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上原隆「雨の日と月曜日は」(***)


雨の日と月曜日は
雨の日と月曜日は

出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101185417 ; (2005/05)

“日本のボブ・グリーン”(って、誰が言ってるんだ?)の最新エッセイ。
「友がみな我よりえらく見える日は」ほか既刊は「市井の人のちょっとイイ(・∀・)話」を集めたものであるのにたいして、本書は作者自身の体験や思考がテーマになっている。
既刊に関しては読んでいて「グッとくる」秀逸なエピソードぞろいなんですが、その中で少し「できすぎ」というか「うまく美化されてるかな?」みたいな感じもしたのだった。
だから、自分のことを赤裸々に語ったこの本書にほうが、もっと「グッときた」のです。
で、いくつか採録。

「『私』をめぐる諸説について」より

★日記を公開するような自意識過剰は格好悪いと思う。一方、私を手放したとき、ひとに表現するべき何があるのだろうとも思う。
★「かけがえのない私」が大衆のものになったのは、1960年代に入ってからではないかと、トム・ウルフはいう。


「営業という仕事」より

★人生は思いどおりにならないものだなと思う。まわりとの関係で自分の役割が決められていく。それを受け入れなければならないときがある。


「針生森にきいた映画の話」より

★「形容詞や副詞をなるべく使わないようにしています」私はいった。
 「なるほど。アゴタ・クリストフの『悪童日記』にそういう一文があったね」
★「『アメリカン・グラフィティ』はいい映画だね」と針生がいう。「……ドラマの時制は過去の、ある一日なんだ。その一日にすべてを凝縮して現在進行形で描く。そして最後にパッと時間が飛ぶ。……」


「父の本」より

★出発点から、どれだけ自分の生活を向上させたかという尺度によって人生を測るならば、父の人生はかなりいい線いっていると思う。


「ルポルタージュ・コラムのできるまで」より

★多くの場合、感動的な出来事は過去形で語られる。しかし、文章としては現在進行形で表現したい。ここがルポルタージュ・コラムの難しいところだ。
★文章には考えたことは書かない。事実だけを積み上げていき、テーマはその下に隠す。


「文章を書く喜び」より

★この単純な生活信条が彼を生き生きとさせていた。


「土曜日の午後」より

★案外、人生は自分の判断や努力で結果が左右されるゲームなんだなと思う。


「村上春樹・文体の快楽」より

★(風の歌を聴けの)文章には、「比喩」「粋なセリフ」「固有名詞の多用」「ユーモアのセンス」「伏線とオチ」「独特の接続語」「言い切る語尾」「リズム」といった八つの特徴がある。


「加藤典洋・ヤスリのかけ方」より

★「正しさ」が現実をあらかじめ整理してしまうので生の現実と出会えなくなっているのだと思った。


「あとがき」より

★読んで面白いのは、「私語り」なのだと気がついた。
 私は、なるべく正直に自分のことを書くことにした。

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