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千田善「オシムの伝言」(***)

オシムの伝言
オシムの伝言
◇内容(「BOOK」データベースより)
日本代表通訳として常に傍らにいた著者が、イビツァ・オシム氏の日本での足跡を克明に記した迫真のドキュメント。日本代表監督としての軌跡、闘病の日々、日本サッカー協会アドバイザー就任から離日まで、その全期間923日の活動と発言が時系列で描かれている。オシム氏の思想とフットボール哲学、サッカー界への提言を伝える。また、はじめて明かされる闘病の記録には、胸を揺さぶられる。構成は、時間軸に沿いつつ、「人生」「スタイル」「リスク」「個の力」「誇り」「自由」「エスプリ」「勇気」「希望」「魔法」など、章ごとに主題が設定された29項から成る。セルビア・クロアチア語に通暁する著者が、オシム氏のユーモアや思想の真髄を伝える。コミュニケーションの精度の高さゆえ、類書とは一線を画するものとなった。すべてのオシム・ファンとサッカー愛好者に贈る書。


日本代表時代に、そして闘病時に、通訳としてオシム氏を支えて通訳さんによる「回顧エッセイ」です。
出色は、脳梗塞で倒れてから以降のくだり。
今まで明かされなかった「闘病」の日々が明らかになる。
そういえば、さいきんオシムさんをスカパー!で見て、あの独特の「猫背」が緩くなってる気がしたんですが、どうもリハビリで体を鍛えた結果、姿勢がよくなったとのこと。
なるほどね。

★「試合に行かなければ」。そう、オシムさんは語ったのだ。
(この発言を日本サッカー協会が公表しなかったのはやむを得なかったと思う。
オシムさんがすごい執念を燃やしていたのは確かだが、早期復帰の可能性はなかった。
発言がそのまま報道されたら、岡田新監督にとっても日本代表にとっても混乱するだけで、よいことは何もなかっただろう。
自分の発言が選手たちや後任監督を困らせるなら、それはオシムさんにも本意ではなかったはずだ。)194p

★その後すぐ、午前中の定期チェックに来た田中先生に、オシムさんはまだ不自由なかすれ声で話しかけた。
「試合に行かなければ。こんなところにぐずぐずしていられない。メンバーを選ばなければ」194p

★隣で通訳しながら気がついた。
筆者から見上げる顔の角度が以前より高い。
なんだかオシムさんの背が伸びたようだ。
姿勢がよくなり、頭の位置が高くなったのだ。
オシムさんがまだ初台に入院していたころ、リハビリの療法士さんに、楽に歩くコツは姿勢をよくすることだと聞いたことがある。
そのためには足腰だけではなく上半身、とくに腹筋を鍛える。
腹筋が締まれば内臓の位置が矯正され、上半身が伸び、重心移動がスムーズに行く。
オシムさんはそのアドバイス通りに身体を鍛えた。
体重もほぼベスト状態をキープ、猫背ぎみだった背筋が伸びて、スーツ姿もバッチリ決まる。
顔も引き締まって、「若返ったんじゃないですか」との声も聞こえる。239p

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