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2006年3月2日のアーカイブ

天童荒太「包帯クラブ The Bandage Club」(****)

包帯クラブ The Bandage Club
包帯クラブ The Bandage Club
◇出版社: 筑摩書房 ; ISBN: 4480687319 ; (2006/02/07)
内容(「MARC」データベースより):これは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした、ある小さなクラブの記録であり、途中報告書だ…。いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける、傷ついた少年少女たちの感動的な物語。

子供だって、こころに傷を負う。
そして、親にも友達にも言えずに黙っていたりする。
そうした人の傷心をいやすことをできないかと考えた少年少女のたくらみが描かれる。

「永遠の仔」という傑作を書き上げながら、文学賞レースでは
 「長すぎる」「書きたいことを短くまとめるのも文学」
とけんもほろろにいわれた経験をもつ天童荒太氏。
でも、200ページに満たないこの本でも、やっぱ上手いんだな。

おそらく登場人物たちと同じ10代の読者をターゲットに書かれた文章だと思うのだけれど、おっさんのおれでさえも、心に沁みる/沁み入る/沁みてくる。
それはきっと子供のころの傷というのは、意外と大人になっても覚えているものだからではないだろうか。

おれは引き算でが嫌いである。
具体的にいえば、上の桁から1を借りてくる」っていうのが嫌いだ。
なぜかというと、小学生のころ長く登校していない時期があって。
で、久しぶりにいったら、引き算のその「借りてくる」っていうところが習い終わっていた。
周りの生徒たちは当然のものとしてその引き算をやってるんだけど、おれは
「なんか、10の位から1を借りてくるって言ってるけど、なんで借りられるのかなぁ…」
と不思議に思ったのだった。
「なんか、みんなやってるけれど、1借りるのやだなぁ」
とか感じていたのだ。
たぶん、自分が周りから取り残されているという孤独感が、こころに残ったのだろうけれど。
いまだに、ちょっとした計算をするときに筆算してると、引き算はちょっと嫌。
1借りたから、10の位の5に斜線を引いて4って書いて、1の位の上のほうに小さい1を書く、あのときの気持ち。
んーーーー。

★「名前がつけられたんだよ、シオ。気持ちが沈むようなこと、納得いかないこと、やりきれないって、もやもやしたこと。あの気持ちに包帯を巻くことで、名前がつけられたんだよ、<傷>だって。傷を受けたら、痛いしさ、だれでもへこむの、当たり前だよ。でも、傷だからさ、手当てをしたら、いつか治っていくんじゃない」59P

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