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Let’s ask the psychic.


おれがよく行くモスバーガーはへんなお客さんが多い。
この前に行ったときも、ぽっちゃりとした若い娘さんと黒ずくめファッションのおばさんが、向き合って真剣に会話していた、おれの隣りで。

「…そのときに見えたんですよ」
「霊ネ…」
「で、その人が学生服を着てるんです」
「フンフン」
「頭はスキンヘッド」
「坊主ね。今風の男の子ナノ?」
「はい、すごくふつうの」
「いまどきの坊主の霊、ウーン…聞いたことないわねぇ」

どうやら、このおふたりのうち、おばさんは霊能者であり、娘さんは霊能者に相談を持ちかけてきた人のようであった。
おれは「kamipro」のレイザーラモンHGインタビューや菊地成孔&水道橋博士対談を熟読し、さらに川端康成の「眠れる美女」を読み切ったくらい、長い間店にいたのだが、その間トイレにも行かず、ずっと話している。

「だから、あなたのネ、霊が見えるというのもネ、けっして喜ぶべきことじゃないわけ」
「はぁ」
「霊が見えないほうが幸せということもあるノヨ」
「でも、見えるんです」

ときどき聞こえてくる会話は、説教する霊能者、あんまり聞いていない相談者という構図であるようだった。
1本のミネラルウォーターを2つのコップに取り分けて、ひたすらと話しあう2人。
そのとき、夜によく見るおじいちゃん店員がやってきた。
「すみません、窓のね、ブラインドを上げさせていただきますんで…」

ブラインドを上げるため、2人の席の横に身体を入れたそのとき、おじいちゃんは相談者の娘さんの横腹を軽くキックした。
「あ、すみません…」
このとき、おれはおじいさんの怒りがビジュアルで見えるようだった。
霊能者も沈黙していた。
娘さんは何も感じていないようだった。
きっと相談は解決することがないだろうと思いつつ、おれは席を立った。

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Let’s ask the psychic. - Sex & Books & Football より

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