- 2006 年 3 月 16 日 2:03 AM
- 書籍一般
■ジョゼ・モウリーニョ 勝者の解剖学
◇出版社: 宝島社 ; ISBN: 4796651101 ; (2006/01)
内容(「MARC」データベースより)
「我こそ監督の中の監督」と自分自身に絶対の自信を持つジョゼ・モウリーニョ。ポルトガルに生まれ、体育教師、通訳から世界最高の監督へ。わずか2年半ですべてのタイトルを獲り尽くした若きフットボール監督の半生。
体育教師時代の生徒の話。
★「彼はすごくよい先生でした。彼のやり方にはすごく包容力があって、子供たちみんなに興味をもっていました。もし問題が起こったら、彼のところに行けばよかったんです。みんな彼のそばにいたがってましたよ。……」(68p)
ベンフィカの副会長ジョゼ・マニュエル・カプリスターノの弁。
★「あの男はコーチになるべくして生まれてきたにちがいない。私はあのような男に、これまでの人生で一度も会ったことがない。彼は一日24時間、ものを考えているにちがいない」(126p)
精神科医の分析。
★「モウリーニョの会話のほとんどすべてが彼の仕事の一部なんだ。……記者会見で、彼は自分のチームの選手、ほかの監督たち、そしてFAの人間たちに話しかけているんだ。一般の人たちに話しているのではないよ。……」(169p)
デイヴィッド・モイーズ(エヴァートン監督)の評価。
★「私は、彼が見せる表向きの人格は、ひょっとするとメディア用かもしれないと思っているんだ。私は彼の人格の下には私たちの誰もがもっているのと同じ、失敗することへの恐怖心があるのではないかと感じている。おそらく、この恐怖心が彼を動かしているんだ。……」(185p)
こうした引用からもわかるように、これはイギリス人サッカージャーナリストが「ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックスとはいったいどんな人間であるか?」に迫った本である。
そして結論として作者は、メディアに見せるあの尊大でいけすかない態度は、「パフォーマンス」+「多少の自己陶酔癖」によるものだ、とする。
ま、それを信じるのも信じないのも自由であるが、モウリーニョの意外な一面を知るという意味では、モウリーニョ好きとして楽しく読めたのだった。
ただ、ネックは日本語訳。
文章が機械翻訳みたいでこなれていないのは許すとして、好々爺サー・ボビー・ロブソンが話すことばを
「俺は~だったんだ」
とチンピラみたいな口調にしてあったり(笑・サッカー選手はみんな汚いことばを話すと思ってるのだろうか)、
★ニューキャッスルの選手グレアム・サウネスを祝福するモウリーニョの姿だった(24p)(→正:選手じゃなくて監督、それにサウネスよりスーネスのほうが一般的なのになぁと思ったら、64pにはグレアム・スーネスって書いてある)
★ラファエル・ベニテスは(中略)チャンピオンズリーグではリヴァプールを破って優勝した(192p)(→正:「率いた」)
などなど許しがたいミスが散見されたり、読んでいて何度も何度もしょんぼり…。
本をつくった人も訳した人も、あんまサッカーが好きじゃないのかなぁ…と思ってググってみたら、訳者の中島英述さんは音楽畑の人とか。
■【アメリア】みんなで作るインタビュー9・中島英述さん LLC紹介編
なおこの本、主演ジョージ・クルーニーで映画化されることが決定済み。
映画公開の際でも結構ですので、ぜひ改訳版を出してほしいなぁと思いまーす。
最後に名文句を。
★「コーチは男たちのリーダーでなくてはならないのです。筋の通ったリーダーでなければなりません。よいコーチは必ず、選手に自分たちは偉大だと感じされるものなのです。萎縮させてしまってはいけません」(145p)――ジョゼ・マリオ・ドス・サントス・モウリーニョ・フェリックス
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