- 2010 年 8 月 13 日 5:00 PM
- 書籍小説
■笑う警官 (ハルキ文庫)
(以下、ネタバレを含みます)
映画化もされた、ベストセラー。
だが、ちょっと「ううーん」って言いたくなる内容だった。
個人的に、いちばん違和感を感じたのが、殺人事件の動機なのだ。
●いい年したおっちゃん(警視庁キャリア、北海道県警に出向中)が、短大卒の美人女性警官とデキてしまう。
●制服を着た女性警官に、手錠とかで拘束されながらセックスするのが好きで、それを求める。
●女性の方が、セックス面でも(ハプニングバーに行こうとか)、金銭面でも(東京に店を持たせろとか)要求がエスカレートしてきた。
●ちょうど、女性が空き巣に出くわして殴られ気を失っているのを見て、おっちゃんが
「いいチャンスだ」
と思って、彼女の首を折る。
うーん…。
テレビの2時間サスペンスドラマぽさが漂う。
ほかにも、濡れ衣を着せられた警官を匿っているが彼の身にほとんど危機が迫らない、そもそも主人公たちに敵対するグループが描かれてないためサスペンス感が薄い、など突っ込みたくなるところはあるんだけどね。
展開はスピーディなんだけど、どこか物足りなさを感じる一作だった。
★「水村は、何を要求したんです?」
「セックスの奴隷となれということだ」石岡の声には、張りがなかった。疲れ切った男の声だった。「ハプニングバーに連れてゆけ、三人プレイがしたいと、どんどん要求が過激になっていった。そして、わたしの赴任地には自分も必ず付いてゆく、と言うんだ。最後は東京が望みだという。六本木でも赤坂でもいい、お店を持たせてくれと言うんだ。裏金で、それができるはずだと」
佐伯は、水村朝美の父親が警察官であったことを思い出した。ひと昔前の警察官には、権威主義的な男が多かった。娘を時代錯誤と言えるほどの厳しい戒律で育てるのがふつうだった。警察官のあいだでは、よく言われている。模範的な警官の娘は、なぜか跳んでしまう。性的に暴走する女は、案外父親が警官だったというケースが多いのだ、と。水村朝美も、例外ではないのか。
391〜392p
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- 佐々木譲「笑う警官」(**) - Sex & Books & Football より

