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2007年5月29日のアーカイブ

松本育夫「天命—我がサッカー人生に終わりなし」(****)

天命―我がサッカー人生に終わりなし
天命―我がサッカー人生に終わりなし
# 単行本: 237ページ
# 出版社: クリーク・アンド・リバー社 (2007/04)
# ISBN-10: 4903679012
# ISBN-13: 978-4903679013
# 目次: 序章 全力!50年のサッカー人生
第一章 覚悟を決めて鳥栖に来た
第二章 最後のシーズンを前に 〜「やっておいて良かった」の人生
第三章 夢を持てるクラブへの手応えを感じた2006年
第四章 サガン鳥栖を後進に託す
第五章 2006年W杯日本代表の失敗、オシム監督への期待
第六章 若きサッカーの後輩たちへ
第七章 サッカーの指導者を志す者たちへ



これはすばらしい。
松本育夫さんのたぎる情熱、真剣な気持ち、まっすぐな思いに、姿勢が正される思いがした。
内容は、鳥栖の監督に着任したときから辞任するまでを中心に、サッカー人生を振り返るというもの。

しかし、単純にサッカーの話ではない。
それよりも、サッカーの経験を通じての、育夫さんの人生論になっていて、そこが「読ませて」くれる。
たとえば、次のようなくだり。

★自己表現。
相互理解。
感謝の気持ち。
これらはサッカーに限らず、チームプレイを成り立たせるうえで欠かせない要素だが、現在はこれがひじょうに欠けている傾向にあると思う。
たとえば自分を表現しようとしたときに、自分のなりたい姿、自分の求めるもの、それがいったい何かということが明確になっていなければ、自己表現しようもない。
また、自己表現とは勝手気ままという意味ではないし、自分ひとりだけで実現できるものでもない。
さらにいえば、自分を表現するための豊富なボキャブラリーや知識も身につけておかなければならない。…184p



そんな人生論のバックボーンは、師と仰ぐドイツ人サッカー指導者・デットマール・クラマー氏の影響が大きいという。

★そうしたクラマーさんの哲学に触れたことで、私は「やっておいたよかった」の人生と「やっておけばよかった」の人生の違いを学んだ。
そのことで私は、いまは苦しいかもしれないけれども、正しいことを、とにかく何が何でも全力でやっておくという人生観を身につけた。
「あのときもう少しやっておけば、今の状況が少しは変わっていたのに」という人生だけは歩みたくないし、選手たちにもそうはなってほしくないと思い続けてきた。109p



「やっておいたよかった」の人生!
深いな。

ちなみに、育夫さんは「残った人生をサッカーに捧げよう」と1996年にマツダを退社し、サラリーマン生活にピリオドを打った。
そして、その年から1999年までのあいだ、京都パープルサンガでゼネラルマネージャーを務めている。
サンガにかんする記述は一カ所だけあった。

★指導者のプロとしての道をスタートさせてからも、京都パープルサンガでのゼネラルマネージャーとしての仕事では人間関係に悩まされ、……11p



人間関係…。
やっぱり、サンガフロントはいろいろあるとの噂が実証されたのだね…。

それはさておき!
改めていい本だった。
サッカー好き、人生訓好きにオススメ。

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