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2006年3月6日のアーカイブ

恩田陸「ユージニア」(**)

ユージニア
ユージニア
◇出版社: 角川書店 ; ISBN: 404873573X ; (2005/02/03)


「読め読め」と、手渡されたので、読んでみた。
恩田陸。
初体験。
んわー、むむむー。
こりゃ独特。
女の子が好きそうな作風だ。

話の筋は以下な感じ。
――小さな町のとある名家で起きた、毒物による大量殺人事件。
難を逃れたのは、当主の眼が見えない娘だけだった。
その後容疑者が自供の遺書を残して自殺。
しかし、数々の謎が残った。
そして10年の月日がたち、町の関係者が事件について語り出す…。

なわけで、複数の人物が交代で語るという文体をとったこの作品。
その交代がけっこう頻繁なもんで、序盤はまったく物語が見えてこない。
「あー、もう窓から投げ捨てよう!」
と、思ったこと数度。
しかし、自分が買った本ならともかく、もらったものなので頑張った、頑張ったよ!
そして、中盤になるとだいぶわかるようになってきました。

で、そこで気になったのが、出てくる人たち人たちに現実味が感じられない点。
血が通ってないというか。
殺人すら詩的できれいなものに書かれてる。
それがいいところであり、また「疵」であるような。
行間から漂う香りとしては、森博嗣さんに近いものを感じた。
文章きれいで上手いんだけど、個人的に何かが足りないのだ。
わたくしは文学には「きれいさ」「うまさ」よりも、「絶望・失望・倦怠・妄想・ゲロ・発狂」といったものを求めている。
個人的には、おかげでどうも入り込めなかったのだった。

とはいえ、すんげぇ上手いですね。
「いまさら言うなよ!」という感じですが。
語り手を変えていって物語を重層的に読ませるその手練手管。
センシティブな文章。
小説好きなんだろうなぁ、この人!
文学少女だったんだろうなぁ!
そう思えて、読んでいてうれしくなる感じがあった。
こんな文章が書けるようになりたいな、と。

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