選択肢である。
つまり、すべては「必然」であったのであーる。
そう考えて、くよくよしないほうがいいぜ!
——人生の諸先輩方はそう言っている。
人生は単線で、複線ではないのだ。
ところが。
量子物理学では、「エヴェレットの多世界解釈」っていう概念がある。
くわしいことはモノの本などを読んでいただければ…だが、超ざっくり言うと
「ある猫が生きている世界があれば、死んでいる世界もある」
と解釈することができるらしい。
この概念を援用して、
「同じ人の人生が複数存在する」
世の中を舞台にした小説が本書だ。
ネタバレになるから、概略だけ言うと、
「ある家族の複数の人生が、互いに影響をしあったとき、どうなるか」
というお話。
思想家・東浩紀の処女作ということで、そんなに期待せずに読みはじめたのだけど、これがふつうにおもしろい。
世界観の背景となる説明(量子コンピュータの話とか)は正直よくわからない部分は多かった。
けれど、ストーリー展開には興味津々、惹きつけられるものがあった。
※参考
多世界解釈。
■茂木健一郎 クオリア日記: クォンタム・ファミリーズ
量子力学に当てはめられる一つの世界観が、「多世界解釈」である。波動関数が収縮する時、世界は複数に分裂する。分裂したそれぞれの世界は、配列的に存在 する。エヴァレットIII世によって唱えられたこの解釈は、その提示する世界観が常識外れなものであるにもかかわらず、論理的整合性においてはすぐれている。現在でも、量子計算の研究をしているデイヴィッド・ドイッチュなど、多世界解釈を指示する論者が存在する
本人インタビュー。
■小説『クォンタム・ファミリーズ』を刊行 東浩紀さん : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
……その一方で、「書く仕事としては小説にウエートを移していきたい」とも宣言する。次回作の構想も、もう決まっている。7月に刊行される大森望さん 編集の書き下ろしSFアンソロジー『NOVA2』(河出文庫)に、火星を舞台にした短編を書く予定だ。連作短編の第1作になるという。
「粛々といい小説を書き、少しずつ文学の風景を変えていくことしかない。僕は本気ですよ」。2010年代にはどんな展開を見せるのか、目が離せない。
■東浩紀さん:新作を語る 初の小説『クォンタム・ファミリーズ』 – 毎日jp(毎日新聞)
……タイトルは訳すと「量子家族」になる。「彼らは核家族の幻影、幸せな家族を作らねばならないという幻想に取りつかれている。いい家族を作ろうとして失敗を続けている4人の物語です」と説明した。1971年生まれ。ゼロ年代の批評家の中では「独り勝ち」と呼ばれるほどの存在感を示している。しかし現在の評論界について、「社会的効果をすごく求められ、専門家主義が発達している。扱える範囲が狭い」と不自由さを強調した。それは小説を書くことの大きな理由になっている。「僕が何となく思っていることを書くには、フィクションを使うしかなかった。しばらくは小説を書いていきたい」
書評。
■東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』|書評/対談|新潮社
『クォンタム・ファミリーズ』(以下『QF』と略記)は、量子(クォンタム)コンピュータのネットワークによって相互干渉する並行世界を舞台に、出会うはずのない「家族」が時空を超えてリンクされる歴史改変SFである。グレッグ・イーガンやP・K・ディック、瀬名秀明や麻枝准らの先行作品と、ジャック・デリダの脱構築哲学を同時に視野に収めながら、作者自身とその家族を投影した作中人物(東浩紀は作家のほしおさなえと結婚し、娘がひとりいる)が離合集散する、思弁的でプライベートな色合いの濃い小説になっている。
物語の構造を図にした人が↓
時系列と相互関係がえらいことになってる。
それにしても労作だ…。
■superficial-ch’s fotolife – 20100201103834
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中田永一「吉祥寺の朝日奈くん」(***)
- 2010-02-02 (火)
- 書籍小説
■吉祥寺の朝日奈くん
乙一の変名だと言われている、恋愛小説作家の第2作。
しかし、今回は恋愛小説のフリをして「日常の謎」的なミステリの色が強い。
表題作もいいですが、中編「三角形はこわさないでおく」も秀逸。
恋愛と青春ドラマのフォーマットを丁寧になぞりながら重層化し、そこにミステリの風味をまぶした。
そのまま映画にできそうな、ビジュアルフルな作品だった。
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馳星周「鎮魂歌(レクイエム)―不夜城II」(****)
- 2010-01-20 (水)
- 書籍小説
■鎮魂歌(レクイエム)―不夜城〈2〉 (角川文庫)
再読。
ダシール・ハメット「血の収穫」、アンドリュー・ヴァクス「凶手」の要素を、
ジェイムズ・エルロイ「ホワイト・ジャズ」の文体で記した、アジアンノワール。
さいきんのは読んでないけど、馳星周のなかではいちばん好きだな。
★惨めだった。
すべては自分で招いたことだった。
嘘をつき、人の弱みに付け込む。
そんな人生を進んで辿ってきた。
行き着いた先が今の現状だ。
最初から間違った道を歩いていた。
くらだない家。
くだらない学校。
くだらない社会。
どこにも愛はなく、憎しみだけを持て余した。
警官になってもなにも変わらなかった。
刑事を辞めてもなにも変わらなかった。
クソまみれの人生をクソになって転がっていくだけだ。356p
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本多孝好「WILL」(**)
- 2009-10-14 (水)
- 書籍小説
■WILL
2002年に発刊された「MOMENT」の”数年後の世界”を描いた作品。
前作では主人公だった男子大学生・神田がサブキャラクターに、前作ではサブキャラクターだった女性で葬儀店を営む森野が主人公になっている。
物語の構造も「MOMENT」同様で、主人公が出来事に”巻き込まれて”それを解決してあげる…いわゆる、「日常の謎型」と呼ばれるミステリですな。
でもって、たぶんこの作品を楽しく読めるかどうかは、主人公である森野に感情移入できるかどうかが大きいだろう。
あまり感情を表にしない。
学生時代から他者とうまくコミュニケーションが取れなかった。
一見、ぶっきらぼう。
男性のような乱暴な話し方をする。
そんな性格だが、暖かく見守ってくれる男性がいる…。
このキャラクターに思いを寄り添うことができる読者というのは、きっと
「自分がどこか周囲になじめないと思っているような、コミュニケーション能力に欠けた人間。でありながら、自分を”まるごと無条件に”理解してくれる人間がどこかにいると信じたい」
みたいな。
うーん、つまりおれもみたいなヤツだな!と。
そう思える人なら、いい話だなーと思えるんじゃないか。
正直センチメンタルすぎる、感傷的すぎると言わざるをえないパートもある。
けっこう、人を選びそうな作品。
★伝えきれない言葉がもどかしかった。
大事な人を失ったとき、人の中に生まれるのは感情と呼べるようなものではない。
少なくとも私はそうだった。
それにどんな名前をつけるのかは、人によっていろいろだろう。
私ならば絶情と名づける。
悲しみならば癒せる。
けれど、それは感情を絶たれたその先にある。
その人の中にありながら、その人の支配を超えた場所で、その人を支配する。
ただ大きな、強い何かだ。(14p)
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