- 2005 年 12 月 21 日 10:40 PM
- 書籍一般
■プロフェッショナル広報戦略
出版社: ゴマブックス ; ISBN: 4777102998 ; (2005/12/20)
目次
第1章 戦略的広報とはなにか 17
第2章 自民党の広報改革プロジェクト 43
第3章 プロジェクトマネジメントとしての広報 69
第4章 組織を勝利に導くための広報戦略 93
第5章 プロの広報マンになるために 133
第6章 コミュニケーションのプロが広報だ 165
先の衆院選で小泉自民党を圧勝へと導いた広報戦略の立役者であり、「自民党のゲッペルス」とも称される世耕弘成参議院議員の著。
もともとNTTの広報マンだった世耕議員は、政界入りして、「コミュニケーション戦略・広報戦略」が存在しないことに驚く。
たとえば、首相のぶら下がり取材にたいして、まわりはなにも準備していない。
企業の世界ではこれはありえないことだと感じ、政治の世界にも広報が重要だとして、「広報改革」に乗り出したのだという。
まず、おもしろかったのは小泉純一郎首相がらみのエピソードだ。
田中真紀子外相を更迭した2002年。
内閣支持率が下がったため、ここぞとばかり世耕議員が「広報改革」を上申する。
だが、
「データを使うってのはね、君、ダメだ。それじゃあ、田中さんを更迭はできないんだ。データを使ったら、世論が反対なのはわかるわけだろ? できないじゃないか。政治はそういう問題だけじゃないんだ。直感とか、信念とか、自分で決断しないといけない。データじゃない。企業と違うんだ。だからこれは使えない」
と首相。
時は流れてことし、2005年。
郵政民営化法案で世耕議員が賛成演説をしたところ、その内容に首相がいたく感動。
世耕議員に
「今回は広報が大切だから君がぜひやってくれ。広報はわかりやすく。やさしくやってほしい。で、オレはもう、キャッチフレーズは決めてあるんだ。武部さんにも話した。キャッチフレーズは『改革を止めるな。』、そして『初心に帰った』感じを出したい。それを考えてくれ」
と指示する。
変わり身のはやさ、さすが純ちゃん!(゚∀゚)
首相命令によって、自民党内に「コミュニケーション戦略チーム」が誕生した。
ここには、民間のPR会社・プラップジャパンの人員も参加していたという。
そして、世耕議員がこのチーム内で行なった「戦略的広報」とはいかなるものか、まとめてみる。
▼1:データ収集の徹底
新聞・雑誌・テレビ番組(ワイドショーまで)で選挙がどう報道されたかをチェックし、文書化する。
こまめに世論調査、グループインタビューを行ない、有権者が選挙についてどう思っているか、随時チェックする。
▼2:PDCAサイクルを回しつづける
上のデータ収集で、自民党関係者の発言がどう受け止められているのかを確認。
間違った受け止められ方をしていれば、言い方を変えるなどの指示を出す。
そうしたアドバイスや、民主党の失言などをまとめたレポートを、各支持者のもとに毎日1~3枚ファックスする。
▼3:シンプルなメッセージ
よくいわれるように、「郵政民営化」の論点を一本化した。
その理由は、逐一行なわれていた調査の結果、郵政の問題が有権者にとって関心の第一でありつづけていたから。
んー、なんかここまで明かしちゃったら、民主党がつぎの選挙で真似しちゃうかもしれないと危惧しちゃうほど。
ページ数は薄いが、読み応えのある1冊であった。
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