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2008年7月30日のアーカイブ

金原ひとみ「蛇にピアス」(***)

蛇にピアス (集英社文庫)
蛇にピアス (集英社文庫)

先日、映画版を見たので、まず本のことを改めて。

生きていくこと、のなかで、何に価値を見いだすのか?
すごい難問。

この本の主人公・ルイは、”ギャル”。
たまにコンパニオンのバイトをするフリーターだ。
とくにやりたいこともなく生きていた彼女。
ある日、クラブで知り合った男と知り合ってから、変わる。
舌にピアスを入れ、背中にタトゥを入れる。
身体改造に熱中していくのだ。

じぶんのカラダを改造する。
そこに、なんらかの”生き甲斐”を見いだしたルイ。
その終着点は…けっきょくこの小説のなかでは描かれていない。

たぶん、援助交際の時代の
「まったり生きる」
女性たちの延長線上に、ルイは位置づけられていると思う。
カラダを売る。
カラダをイジる。
向かうベクトルは違うけど、目的は同じ。

なぜ、なんのために、いま自分は生きているのか?
よくわからないし、考えることもない。
そんなギャルが、自分のカラダを介在させたとき…。
カラダを使う/使われることで、生きていることを感じ取れるというか。
そんなことが、この作品では言われてるのでしょうか?

でも、主人公がぐうぜん起業するオヤジに誘われるうちに、ビジネスのおもしろさを知る…。
だったら、サラリーマン金太郎女性版だし。
主人公がコンパニオンのバイト友達から誘われ、温泉でフラダンスを踊るように…。
だったら、フラガール。
そういう意味では、スプリットタンという新鮮な題材を使ってはいるが、
 ・書いているテーマ(生の実感がない主人公)
 ・ストーリー展開(偶然誰かに誘われて…)
はベーシックな小説なのかもしれないなー。

★あれからというもの、舌の痛みもおさまってきたというのに、私は舌ピを拡張する気になれない。
褒めてくれる人もいない今、私の舌ピは意味をもたないのだろうか。
もしかしたら、私はアマが言っていたように、アマと同じ気持ちを共有したくてスプリットタンを目指していたのかもしれない。
…(中略)
アマも熱意もなくなってしまった今、この舌ピにいったい何の意味があるんだろう。105p

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