- 2007 年 3 月 27 日 12:00 AM
- 書籍小説
■狼でもなく
◇徳間書店 1992-06
読むのは3回目。
前に読んだのは5年前ぐらいか。
けっこう話の筋を忘れているものです。
そして、何度読んでもすばらしい。
文章。
展開。
登場人物の造形。
それら、すべてが。
志水氏が後書きでいわく、本作はライターから作家になろうとしたときにはじめに習作として書いたものらしい。
その後デビューから5年が経って、ふたたび書き直して世に問うたとのこと。
ならば、これがある意味志水文学の「原点」。
一時期入手困難になっていたようだが、昨年増刷がかかっている(わたくしがかったのは第4刷)。
今がチャンス!?
血と感情が飛びちる名作。
哀愁に満ちたラスト2行も完璧なので、未読のかたはぜひ。
★ある衝撃をもってそのことばを受け止めた。
低い音程。
耳ざわりな響き。
それに特有の切迫感があり、押し殺した呼吸を耳元で感じた。
いやでも過去のひだをめくってこずにはおかない声。
記憶が総合的な感覚として突然脳裏によみがえってきた。
困惑と同様。
まぎれもなく彼だった。
しかし、いま、また、なぜ? 6p
★暗い夜だ。
自分の目に光が映らなくなったような気がする。
林立する裸並木が骸骨のイメージをもって後ろへ後ろへと流れていく。
どこにも声をかけるべき人のいない夜半の街、無人の海。
漂流している。
わたしの漂流がいまだにつづいている。240p
※過去ログ(作品の発表年順に)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「飢えて狼」(***)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「裂けて海峡」(*****)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「背いて故郷」(*****)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「負け犬」(****)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「男坂」(***)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「ラスト・ドリーム」(****)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「約束の地」(****)
■Sex & Books & Football – 志水辰夫「うしろ姿」(*****)
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