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2006年3月14日のアーカイブ
志水辰夫「生きいそぎ」(****)
- 2006 年 3 月 14 日 1:42 AM
- 書籍小説
■生きいそぎ
◇出版社: 集英社 ; ISBN: 4087460126 ; (2006/02/17)
内容(「BOOK」データベースより)
定年を迎えたり、親しい友人が亡くなったり、親やきょうだいの法事に集まったりするとき、ふと胸をよぎるのは、幼かった頃のことや、最も輝いていた時期のことだ。人は皆、戻るべき故郷があるというけれど、戻ればそこは、変わり果て居場所さえもままならない。でもまた生きてゆかなければならない。老いに向かう人生の「秋」を叙情豊かに描く短編小説集。
定年になったばかりだったり、いわゆる熟年の男性たちを主人公にした連作短編集。
そういう人生のベテランでさえ、人生を振り返ると、やり残していたり、悔やんでいたり、わだかまりがあったり、そんなことがある。
とにかく、人生は有限だ。
いつか終わる。
だけど、どこでエンディングがやってくるかがわからないのが、その「妙味」だと個人的には思うのです。
たとえば、高校生で車にはねられて亡くなった人がいるとする。
車にぶつかって、体が宙に飛んで、そして死ぬ数秒前。
あたまは、混乱状態にありながら、
「え、おれの人生、これで終わり? まじ?」
なんて思っているのではないだろうか。
あるいは、
「やべ、レンタルビデオ返してなかった」
とかね。
逆に、小さいとこから病弱で
「いつ死んでもおかしくない」
といわれていたひとが、90歳くらいまで生きて大往生したりとか。
わからないものだ。
だから、人生を思うように「デザイン」するのはめちゃくちゃ難しい。
「あーあのとき、ああしてればよかった」
後悔がないように生きるなんてほぼ不可能なのだ。
ミッション・インポッシブル。
よく知らないんですが、そんな感じのことを「無常」とかいうらしく。
で、そんな無常のなかで、いかに明るく楽しくきままに生きていけばいいのやら。
――小説の内容とはまったく関係ないんですが、てなことを思ったのでした。
★「わたしはもう、むかしのこととか、いままでのこととかは、いっさい考えないことにしたの。これまでくよくよしてきたほうだと思うから、これからは前だけ向いて、好きなように時間をすごそうって。それをかなえてくれたあなたには、心から感謝してるのよ」
「ぼくもきみには感謝しているよ。ひとりになって、多少不自由なことはあるけど、はじめて人生の両目が開いたというか、いままでなにをしていたんだろうと思うことのほうが多い。勤めだとか、仕事だとかは、けっして男子の本懐ではなかったことにやっと気がついた。あのまま家にくすぶっていたら、いまごろは仕事も行き先も失ってしまった反動で、もうぼけていたかもしれない」131p
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