- 2004 年 7 月 16 日 1:40 AM
- 書籍小説
■九十九十九
出版社: 講談社 ; ISBN: 406182306X ; (2003/04)
「苦しさを感じるなら、僕なんて愛さなくていいんだ」
聖書/『創世記(ジェネシス)』/『ヨハネの黙示録(アポカリプス)』の見立て連続殺人を主旋律に、
神/「清涼院流水」の喇叭(ラッパ)が吹き荒れる舞台(ダンスフロア)で踊りつづける
超絶のメタ探偵九十九十九(ツクモジュウク)の魂の旅が圧倒的文圧で語られる。
〝世紀の傑作〟はついに王太郎の手によって書かれてしまった!
「ハァレルゥヤ!」
芥川賞に舞城が落選したそんな夜に読了。
清涼院流水の「JDCシリーズ」へのトリビュート作品だが、オレはそのシリーズをまったく読んでない。
その前提でのレビューなり。以下、ウルトラ・ネタバレリーナ。
物語構成としては、
1)九十九十九を主人公にした1話があり、
2)清涼院流水によって書かれたらしい「1話という小説」を読んだ九十九十九――彼を主人公にした2話があり、
3)清涼院流水によって書かれたらしい「2話という小説」を読んだ九十九十九――彼を主人公にした3話があり、
4)清涼院流水によって書かれたらしい「3話という小説」を読んだ九十九十九――彼を主人公にした5話があり、
5)清涼院流水によって書かれたらしい「5話という小説」を読んだ九十九十九――彼を主人公にした4話があり、
6)清涼院流水によって書かれたらしい「4話という小説」を読んだ九十九十九――彼を主人公にした7話があり、
7)清涼院流水によって書かれたらしい「7話という小説」を読んだ九十九十九――彼を主人公にした6話がある。
そんな物語である
……って、どんな話やねん!つーことで、以下もう少し詳しく。
ちょっと、出てくる登場人物の一部を抽出して血縁関係で並べてみる。
<血縁>は〝奈津川家サーガ〟シリーズでもわかるように、舞城のキーワードのひとつだしね。
A育ての母 C義母━━━D義父
┃ ┃
B自分(九十九十九)━━━━E妻
┃
F三つ子
Aから逃れようとして身分を隠して生きるB。
けれども、かけがえのないEの母Cこそ実はAだった。
Bは実は3つに分裂した存在で、
DでもありBでもあり、そして3つの存在という意味でFでもある。
????
読んでない人にとっては、もはや電波な文章だーね、こりゃ。
でも続けると、上の人間関係は還元すれば、
オンナ;育ての母=義母
オトコ;義父=自分=息子である三つ子
つまりは、
「素顔を見れば、誰もが失神する美しい僕。
だけど、本当の僕は3つの僕が胴体でくっついた異形だと気がついた。
…..。
愛すべき妻がいるのに、いとおしい息子たちがいるのに、
僕は育ての母であり義母である女性に惹かれていることに気がついた。
…..。
あー神様! どうして、僕をこんなふうにしたのですか」
↓
「つーか、これは小説なんだよ!
神=作者には逆らえないんだよぉ!」
って、主人公・九十九十九の叫びに当たり前のことを突っ込む物語、なのかな。
相変わらず、ミステリの体裁を借りながら純文学、そんな味わい。
でも、ここまで書いておいて、オレの結論としては現状のところ次のとおり。
上のような「この作品が書かれた狙いとか目的」とか考えるなんてどーでもよくて、
「物語構造を楽しむ小説、実験小説、メタ小説、舞城小説(あるいは大説!?)」として楽しむのがベター、
なのかもしれない。
<未完>
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