ホーム > アーカイブ > 2009年6月8日のアーカイブ
2009年6月8日のアーカイブ
川上弘美「夜の公園」(***)
- 2009 年 6 月 8 日 11:00 PM
- 書籍小説
■夜の公園 (中公文庫)
◇内容(「BOOK」データベースより)
「申し分のない」夫と、三十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない…。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う—。寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点が描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。
希薄な関係性、薄味の恋愛性
夜の公園でよく見かける青年と、スーパーマーケットで出会い、そのまま彼の部屋に行く主婦。
じぶんが、夫を好きか分からないでいる。
そんな女性をめぐる、男女の物語だ。
不倫とか、夫婦外性愛が題材なわけなんだけど、重さがまったくない。
あっさり不倫しちゃって、旦那さんもいらっとするけど本気では怒らない…みたいな。
こんな軽い人間関係ってあるの?
って思ってしまうんだけど、まぁ小説だしね。
読みながら思い出したのが、江國香織の「スイートリトルライズ」。
あれも、結びつきが弱い、不思議な夫婦関係の話だったな。
★暁、とリリは言った。
暁は答えなかった。
答えなくて、当然だわ。
リリは思う。
自己嫌悪でリリは吐きそうになった。
熱くて濃密なものが、のどもとまでせりあがってくる。
それが実際の胃からこみあげてくる未消化物なのか、それとも気持ちの中の不吉なかたまりがそのようなかたちをとっているように思えるだけなのか、リリにはわからなかった。117-118p
★ほんとうにリリは全然変わってないな。
暁は思う。
僕はこの人の、こういうところがきっと好きだったんだ。
いとけない人。
そう思いながら、しかしやはりリリにたいする何の感慨も、暁には湧いてこないのだった。p200
ホーム > アーカイブ > 2009年6月8日のアーカイブ
- 検索
- フィード
- メタ情報